今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ルノー セニック RX4」だ。

ルノー セニック RX4(2002年)

画像: 車高はノーマルのセニックより120mm高められ、最低地上高も185mmある。ボディ下部は樹脂パネルで覆われ、バンパーにはフォグランプも内蔵。

車高はノーマルのセニックより120mm高められ、最低地上高も185mmある。ボディ下部は樹脂パネルで覆われ、バンパーにはフォグランプも内蔵。

ヨーロッパではミニバンのことをモノスペースと呼ぶと、以前にも紹介したことがあったが、ここで紹介するセニック RX4は、ルノーのコンパクト モノスペースをベースにSUV風に仕立てたユニークなクルマだ。

セニックはモノスペースといっても、シートは2列の5人乗りだ。登場時は「メガーヌ セニック」と呼ばれ、ルノーの中核コンパクトカーであるメガーヌのバリエーションのひとつだった。だが1999年にマイナーチェンジされたときにメガーヌの名が外れ、今回試乗したRX4が追加された。日本市場ではフランスモーターズ(編集部註・当時のインポーター)から日産へ輸入権が移行したタイムラグなどもあり、昨年(編集部註・2001年)から導入されている。

セニックのエクステリアは比較的スッキリしたイメージだったが、マイナーチェンジでヘッドランプが大きくなり、少々いかつい顔つきになった。RX4ではさらに、前後バンパー/前後フェンダー下部/ドア下部が樹脂パネル製となり、車高は120mm高められ、リアにはハードカバーに収まったスペアタイヤまで背負っている。

今風に言えば、SUVとミニバンのクロスオーバーカーということになるだろう。RX4は駆動方式にフルタイム4WDを採用しており、このシステムはシュタイア・プフ社との共同開発によるもので、電子制御のフロント トラクションコントロールとビスカスカップリングのセンターデフを組み合わせている。ラテンの国にはSUVのニーズがないわけではないだろうが、イタリアやフランス製のSUVは皆無に近い。そうした意味では、このセニックRX4は貴重な存在だ。

画像: ホワイトメーターを採用したインパネまわりはノーマルのセニックとほとんど変わらない。日本仕様は右ハンドルだが、4WDは本国でも5速MTのみ。

ホワイトメーターを採用したインパネまわりはノーマルのセニックとほとんど変わらない。日本仕様は右ハンドルだが、4WDは本国でも5速MTのみ。

乗り込んでみると、高められた車高によりドライビングポジションはけっこう高く、小型トラックや1ボックスの商用車と併走するとアイポイントはほとんど変わらないくらいだ。ステアリングも寝かせ気味で、ドライビングポジションは少しトラック的だ。日本仕様のハンドル位置は右だが、トランスミッションは残念ながら5速MTしか設定されていない。

今回はラフロードでは試乗していないので悪路走破性に関しては何も言えないが、オンロードでの乗り心地は意外と悪くない。2LのDOHCは低速域では少々ラフでノイジーだがトルクはあり、クラッチは重くないので市街地走行でもさほど苦にはならないだろう。

ヘッドスペースは十分にあり、前後席とも居住空間は広い。取り外し可能な独立式リアシートや豊富な小物入れなど、モノスペースとしての使い勝手の良さはノーマルのセニックと変わらない。だが、車高が高いぶん荷物の積みおろしは少々やりにくくなる。

価格も手ごろだし、ウインタースポーツとフランス車が好きで、人と違ったクルマに乗りたいなら、セニックRX4はオススメだ。だが日本で拡販を望むなら、やはりATの設定を望みたいところだ。なお、ルノーは今後、ヴェルサティスやアヴァンタイムといったユニークなモデルも次々と日本に導入してくる予定だという。これからのルノーに期待したいところだ。

画像: ハードカバー付きのスペアタイヤのおかげで、リアはヘビーデューティな雰囲気。ゲートは上半分がハッチ式に開き、下半分は左ヒンジで開く。

ハードカバー付きのスペアタイヤのおかげで、リアはヘビーデューティな雰囲気。ゲートは上半分がハッチ式に開き、下半分は左ヒンジで開く。

■ルノー セニック RX4 主要諸元

●全長×全幅×全高:4444×1785×1740mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量:1470kg
●エンジン形式:直4・DOHC・横置4WD
●排気量:1998cc
●最高出力:101kW(138ps)/5500rpm
●最大トルク:188Nm(19.2kgm)/3750rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤ:215/65R16
●車両価格(当時):269万円

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