LA在住の映画ジャーナリストとして活躍中の筆者が、“SCREEN”のインタビューなどで毎月たくさんのスターに会っている時に、彼らの思わぬ素顔を垣間見ることがあります。誰もが知りたい人気者たちの意外な面を毎月一人ずつお教えする興味シンシンのコーナーです。今回は、“銀幕の美男子”ジュード・ロウに話を伺いました。

成田陽子
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて約40年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。本誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。

あのティモシー・シャラメも昔から憧れていたという“銀幕の美男子”

銀幕の美男子、という形容詞がこれほど当てはまる俳優もいないだろう。全く自分が美形だということを意識せずに成長した感があるが、それがまた、彼の美しさをレベルアップしている。計画的に汚れ役、悪役、精神異常者、などを散りばめて役を選んでいるのは彼の役者としての意識の高さだろう。

「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」でも一種の引き立て役に徹して、主役の新しい美形のティモシー・シャラメをしっかりと引き立てる影の努力にいそしむジュードに、『彼に昔から憧れていた!』と白状するティモシーはすっかり感激していたのである。

画像: 「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」(2019)

「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」(2019)

ジュードに初めて会ったのは「ガタカ」(1997)の時。のっけから男性も降参の特級美男子の彼が車椅子で登場すると同時に、一瞬にして観客の心を奪うという絶妙な配役だった。

もちろん『ヘイ、ジュード!』と呼びかけたら、その挨拶には慣れきっているはずだろうが、嬉しそうに笑顔で応えてくれた。

『JUDE THE OBSCURE』というトーマス・ハーディーの小説とビートルズの歌の両方から名付けられたそうだが、正統派美男がごまんといる英国映画界でもずば抜けての眉目秀麗故に早々とスターになり、ルックスに頼らない演技力も高く評価されている。

「リプリー」(1999)の時の会見では

『ウルトラ・リッチな男を演じるのもそれなりに難しくてね。なんたって僕のバックグラウンドは悲しいほどに平均的なのだから。

友人に金持ちのドラ息子が居て、手が届かないほど高価な時計やら、カフリンクスなどをそこらへんに気楽に置いて、全く意識していないという悠長さに僕は印象を深くして、そういうさらっとした金持ちの習性を動作に取り入れてみた。僕だったら、失くさないように、誰かに盗られないようにと気になってしまうだろうからね』

24歳の長男から0歳の末っ子まで家族全員で集まって楽しく食事をしたんだ

このコロナ期、「サード・デイ 祝祭の孤島」、「ザ・ニュー・ポープ」 THENEW POPE、「ザ・ネスト」THE NESTと、3本の映画&TVシリーズに主演。ロンドンの自宅からのジュード47歳のズーム・インタビューを紹介しよう。

『コロナ禍のために、つい最近生まれた赤ん坊を含めて6人の子供たちとの濃い時間が持てたし、家の中の整理をしたり、古いドアを直したり、かってない程の愛情を庭の手入れに注いでいる。藤棚をすっきり刈り込んだし、盆栽も生き返ったし。

この時期、僕はね、「ポーズ」のボタンを押して、人生を振り返って深呼吸をするという至極貴重な時間を過ごしている。

6人もの子供を持つなんて夢にも思ってなかったが実は僕の両親はふたりとも孤児で非常に寂しい思いをして育っているから、僕はその穴を埋めるためにもロウ一族の子孫繁盛に努力をしているというわけさ。

それに、小さい赤ん坊がそばにいると僕自身も若返るという恩恵もあるしね。昨夜ロンドンのレストランで両親も含めて24歳の長男から0歳の赤ん坊まで家族全員が集まって食事をして、大いに盛り上がった。またコロナ規制が再開するようだから、もうしばらくはこういう大勢の集まりは出来そうもないのは寂しいね。

役を選ぶ基準? 同じような役は繰り返さない、少しばかり恐くなるような、驚異を感じるような役を選ぶことにしている。

非合理で一笑に付してしまうような状況下で逃げ惑う人間てな役に魅力を感じるね。それからね、演技って、70パーセントは、相手の話を聴いている時に実力が判明するという事。自分で叫び狂っている時は演技というより、単なる反応だと思うんだ』

そしてまもなく、「ファンタスティック・ビースト」第3弾の撮影が始まると語っていた。

Photo by GettyImages

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