1907年からの歴史を誇る、最古のリアルロードレーシング・・・公道レースとして著名なマン島TTレース。2020年度はCOVID-19の世界的パンデミックにより中止を余儀なくされ、多くのTTファンを落胆させたことは記憶に新しいですが、なんと来年の2021年度のマン島TT中止が11月30日に公表されました・・・。

早期の判断こそ、多くの人のためになる・・・という至極正しい考え方

例年、マン島TTは5月下旬から6月上旬の期間に開催されています。2021年度のマン島TTは5月29日(土)〜6月11日(金)に予定されていましたが、早くも約半年前の中止を関係者たちは苦渋の決断ながら決定した、ということになります・・・。

来年のTTウィークの頃に、世界のCOVID-19パンデミックがどうなっているのか? は予測が難しいですが、ダラダラと判断を遅らせるという愚かなことをするよりも、いち早く決行か中止かを決めることが即ちTTに関わるすべての人のメリットになると、主催者たちは考えたわけです。

なおマン島は5段階のレベルで入島規制を行なっており、現在は非居住者が島に旅行することを許可していないレベル4の段階にあるそうです。 2021年にマン島TTレースを実施するには、最低でも軽いい規制区分であるレベル2に到達する必要がある・・・という判断で、現状ではイベントを確実に実施する計画を立てることは不可能でした。

ローレンス・スケリー (マン島企業庁大臣)

私たちは、この決定が多くの人々にもたらす失望を過小評価していません。ただ、レースファンやイベントに参加するすべての人に確実性と明確さを提供するために、早期かつ論理的な決定を下しています。 TTの運営は、さまざまな組織の何千人ものボランティアたちやオフィシャルスタッフたちに依存しています。世界的なワクチン(予防接種)プログラムの進展にもかかわらず、来年6月にマン島に何万人もの人々を迎えるという、その日までの運営に責任を持って取り組むことができませんでした。

もちろん、主催者たちは5月下旬から6月下旬という通常のカレンダーよりあと・・・年の後半へのTTレースの順延というオプションについても検討しました。しかし今後COVID-19パンデミックがどのようになるか予測が難しい今、不確定要素をあやふやに推察しての判断は更なるリスクと混乱を生む可能性が高いです。

画像: 2019年大会・・・ピーター・ヒックマン(BMW)のスタートシーン。彼はTT通算5勝の、伸び盛りのTTライダーのひとりです。この緊張の光景を見るのは、2022年度まで御預けになりました・・・。 www.iomttraces.com

2019年大会・・・ピーター・ヒックマン(BMW)のスタートシーン。彼はTT通算5勝の、伸び盛りのTTライダーのひとりです。この緊張の光景を見るのは、2022年度まで御預けになりました・・・。

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次のTTレースは、2022年5月28日(土)から6月11日(土)に開催されることに

なお、例年マン島TTレースのあと・・・8月に開催されるのが恒例のクラシックTTとマンクスグランプリは、今のところ中止という判断は下されていません。8月21日(土)〜9月3日(金)にこれらのイベントは開催される予定ですが、最終決定は2021年3月に下されるとのこと・・・。無事に開催されることを祈りたいですね。

マン島TTを楽しみにしている世界中のファンたちが、2年連続でマン島TTを見ることができないのは誠に残念なことですが、様々な記録の更新をかけて戦っているTTライダーやチームの人たちも、本当にお気の毒です。

2019年のマン島TT、ライトウェイトTTでキャリア19勝目となる勝利を記録したマイケル・ダンロップ(パトン)。

www.iomtt.com

現在、マン島TT最多勝記録は、偉大な故ジョイ・ダンロップの26勝ですが、ジョイ・ダンロップの甥であるマイケル・ダンロップは2019年TT終了時点で19勝を記録しており、歴代3位の位置につけています(歴代2位はジョン・マクギネスの23勝)。TTライダーとして円熟期に入ったマイケル・ダンロップですが、彼は2年間、COVID-19パンデミックによって勝利記録を更新する可能性を奪われてしまったわけです・・・。

再来年の話をしても、鬼も同情して笑わないと思いますが? 次のマン島TTレースのカレンダーどおり・・・2022年5月28日(土)から6月11日(土)にレースが行われる、平和な世の中になっていることを願いたいです!

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