2020年にマイナーチェンジされたレブル・シリーズ。レブル250はその完成度をより高めていたが、果たしてレブル500はどうか? 250との違いを中心に、長距離ツーリングでの楽しみ方を伊藤真一さんがレクチャーします!
語り:伊藤真一/まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川忍/モデル:大関さおり

ホンダ「レブル500」試乗インプレ(伊藤真一)

画像: Honda Rebel 500 総排気量:471cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ直列2気筒 シート高:690mm 車両重量:190kg メーカー希望小売価格:79万9700円(消費税10%込)

Honda Rebel 500
総排気量:471cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ直列2気筒
シート高:690mm
車両重量:190kg
メーカー希望小売価格:79万9700円(消費税10%込)

試乗当初は「レブル500の良さはどこだろう?」
2日目に、2気筒エンジンの良さを引き出す走りを発見!

クルーザーモデルであるレブル250と500はともに、最初期型に乗ったときから気に入っているモデルです。スポーツバイクのように気負う必要なく気軽に乗ることができて、走りが楽しいところがレブル・シリーズの良さですね。マイナーチェンジを受けたレブル250は以前に取り上げましたが、その出来が非常に良かったので今回の500の試乗もとても楽しみにしていました。

ただ、正直に言いますと、2日間での取材の初日を終えた段階では、「レブル500の良さって何だろう?」と考えあぐねてしまいました…。でも2日目の走り出し直後、「レブル500はこういう風に乗れば良いんだ!」ということに気付きました。それからはスッキリとレブル500の良さを理解することができましたね。

画像1: ホンダ「レブル500」試乗インプレ(伊藤真一)

取材初日終了後に考えあぐねたというのは、つまり新型レブル500はクルーザーというよりは、優等生バイク的なネイキッドのように感じてしまったことです。レブル500は、バイクとして非常に完成度が高いです。ギアの精度がとても高くて、まるでスーパースポーツに乗っているかと錯覚するくらいシフト操作の繋がりが良好です。

エンジンは輸出用のCBR500Rなどの2気筒がベースで、中低速域のパワーとトルクを増すセッティングが施されています。全回転域のどこかで、トルクの谷とか急激な盛り上がりなどもなく、パワーとトルクのカーブが非常にフラットで扱いやすい特性を持っています。

非常に出来の良いエンジンを載せた、レブル500の車体の多くの構成部品は250と共通化されていることもあり、取材初日に乗ったときは250と同じような乗り方で500を走らせていました。レブル250はギアのステップ比が揃っていて1~6速間が変に離れてなく、下から上まできれいに回る単気筒エンジンを全回転域で楽しめるバイクです。

画像2: ホンダ「レブル500」試乗インプレ(伊藤真一)

レブル250は走り出してすぐに上へ上へシフトアップして走る感じになるのですが、取材初日は同じようなシフト操作とスロットルワークでレブル500を走らせていました。そうするとレブル500はクルーザーというより、NC750系みたいなネイキッドに乗っているような感覚になるんです。

2気筒エンジンのパルス感もあまり感じられなくて、乗っているときの気持ちの高揚感にも欠ける…なんでこういう風にセッティングをまとめたのだろう? と疑問に感じたりもしました。

でも、2日目にレブル500と250のギアのステップ比の違いを意識して走ったら、断然レブル500の走りが楽しくなりました。250みたいに早め早めに忙しくシフトアップするのではなく、シフトアップしたらゆっくり目にスロットルを開けて走らせると、大型クルーザーみたいな低速のパルスを体感できます。

1速に入れて下の回転域のトルクを使って加速して、ゆっくり2速にシフトアップ。同様に加速して3速…という感じにレブル500を走らせると、この2気筒エンジンのフィーリングの良さを存分に味わえます。

画像: 「峠道を走ると、250と500では受ける印象がかなり違うのが興味深かったです。エンジンの違いからくるものなのでしょうね…」と、伊藤さんも感慨深くその差を考察していました。

「峠道を走ると、250と500では受ける印象がかなり違うのが興味深かったです。エンジンの違いからくるものなのでしょうね…」と、伊藤さんも感慨深くその差を考察していました。

このようにレブル500で低中速域のトルクを活かした走らせ方をすると、例えていうと四輪アメ車みたいに流して走らせたときの気持ちよさを感じることができるんです。取材の2日目にしてその良さに気付く…と言うよりは、レブル500は乗り方次第で随分と受ける印象が変わるバイクだな、と思いました。

取材初日の走らせ方では、「クルーザーのスタイルだけどネイキッド的な走りを狙ったのかな? なんでこのようなまとめ方をしたのだろう?」といろいろ悩んだのですが、2日目に覚えた乗り方をしていればレブル500の魅力をより引き出すことができるのを実感しました。

画像: 250と500、どっちが良い? …という質問に、大関さんは乗り味と「隙間なくエンジンが車体に詰まって載っている感」という見た目の印象から、レブル500を支持するそうです!

250と500、どっちが良い? …という質問に、大関さんは乗り味と「隙間なくエンジンが車体に詰まって載っている感」という見た目の印象から、レブル500を支持するそうです!

ビギナーからベテランまで楽しめる美点はそのままに、より排気量の差が、明確に走りの違いに現れている!

最初期型のレブル250と500をこの連載で乗り比べたときは、大排気量の余裕が欲しい人は500、車検不要で維持費が安く済むのが良いと言う人は250を選べば…という感じに、エンジンの違いによる両者の違いをそれほど大きくは感じませんでした。でもマイナーチェンジした250と500は、従来型よりもエンジンの差がバイク全体の印象に大きな違いをもたらしています。

新型レブル500は250同様サスペンションの改良を受けていますが、250に試乗したときは若干リア側から路面の突き上げを感じることがありました。しかし今回の500では、不思議とそういう突き上げを感じることはありませんでした。

ブレーキの効きについても、250のときは制動力がもうちょっと欲しいかなと感じましたが、500ではそれを感じる場面はありませんでした。エンジン重量の違いが車体に与える影響や、エンブレの効き方やギアの選び方の違いが、これらの印象の差に現れているのかもしれません。

画像: 今回の取材は2日間で、両日とも千葉県が舞台。同じようなロケーションを走っても、初日と2日目ではわかることが違うと、"ロングラン"の意義を再実感する取材になりました。

今回の取材は2日間で、両日とも千葉県が舞台。同じようなロケーションを走っても、初日と2日目ではわかることが違うと、"ロングラン"の意義を再実感する取材になりました。

ライディングポジションについては、250のときと同様にハンドルがもう少し体に近いほうが良いかな、と思いました。でも前側のブレーキラインやクラッチワイヤとか見ると余裕があり、ハンドルバーを交換してグリップ部を50㎜くらい手前にしたとしても、長さ的に対応できそうですね。これは親切設計かもしれません(笑)。

マイナーチェンジでいろいろ変わっても価格据え置きで、安価に設定されているのは有難いですね。ヒットした250に比べると、レブル500は街で目にすることが少ないですが、取り回しが軽くてビギナーからベテランまで楽しめる好ましい大型車だと思います。

また女性ライダーが初めての大型車として選ぶには、最適な1台ですね。そういう方がベテランと一緒にツーリングに行っても、足着きが良いのでUターン時について行こうとして焦って転倒! みたいなことはないでしょう。

ヘッドライトカウルなどを装備したSエディションは500には設定されていませんが、純正オプションで用意されているのでS仕様を作ることができます。自分で500を所有するとしたら、S仕様にして乗りたいですね。

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