LA在住の映画ジャーナリストとして活躍中の筆者が、“SCREEN”のインタビューなどで毎月たくさんのスターに会っている時に、彼らの思わぬ素顔を垣間見ることがあります。誰もが知りたい人気者たちの意外な面を毎月一人ずつお教えする興味シンシンのコーナーです。今回は、新作「ブラック アンド ブルー」で新米婦警を熱演中のナオミ・ハリスに話を伺いました。

アクションが実は苦手なのに初めての主演作でしごかれて逆に達成感を得たわ!

新作「ブラック アンド ブルー」で新米婦警を熱演中のナオミ・ハリスのファーストネームは NAOMIE (ナオミー)と綴る。ナオミ・ワッツや、ナオミ・オーサカ(大坂なおみ)と、少々異なるのである。

『初めての主役だから、わー、責任が重そう!って物凄く不安だったのだけれど、いざ、現場でスタートしたら、役をずーっと演じっぱなしで、これが楽チンで、モメンタムに乗りっぱなしで楽しいったらなかったのよ。

今までは脇役ばかりで主役の出番に合わせて待ち時間は長いし、主役の気分に順応しなくてはならないしで、それだけ苦労やストレスが多い事を発見したわけ。それから、実はアクションが苦手で、契約の時、走ったりする場面を極力少なくして欲しいという条件を入れたのだけれど初日から監督にここからあそこまで全力疾走して!なんて命令されて、翌日からはもっと過酷なアクションが加えられて、もう汗だく、こんな筈じゃなかったのに、という気分を抑えて懸命にこなして、それはそれで達成感を味わえたのよ』

画像: 「ブラック アンド ブルー」

「ブラック アンド ブルー」

『今、アメリカでは「ブラック・ライヴズ・マター」の運動が燃え上がっているけれど英国も同様で黒人と警察の対立が激しくなっている。「ブラック アンド ブルー」で共演のタイリース(ギブソン)はロスの黒人居住区出身で、例えば事故があって警察を呼んだら何も言わずに、まず彼が手錠をかけられてしまった、っていうような、勝手に黒人イコール容疑者っていう観念はずーっと変わらないと話していた。悪い警官ばかりではないでしょうけれど、状況は酷いものだった。人々の無関心も手伝っていたけれど、これからは少しずつ良くなっていくと信じたい』

私の演じる役を見てマイノリティーの人たちが勇気をもってくれたら最高にうれしい

『「ムーンライト」でオスカー助演賞の候補になってから続々と出演のオファーが入ってくるのだけれどどれも、同じような役ばかり。私は役にバラエテイーを持たせて、常にチャレンジして行きたいから、片っ端から断っているの。

私の役から若い女性、特に黒人の女性たちがインスパイアされて殻を脱出したりする勇気を持ってくれたら最高。今でも脚本家の殆どが男性、セットに行けば80%が男性の映画産業だから、まず女性とマイノリティーに機会を与えるつながりの一部になりたいと思っている』

『両親は私が小さい時に別れてしまったから母がシングルマザーとして私を育ててくれた。ジャマイカ人の母は18歳で私を生んだからまるで姉妹みたいで、おまけには母はライターだから、二人でイマジネーションを展開して、不思議なおとぎの世界に入って行ったり、とっても居心地の良い家庭だったのよ。

一度も勉強しなさいとか強制されたことがなくて、だからこそかえって私は自分で机に向かって良い成績を上げてたわ。私は9歳で演技を始め、13歳で小説を書いて母が出版社に送ってくれたりと想像力もぐんぐんと成長したの。

大学時代はジェーン・オースティンに凝っていつか私のダーシー(「高慢と偏見」のリッチでハンサムな男性)が出現すると期待していたのだから』

彼女はロンドンに生まれ、名門ケンブリッジ大に入学、2017年には英国女王からOBEと言う勲位を授かっている。

『23作目の007映画「スカイフォール」のマネーペニー役ははじめて黒人女性がレギュラーになった歴史的快挙だったから、とっても名誉だった。やっぱりダニエル・クレイグにずっとボンド役を続けてほしいわ。

思えば「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでのダルマ役が最初のブレイクだったわね。ビル・ナイのタコの足の顔と並ぶ、真っ黒な歯の不気味な占い師ダルマはファンに大きなインパクトを与えたし、今でもハロウィンの人気者なのよ』

インドに行ってから一日2回の瞑想の時間と早朝の水泳を心身のバランスのためにと続けている、ポジティブで健康美に溢れているナオミ(ー)なのである。

Photo by GettyImages

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