スーパーバイクや鈴鹿8耐など、数々のレースに参戦して来た「ヨシムラ」と「モリワキ」の歴代のレーシングマシンやヒストリーを一冊に集結した、日本のバイク遺産シリーズMOOK「ヨシムラとモリワキ」が絶賛発売中!今回は究極のスーパースポーツを具現化した“トルネード”ヨシムラ「TORNADO S-1」-2001年-【後編】を紹介する。

Photos : Teruyuki Hirano Powered By Bikers Station

公道走行ができるコンプリートマシン「TORNADO S-1」

トルネードS‐1は即レース参戦可能な能力さえ持つ、ヨシムラが考えるスーパースポーツのひとつの理想形である。

画像1: 公道走行ができるコンプリートマシン「TORNADO S-1」

撮影車はプロトタイプで、細部の仕様などに未確定な部分はあっても、全体像や主要な諸元はこの車両に準ずるという。本来ならカウルをすべて撤去したいところだったが、ヘッドライトの装着方法が量産モデルとは大きく異なるためこの状態での撮影となった。

画像2: 公道走行ができるコンプリートマシン「TORNADO S-1」

メインフレームは完全スタンダードのハヤブサでも、前後足まわりは後述するように大きく改造されており、実測での軸距はスタンダードの142㎝より0.5㎝長い142.5㎝、キャスターは0.5度寝かされた24.5度だった。

画像3: 公道走行ができるコンプリートマシン「TORNADO S-1」

なお、ガソリンなしでの191.0㎏はスタンダードより0.5㎏軽量だが、燃料タンクが6ℓ増の24ℓ容量であるため、満タンでは1.5㎏重い207㎏となった。

画像: 現状ではヘッドライトはカウルに装着されるが、アルミステーを製作して整備性を高めるとのことだ。12300rpmからがレッドゾーンの回転計と液晶ディスプレイの速度計によるメーターは純正品で、その右上にデジタルテンプメーターを装着。ハンドルやスイッチはSTDを流用、右スイッチの脇にあるのがEMSの3ウェイスイッチだ。

現状ではヘッドライトはカウルに装着されるが、アルミステーを製作して整備性を高めるとのことだ。12300rpmからがレッドゾーンの回転計と液晶ディスプレイの速度計によるメーターは純正品で、その右上にデジタルテンプメーターを装着。ハンドルやスイッチはSTDを流用、右スイッチの脇にあるのがEMSの3ウェイスイッチだ。

画像: ヘッドライトは大と小を2個ずつ組み合わせた4灯式で、手前にある2個にHIDを採用してロービームに、奥の2個をプロジェクターないし一般的なハロゲンとしてハイビームに使うなどのアイディアもあるが、撮影当時は前述以外を含めて使う装置や点灯させる方法を検討中ということだった。ウィンカーは、カーボン製ボディのバックミラー前面に埋め込まれる。

ヘッドライトは大と小を2個ずつ組み合わせた4灯式で、手前にある2個にHIDを採用してロービームに、奥の2個をプロジェクターないし一般的なハロゲンとしてハイビームに使うなどのアイディアもあるが、撮影当時は前述以外を含めて使う装置や点灯させる方法を検討中ということだった。ウィンカーは、カーボン製ボディのバックミラー前面に埋め込まれる。

画像: ステアリングステムAssyはオリジナルに換装。試乗車にはカラーを差し替えることでオフセットが変化(数値は未公表)する機構が盛り込まれていたが、量産型でもこの仕様となるかはこの時点では未定だった。

ステアリングステムAssyはオリジナルに換装。試乗車にはカラーを差し替えることでオフセットが変化(数値は未公表)する機構が盛り込まれていたが、量産型でもこの仕様となるかはこの時点では未定だった。

画像: フロントブレーキのマスターシリンダーは、ニッシンのラジアルポンプに換装される。

フロントブレーキのマスターシリンダーは、ニッシンのラジアルポンプに換装される。

画像: ワイア作動のクラッチ側はSTDをそのまま使用する。

ワイア作動のクラッチ側はSTDをそのまま使用する。

画像: シートレールは、ハヤブサのスタンダードのものを基として、荷かけフックなどを切断したうえ、シートカウルを受けるためのアルミプレートを前側に新設している。

シートレールは、ハヤブサのスタンダードのものを基として、荷かけフックなどを切断したうえ、シートカウルを受けるためのアルミプレートを前側に新設している。

画像: 後端の小物入れには燃料噴射のセッティングを変更するためのサブコンピュータ、EMSが装着され、さらに、スイッチの操作でセッティングを瞬時に切り換えられる3ウェイスイッチや、これをEMSに接続する際に必要なアクセサリーハブなど、本来は別売りとなっている部品も標準装備される。

後端の小物入れには燃料噴射のセッティングを変更するためのサブコンピュータ、EMSが装着され、さらに、スイッチの操作でセッティングを瞬時に切り換えられる3ウェイスイッチや、これをEMSに接続する際に必要なアクセサリーハブなど、本来は別売りとなっている部品も標準装備される。

画像: 18→24ℓへと6ℓ容量を拡大したアルミタンクは、クイックチャージャーに対応するレース用フィラーキャップを装着することもできる。

18→24ℓへと6ℓ容量を拡大したアルミタンクは、クイックチャージャーに対応するレース用フィラーキャップを装着することもできる。

画像: シングルシートは、スポンジのみではなく緩衝材+表皮の構成だ。

シングルシートは、スポンジのみではなく緩衝材+表皮の構成だ。

画像: チタンのエキパイはS-1専用に製作されたもので、STDが4-2-1なのに対し4into1とされる。また、最低地上高を減ずることなくエキパイを取り回すとともに、オイル容量の増大を狙って、エキパイが通過する直上をフラットとしたうえで左脇の部分を下方に伸ばしたオイルパンを装着する。

チタンのエキパイはS-1専用に製作されたもので、STDが4-2-1なのに対し4into1とされる。また、最低地上高を減ずることなくエキパイを取り回すとともに、オイル容量の増大を狙って、エキパイが通過する直上をフラットとしたうえで左脇の部分を下方に伸ばしたオイルパンを装着する。

画像: 純正のオイルパンは、左右にある集合部を避けながら中央に向かって伸びる逆ピラミッド型で、これに4-1構造のエキパイを組み合わせるには、集合部を脇か下方にずらす必要がある。

純正のオイルパンは、左右にある集合部を避けながら中央に向かって伸びる逆ピラミッド型で、これに4-1構造のエキパイを組み合わせるには、集合部を脇か下方にずらす必要がある。

画像: サイレンサーは、当時のヨシムラの代名詞ともいえたトライオーバル。排気系の変更により987.8㏄(73╳59㎜)DOHC4バルブ4気筒は、クランクで160㎰/10800rpm、11.2㎏-m/8500rpmを公称するSTDに対し、12000rpmで170㎰を突破する最高出力と、10000rpmにて11㎏-mを超える最大トルクをエンジンダイナモで記録とヨシムラは発表。

サイレンサーは、当時のヨシムラの代名詞ともいえたトライオーバル。排気系の変更により987.8㏄(73╳59㎜)DOHC4バルブ4気筒は、クランクで160㎰/10800rpm、11.2㎏-m/8500rpmを公称するSTDに対し、12000rpmで170㎰を突破する最高出力と、10000rpmにて11㎏-mを超える最大トルクをエンジンダイナモで記録とヨシムラは発表。

画像: 吸気系は純正のままとされるが、その下のシリンダーヘッドには、面研を施すとともに専用ガスケットを装着して圧縮比を12.0→13.2:1に高める、カムをST-1に換装、バルブコッターをステンレス削り出しとして、強化バルブスプリングを組み込むなどの改造が施される。

吸気系は純正のままとされるが、その下のシリンダーヘッドには、面研を施すとともに専用ガスケットを装着して圧縮比を12.0→13.2:1に高める、カムをST-1に換装、バルブコッターをステンレス削り出しとして、強化バルブスプリングを組み込むなどの改造が施される。

画像: フロントフォークはオーリンズのφ43㎜倒立式で、ストリート用として29万8000円で販売される製品のようにみえても、内部パーツやスプリングなどの仕様をオーリンズと検討した専用品だ。ブレーキディスクはオリジナルのアルミ削り出しディスクハブ+純正ディスク、キャリパーは表面を切削して『YOSHIMURA』のロゴを入れるとともに、パッドを専用品に変更、ブレーキホースはスピードフローだ。アルミ鍛造ホイールもBBSとの協力の下に生まれたもので、サイズはSTDと同寸の3.50╳17。これにダンロップD208の120/70ZR17を装着する。

フロントフォークはオーリンズのφ43㎜倒立式で、ストリート用として29万8000円で販売される製品のようにみえても、内部パーツやスプリングなどの仕様をオーリンズと検討した専用品だ。ブレーキディスクはオリジナルのアルミ削り出しディスクハブ+純正ディスク、キャリパーは表面を切削して『YOSHIMURA』のロゴを入れるとともに、パッドを専用品に変更、ブレーキホースはスピードフローだ。アルミ鍛造ホイールもBBSとの協力の下に生まれたもので、サイズはSTDと同寸の3.50╳17。これにダンロップD208の120/70ZR17を装着する。

画像: リアブレーキは、キャリパーとディスク、パッドともSTDをそのまま流用するが、ホースはフロント同様スピードフローに換装される。

リアブレーキは、キャリパーとディスク、パッドともSTDをそのまま流用するが、ホースはフロント同様スピードフローに換装される。

画像: 撮影車が当時装着するアルミスイングアームはGSX-R750のレースキットパーツだが、この外観を踏襲するものを自社で製作する予定とのことだった。フロントと同製法/銘柄のホイールは、STDに準じて6.00╳17とされる。装着タイヤはD208の190/50ZR17。アファムのリアスプロケットは純正と同じ42Tとされ、2.471(17/42)の2次減速比に変更はない。

撮影車が当時装着するアルミスイングアームはGSX-R750のレースキットパーツだが、この外観を踏襲するものを自社で製作する予定とのことだった。フロントと同製法/銘柄のホイールは、STDに準じて6.00╳17とされる。装着タイヤはD208の190/50ZR17。アファムのリアスプロケットは純正と同じ42Tとされ、2.471(17/42)の2次減速比に変更はない。

画像: ピギーバック式リアショックもオーリンズと共同開発の専用設計で、無論フルアジャスタブル。

ピギーバック式リアショックもオーリンズと共同開発の専用設計で、無論フルアジャスタブル。

画像: アルミ削り出しで製作したリンクとショックの自由長の延長により、テールをわずかに上げているという。

アルミ削り出しで製作したリンクとショックの自由長の延長により、テールをわずかに上げているという。

画像4: 公道走行ができるコンプリートマシン「TORNADO S-1」
画像: アルミ削り出しの左右ステップも試作品で、ペダルと同軸のステップバーを受ける部分をフレームにボルト留めされる部分から分離、この時点で踏部の軸間距離を変えずに位置を可変させる機構が予定されていた。

アルミ削り出しの左右ステップも試作品で、ペダルと同軸のステップバーを受ける部分をフレームにボルト留めされる部分から分離、この時点で踏部の軸間距離を変えずに位置を可変させる機構が予定されていた。

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