今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ヒュンダイ クーペ」だ。

ヒュンダイ クーペ(2002年)

画像: ウエッジを効かせたシルエットやサイドのキャラクターラインなど、デザインはピニンファリーナではないかと噂された。

ウエッジを効かせたシルエットやサイドのキャラクターラインなど、デザインはピニンファリーナではないかと噂された。

昨年(編集部註:2001年)のフランクフルト モーターショーでワールドプレミア(世界初公開)され、同年の東京モーターショーで日本にもお披露目されたヒュンダイ クーペ。本国では「トスカーニ」という車名だが、日本ではシンプルに「ヒュンダイ クーペ」となる。ヨーロッパやアメリカでも、同様にクーペの車名で間もなく販売が開始される。日本でも4月に発表以来200台以上が販売され、すでに600台以上の受注があるコンパクトカーのTBほどではないが、人気薄のスペシャリティカー市場で健闘している。

全長は4.4mを切る比較的コンパクトなサイズながら、全幅が1.76mとワイドめなのは、ヨーロピアンサイズといえよう。アメリカでも、一時期ブームとなった「セクレタリーカー」として適当なサイズだろう。Cd値は0.342と、このクラスのクーペとしては最小レベルとしている。

そのスタイルは独特だ。アメリカやヨーロッパ、そして日本のさまざまなスペシャリティクーペのモチーフを、うまく取り込んでまとめている。ウエッジを効かせたシルエットやサイドのキャラクターラインなど、ヒュンダイと関係の深いピニンファリーナがデザインに関与しているのでは?と噂されたが、公式なコメントはない。

画像: スポーツカーライクなインテリア。ペダル類にもメタル素材を採用。ウインカーレバーが右側に変更されているのは親切な配慮だ。

スポーツカーライクなインテリア。ペダル類にもメタル素材を採用。ウインカーレバーが右側に変更されているのは親切な配慮だ。

やや大きめのドアを開けて乗り込むと、コクピットは少しタイトでスポーツカーライクな雰囲気だ。ブラック基調のインテリアだが、センターダッシュやドアのスイッチ部にはメタル調パネルがアクセントに使われている。そのセンターダッシュにはトルク/瞬間燃費/電圧の3連サブメーターも備わる。インテリアのクオリティは高く、日本車と比べても遜色はない。ステアリングとシフトノブは本革巻きで、オーディオレスだがスピーカーは標準装備。リアシートはプラス2の広さだが、カーゴスペースは広い。

日本仕様は6速MTとマニュアルモード付き4速ATが設定され、車両価格はどちらも199万円とお買い得な設定だ。今回はAT仕様で高速道路と市街地を中心に試乗した。175ps/25kgmというスペック的には日本車などより劣る2.7LのV6 DOHCだが、低速域からトルクもあってけっこう速い。学習機能も備わるマニュアルモード付き4速ATとの相性もいい。

だが、45偏平の17インチというワイドタイヤを履き、V6搭載でノーズヘビーなため、タイトなコーナリングは少々苦手だ。タイヤのグリップレベルが高い分、どうしてもアンダーステアが強くなってしまう。もっとも、このクルマはスポーツカーではない。メーカー自らも「GTクーペ」と謳っているように、2人で小旅行の荷物を積んでハイウエイクルーズを楽しむためのクルマだ。

シルビアやプレリュードなど国産スペシャリティカーはいつの間にか生産中止され、今やセリカくらいしか残っていない。走り指向でもファミリー指向でもない、いわゆる「スペシャリティカー」は受難の時代だが、ニッチなマーケットに向けてもラインアップするヒュンダイの姿勢は評価したい。この手のクルマが欲しい人には、お買い得なモデルなのだから。(編集部註・ヒュンダイは2009年に日本市場での乗用車販売から撤退しています)

画像: ハイマウントストップランプ付きリアスポイラー、電動ガラスサンルーフ、アルミホイールも標準装備でこの価格はお買い得といえよう。

ハイマウントストップランプ付きリアスポイラー、電動ガラスサンルーフ、アルミホイールも標準装備でこの価格はお買い得といえよう。

■ヒュンダイ クーペ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4395×1760×1330mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1380kg
●エンジン形式:V6・DOHC・横置きFF
●排気量:2656cc
●最高出力:129kW(175ps)/6000rpm
●最大トルク:245Nm(25.0kgm)/4000rpm
●トランスミッション:電子制御4速AT(マニュアルモード付き)
●タイヤ:215/45R17
●車両価格(当時):199万円

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