石川県の田舎町から上京してきた高校一年生のみつみちゃんこと岩倉美津未。過疎地出身ゆえの天然ぶりで、慣れない都会暮らしはお約束のドタバタ状態。だけど、壁にぶつかってへこたれてもすぐに立ち直る前向きさで周囲を明るく幸せにしていくのです。高松美咲先生のハッピーコミックです。

ちなみに作者の高松美咲先生、1992年3月21日生まれだそうです!

田舎育ちの天真爛漫の少女が 初めての都会暮らしで巻き起こしていくやさしくも穏やかな日常の変化

主人公のみつみちゃんは、勉強はできるけれど、田舎育ちならではの天然ぶりで、女子高生らしいオシャレや恋バナとはちょっと縁遠い女の子。上京したてで、東京のとある新学校に首席入学するも、まあ 周囲から浮きまくってしまうことは簡単に予想がつくってものです。
だけど、運よくというか、学年イチのイケメン 志摩聡介くんと偶然にも仲良くなれたおかげで、みつみちゃんはいじめられもせず、なんとなくクラスの面々と打ち解けることができるのです。
さらに、みつみちゃん自身が単なる田舎育ちののんびりさんではなく、ちょっと天然ボケではあるけれど、いろいろなことに一生懸命な、"ホンモノの"良い子であることは周りにもすぐに伝わって、ちゃんと仲の良い友人たちに恵まれるようになります。
さらに、イケメン 志摩くんとも周囲からは"あれ、コイツら付き合ってる?そんなわけないよなあ??"と訝られるくらいに親しくなるのです。

やがてみつみちゃんは"あれ、私もしかしたら志摩くんのこと好き??""コレってもしかしたら恋?"と、うっかり志摩くんのことを意識しはじめちゃったりして、なんとも可愛らしい、そして忙しいみつみちゃんの高校生活が始まっていくのです。

うーん、マジ可愛い♡

2021年3月現在、5巻まで発刊済み

本作は2021年3月時点で第5巻まで発売されており、まだまだ連載は続いています。
志摩くんは、かつては子役として芸能活動をしていたようですが、何か事件があったようでいまはその事実を隠すようにして暮らしている、少しミステリアスな少年ですが、みつみちゃんの表裏のない明るさとひたむきさに癒されるのでしょうか、彼女の前ではとっても素直でいられるようです。そんな志摩くんの、爽やかなイケメンぶりに多くの女の子が群がってくるし、その中には志摩くんと距離の近いみつみちゃんに対抗心を持つ者もいるようですが、みつみちゃんのあまりの無邪気さと明るさに拍子抜けして、誰もが警戒心を解いていってしまいます。

正直なところ、みつみちゃんは見た目にはイケてるとは言えないようです。いや、顔立ちとかは実は可愛いのかもしれないけれど、少なくともあまりオシャレではないし、そうしたことへの関心も相当に薄そうなので、少女漫画のヒロインとしてはかなり地味だといえるでしょう。

だから、イケメン志摩くんを少し意識し始めているみつみちゃんの様子に、若干 ハラハラしてしまうのですが、まあ、そのあたりはなるようにしかならないので、作者任せということで気にするのはやめておくべきですね。
ともかく、みつみちゃんには、幸せになってもらいたい、変な挫折とか味合わせることなく、そのまままっすぐ生きていってもらいたいと願わずにはいられなくなる、そんな漫画です。

もちろん、もし彼女がいつか大きな壁に直面して、乗り越えられないような挫折に出くわすかもしれないとしても、みつみちゃんならちゃんと立ち直って、みつみちゃんらしいやり方でまた前に進んでくれるとは思うのですが。

物語は基本的には、みつみちゃんの都会生活(東京の水に慣れていきながらも、それに染まるのではなく、自分のアイデンディティを失わずに、文字通り慣れていくみつみちゃんの、毎日)を淡々と描きながら、志摩くんや、みつみちゃんのクラスメイトたちの姿を描いており、あまり劇的でスリリングなことはなく、本当にほんわかと話が進んでいきます。極端に悪意を持った人は出てこないし(今後もそうあってほしい)、トラウマになりそうな事件も起きません。

だけど、それがいいのです。とってもとっても優しく穏やかな世界観の中で、みつみちゃんがみつみちゃんらしく、そのまんまで明るく楽しく生きていってほしい。そんなふうに願いながら読む、それが本作の正しい鑑賞方法だとトーマスは信じてやみません。

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