『インデペンデンス・デイ』や『GODZILLA』、『パトリオット』などを手掛けた巨匠ローランド・エメリッヒ監督が、真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までを史実に基づいて製作した大作映画『ミッドウェイ』。
本作で山本五十六を演じた豊川悦司のインタビューをお届けする。
画像: ローランド・エメリッヒ監督の新作
映画『ミッドウェイ』豊川悦司インタビュー

未曾有の戦いとなった第二次世界大戦の中でも、歴史を左右するターニングポイントとなった激戦として知られるミッドウェイ海戦。
『インデペンデンス・デイ』シリーズ(96・16)のローランド・エメリッヒ監督が、20年に及ぶリサーチと新たに発見された日本軍側の貴重な資料をもとに、両軍に敬意を捧げて史実を再現。さらに、アメリカ国防総省の全面的な協力を得て、アメリカ海軍の潜水艦ボーフィンの内部、フォード島やパールハーバーの施設、ハワイのヒッカム空軍基地などの撮影が特別に許可された本作。
山本五十六やチェスター・ニミッツをはじめとした実在の人物を演じるために、ウディ・ハレルソン、パトリック・ウィルソン、デニス・クエイド、アーロン・エッカート、豊川悦司、浅野忠信、國村隼など日米の実力派俳優が集結。
山本五十六を演じた豊川悦司が、ローランド・エメリッヒ監督の現場を通して感じたことや役について、更にハリウッド俳優とのエピソードなどたっぷりと語ってくれた。

ハリウッドのクルーの方々がいかに全員に対してフラットに、
公平に対応しているのかということがよくわかった現場でした。

ーー20年ものあいだミッドウェイ海戦を映画化したいと願い続けてきたローランド・エメリッヒ監督から、本作のオファーを頂いた時はどのような心境でしたか?

「ローランド・エメリッヒ監督はハリウッドの映画監督の中でも数々のヒット作を手掛けてこられていて、もちろん僕も『インデペンデンス・デイ』や『GODZILLA』といった代表作は観ていました。でも、まさかお仕事でご一緒するなんて全く思ってなかったんです(笑)。
今回、監督から“これまで様々な作品でステレオタイプ的に描かれてきた山本五十六ではなく、インテリジェンス溢れる軍人として描いてみたい。是非一緒にやってくれないか”と書かれたお手紙を頂いて。僕のどの出演作を監督がご覧になったのかは不明ですが、そういうイメージでオファーしてくださったと知ってとても嬉しかったです。三船敏郎さんや山村聡さん、役所広司さんなど凄い方々が演じてこられた役なので、そこに加えて頂けるというのはプレッシャーでもあり、大変光栄なことだなと思いました」

ーー現場ではエメリッヒ監督とどのようなお話をされましたか?

「監督は基本的にモニター前にいてそこから指示を出されるので、現場で直接監督とお話するという機会はあまりなかったです。ただ、クランクイン前に行われたミーティングや撮影期間中に監督から誘って頂いた食事の席で、この企画を実現しようと思った理由を丁寧に伝えてくださいました。
脚本を読んだ時に、日本側のパートにもしっかりと時間を割いて日米をフェアに描いている印象を受けたので、そういった話もしましたね。それから、ドイツ人である監督はある種の責任を感じていて、二度と起きてはならない戦争を若い頃からいつか描きたかったといったこともおっしゃっていました」

画像1: Photo by Tsukasa Kubota

Photo by Tsukasa Kubota

ーー山本五十六を演じるにあたり数々の資料を読んだり映像をご覧になってリサーチされたそうですが、人としての魅力をどんなところに感じましたか?

「山本五十六が持つエネルギーやパワーが凄いからこそ、大先輩の俳優方が演じたどの山本五十六にも説得力があるというか。とても不思議な人物ですよね。リサーチしていく中で、聖人君子のような面もあるのに愛人がいたりと、良い意味で非常に人間的魅力に溢れた人だったのではないかと想像しました。日本人がエネルギーに満ち溢れた時代に生きた豪傑な人というイメージもあるので、生まれた時代が違えば戦国大名の一人になっていたのではないかなと、そんなことを思ったりしました」

ーー本作の現場に関して「日本の芸術と文化をよくリサーチしていることがわかった」とコメントされていましたが、それはセットや美術などからもそう感じ取ることができたからでしょうか?

「そうですね。美術やセット、小物ひとつとってもしっかりと予算をかけて作られているなと、実際に現場に行ってみて感じました。セットの中に高級そうな木材を使った家具やバーカウンターが置かれていて、ふと背面を見た時に“発砲スチロールじゃないんだ”と嬉しくなったり(笑)。
そういう見えないところまでしっかりとこだわっていましたし、冒頭のパトリック・ウィルソンさん演じるエドウィン・レイトン少佐と山本五十六が話しているシーンのセットは感動するぐらい凄く良くできていました」

Photo by Tsukasa Kubota

ーーパトリック・ウィルソンさんとの撮影で印象に残ったことがあれば教えて頂けますか。

「冒頭のシーンは彼が撮影最終日で、僕が撮影初日だったんですけど、お互いに“会えて良かったね”と共演シーンがあることに感謝しました。パトリックさんは日本語の台詞をもの凄く勉強されていて、現場では僕にも日本語について聞いてきたり、逆に僕が英語について色々と聞いたりといったやり取りがありました。他にも色々とお話する中で、“シリアスな題材だからこそ心してかからないといけないよね”といった共通意識をお互いに持てたように思います。僕らは初対面でしたけど、まるでレイトンと山本のような緊張感を持って接していたのを覚えています。あと、ローランド監督は何テイクもアングルを変えて撮る方だったので、僕もパトリックさんも最後のほうはクタクタになっていたのも良い思い出です(笑)」

画像: ハリウッドのクルーの方々がいかに全員に対してフラットに、 公平に対応しているのかということがよくわかった現場でした。

ーー日本とハリウッドの現場の違いや、本作の撮影を通して感じたお芝居の楽しさなどをお聞かせ頂けますか。

「誰も僕のことを知らない現場でお芝居するのはとにかく新鮮で楽しかったですし、ハリウッドのクルーの方々がいかに全員に対してフラットに、公平に対応しているのかということがよくわかった現場でした。ウディ・ハレルソンさんやデニス・クエイドさんといったベテラン俳優や日本人俳優の僕、更にちょっとした役で出ている現地の日本人の俳優さんなど全ての俳優達に対してフラットなんです。これは日本の現場ではなかなかないことなのかなと。

それから、僕は日本の現場ではそれなりにキャリアを積んできているので、監督がOKを出しても“ほんとに今のOKなのかな? 気を遣っているんじゃないかな”と不安に思うことがあるんです(苦笑)。もしかしたら時間やお金の問題もあるのかもしれないけど、今回はそういうところから解放されてお芝居できたのは良い経験でしたね。OKかそうじゃないかがクリアだったので、それは凄く自分の為になったというか。もし機会を頂けるならばまた挑戦したいです」

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