今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「シトロエン C5」だ。

シトロエン C5(2001年)

画像: タイヤ&ホイール以外、3Lとは外観はほとんど変わらない2Lの「2.0」。価格は316万円と、このクラスとしてはかなりお買い得。

タイヤ&ホイール以外、3Lとは外観はほとんど変わらない2Lの「2.0」。価格は316万円と、このクラスとしてはかなりお買い得。

アルファベットの組み合わせから普通の車名に切り替えたシトロエンは、この「C5」から、また方針を転換。9月(編集部註・2001年)のフランクフルト モーターショーで発表されるサクソの後継車は「C3」となる。近い将来、クサラの後継車はC4、そしてフラッグシップはC6となるのだろう。

さて、エグザンティアの後継車として昨年(編集部註・2000年)のパリ モーターショーで登場したC5は、シトロエンとしては珍しいノッチバック セダンのスタイルをしている(先代のエグザンティアもノッチが少しはあったがセダンとは言い難い)。だが、シトロエンが普通のセダンなど出すわけがない。リアウインドーとトランクリッドは一体で開く5ドア ハッチバックを採用している。

マイナーチェンジしたクサラやサクソ同様、大きめのヘッドランプとダブルシェブロンからなるフロントマスクは、新しいシトロエンのアイデンティティとなりつつあるようだが、残念ながらリアビューは少し没個性的だ。それでも曲面を多用したフォルムや6ライトのビッグキャビンは、なかなか悪くない。今までのシトロエン同様、長く付き合っていくとより味わい深くなりそうだ。

インテリアはフランス車らしい、必要以上に華美でない雰囲気が良い。それでも上級グレードとなる3Lではウッド調パネルや本革巻きステアリングも装備している。ビッグキャビンのおかげで室内は前後とも広い。特にリアはフラットなフロアのため足もとに十分余裕がある。XMがフェードアウトした今、フラッグシップの役割も担うC5としては、この広さは重要だ。ラゲッジスペースも、456Lという数値よりはるかに広大に感じられる。しかもスクエアで使いやすく、後発のワゴンでなくても普通に使うなら十分な容量を誇っている。

画像: 3Lはウッド調パネルや革巻きステアリングを採用。インパネ上部のディスプレイは、車高の状態やさまざまな情報を表示する。

3Lはウッド調パネルや革巻きステアリングを採用。インパネ上部のディスプレイは、車高の状態やさまざまな情報を表示する。

日本仕様の搭載エンジンはプジョー406と共通で、2L 直4と3L V6のDOHC2種。ただしミッションはプジョーにはないシーケンシャルモード付きの4速ATだ。3Lは、さすがに余裕のハイウエイクルーズをこなしてくれる。ハイドラクティブIIIに進化した足は実に乗り心地が良く、路面の繋ぎ目などのいなし方もうまい。コーナリング時のロールも小さくはないが安定している。ATはマニュアルモード時でも6500rpmで自動的にシフトアップし、また停止時には1速までダウンする。

2Lは3Lより少々ノイジーだが、日常的な使用には必要十分なパワーといえるだろう。ただし、プジョー406と同様にATのセッティングが今ひとつで、低中速でどうもギクシャクする。ただしタイヤのプロファイル(195/65R15)の差か、2Lの方が乗り心地はいい。

タイヤサイズ以外は外観上の違いはほとんどなく、快適装備とエンジンの違いで100万円以上も安いのだから、オススメはやはり2Lとなるだろう。さらに使い勝手を求めるというなら、あと15万円プラスして、もうすぐ発売されるワゴンのブレークを選ぶのも悪くない。

画像: フロントまわりに比べると、リアは少し没個性か。最近のクルマとしては、リアコンビランプは小さめ。リアワイパーは標準装備だ。

フロントまわりに比べると、リアは少し没個性か。最近のクルマとしては、リアコンビランプは小さめ。リアワイパーは標準装備だ。

■シトロエン C5 V6エクスクルーシブ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4620×1770×1480mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1540kg
●エンジン形式:V6・DOHC・横置きFF
●排気量:2946cc
●最高出力:152kW(210ps)/6000rpm
●最大トルク:285Nm(30.0kgm)/3750rpm
●トランスミッション:電子制御4速AT(シーケンシャルモード付き)
●タイヤ:215/55R16
●車両価格(当時):422万円

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