東京モーターショー2019で公開された、トリシティ300が2020年9月30日に発売された。292㏄エンジンのゆとりあるパワーや、シリーズ初のスタンディングアシスト機構などを採用することで独創性に磨きをかけた、トリシティシリーズの新たな旗艦モデルだ。

ヤマハ「トリシティ300」試乗インプレ&解説(太田安治)

画像: YAMAHA TRICITY 300 総排気量:292cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 シート高:795mm 車両重量:237kg 発売日:2020年9月30日 メーカー希望小売価格:95万7000円(消費税10%込)

YAMAHA TRICITY 300

総排気量:292cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:795mm
車両重量:237kg
発売日:2020年9月30日
メーカー希望小売価格:95万7000円(消費税10%込)

安定感をさらに高めて、動力性能にもゆとりが生まれた

ヤマハのLMWは「転びにくい」特性で世界的に認知されているが、街乗りからツーリングまで、守備範囲の広いモデルとしてシリーズに加わったのがトリシティ300だ。

237kgという車重に加え、フロント上部にリンク機構があるので取り回しは重い。だが「スタンディングアシスト」を直立近辺でオンにすれば安定した状態で自立し、ハンドルをフルロックまで切って押し引きしても倒す心配がない。この機能はサイドスタンドでの駐車が難しい傾斜地でも役立つし、タンデムライダーの乗降時も安心だ。

停止直前でアシストを効かせ、スロットルオンで再発進すれば足を着かずに済むが、サスペンションを固定する構造ではないので、ストローク分だけ左右方向に傾く。少しでも傾いていると再発進時にグラッと来るから、あくまで停車補助機能と捉えた方がいい。

画像: 堂々たる体躯のスタイリングは押し出し感十分。フロント以降のボディ部分はXMAX300がベースで、テールカウルなどにその面影も見て取れる。ボディカラーはいずれもマットカラーで、明るめのグレー、ダークグレー、緑がかったグレーの3色をラインアップする。

堂々たる体躯のスタイリングは押し出し感十分。フロント以降のボディ部分はXMAX300がベースで、テールカウルなどにその面影も見て取れる。ボディカラーはいずれもマットカラーで、明るめのグレー、ダークグレー、緑がかったグレーの3色をラインアップする。

走行中の直進安定性は素晴らしいの一言。2本のフロントタイヤがしっかりと踏ん張り、路面のギャップや横風といった外乱にはめっぽう強い。ウエット路面や砂が浮いている部分でもフロントタイヤが急に内側に切れ込んで転ぶ怖さがなく、パニックブレーキでも3本のタイヤグリップと3輪独立ABSの威力で姿勢を乱さずにギュッ! と止まる。

トリシティ125/155は深いバンク角になるとフロントに突っ張り感が出て旋回性が僅かに低下する。普通に乗っていれば気付かないレベルだが、この300は峠道でのハンドリングにも拘り、素直な旋回を実現する「アッカーマンジオメトリー」をナイケンに続いて採用している。

画像: ヤマハ「トリシティ300」試乗インプレ&解説(太田安治)

とはいえ、前2輪+フロント荷重の多さで、ヒラヒラというよりしっとりと向きを変える感覚。コーナーが連続する区間では車体に身を預けて曲がるのではなく、イン側のハンドルを押す逆操舵できっかけを作ると素早く向きを変えられる。

292㏄エンジンは29馬力。約2500回転でクラッチが繋がり、発進加速は穏やか。フル加速時は6500回転を保つが、振動が少なく、せわしなさはない。100㎞/hは約500回転で、車体の安定性、防風性の高さのおかげで快適に走り続けられた。

日本国内では車検がない250㏄のほうが売りやすいはずだが、250㏄だと発進加速や登坂時に非力感が出るだろうから、300としたことは納得できるし、二輪に不慣れなユーザー層が乗ることを考えると、むしろ車検ありの方が安心だと思う。

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