8月23日決勝のMotoGPスティリアGPは、赤旗中断・再スタートという波乱の展開に!! そして再開されたレースの結果は、驚くべき内容になりました!

中上貴晶(ホンダ)、自身初のMotoGPクラスのフロントローを獲得!

2週連続でシュピールベルク(オーストリア)で開催されたスティリアGPですが、ポールポジションは来シーズンからレプソル・ホンダ・チーム加入が決まっている、KTMのポル・エスパルガロでした。予選2位はこの週末好調だったホンダの中上貴晶! 自身MotoGPクラス初表彰台・・・そして初優勝を多くのファンが期待しました!

画像: 自身初のMotoGPクラスフロントローを予選で獲得した中上貴晶(ホンダ)。 www.honda.co.jp

自身初のMotoGPクラスフロントローを予選で獲得した中上貴晶(ホンダ)。

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予選3位は前戦オーストリアGPの大クラッシュの起因となったヨハン・ザルコ(ドゥカティ)。クラッシュにより舟状骨骨折という手負い状態ですが、メディカルチェックをクリアして好位置を確保。予選4位以下は、ジョアン・ミル(スズキ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)、そしてマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)が続きました。なおランキング首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は10位と出遅れましたが、このコースはヤマハ勢は総じて苦戦している・・・と言えそうです。

なんと・・・赤旗中断でミルの初優勝と中上の初表彰台は白紙状態に・・・!!

決勝当日は雨降りも予想されましたが、なんとか天気はもってドライコンディションで行われることになりました。前戦、このコースで初表彰台を獲得したJ.ミル(スズキ)は好調を今週末もキープして首位を快走! そして2番手を走っていたJ.ミラー(ドゥカティ)を中上貴晶(ホンダ)がパス! 久々の日本人の最高峰クラス表彰台・・・そして優勝の期待が膨らみました!

しかし17周目、不調を抱えていたようなM.ビニャーレスのヤマハYZR-M1が、ビニャーレス落車した後に真っ直ぐ1コーナーをコースアウト! バリアに当たった後に炎上というトラブルが発生し、前戦に続いて赤旗中断という事態になりました!

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赤旗中断後は12周でレース再開ということになったのですが、先頭を走っていたJ.ミルと2位を走っていた中上貴晶にとっては、この中断はガッカリ・・・のひと言だったと思います。

欧州車の最高峰表彰台独占は、1973年以来の出来事!?

ミル(スズキ)、中上(ホンダ)、ミラー(ドゥカティ)がフロントローに並んでの再スタート直後、悲しくも中上は後続に飲まれることに・・・。1周目はJ.ミラー、ミル、そしてP.エスパルガロとミゲール・オリベイラの地元KTM勢が続きます。

P.エスパルガロは5周目にミルをかわし2位浮上。そして7周目にはミラーを抜いて首位浮上。自身初のMotoGPクラス初優勝が望める位置にまできました! しかし、最終周の最終コーナーで3番手だったオリベイラは、先行する2台がバトルする間に漁夫の利を得て前に出ることに成功! そのまま自身MotoGPクラス初優勝・・・! この勝利は彼が所属するテック3にとっても、MotoGPに挑戦してから初となる嬉しい1勝になりました!

画像: MotoGPクラス21戦目で初優勝したM.オリベイラ(KTM)。900戦目のメモリアルレースを見事制しました! www.motogp.com

MotoGPクラス21戦目で初優勝したM.オリベイラ(KTM)。900戦目のメモリアルレースを見事制しました!

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最後の最後で絡んだ1方のミラーが2位、そして3位にP.エスパルガロが入りましたが、この結果MotoGPクラスの表彰台はKTM、ドゥカティ、KTMの順で占めることに・・・! 手元の記録を調べると、日本車以外が最高峰クラスの表彰台を独占したのは、1973年7月21日決勝のスウェーデンGP500ccクラス以来の出来事では? ともあれ、非常に記録になりました。

画像: 1973年スウェーデンGP500ccクラスのひとこま。優勝したフィル・リード(MVアグスタ、3番)と3位のキム・ニューカム(ケーニッヒ)。2位には、リードの僚友だったジャコモ・アゴスチーニ(MVアグスタ)が入りました。 motovue.files.wordpress.com

1973年スウェーデンGP500ccクラスのひとこま。優勝したフィル・リード(MVアグスタ、3番)と3位のキム・ニューカム(ケーニッヒ)。2位には、リードの僚友だったジャコモ・アゴスチーニ(MVアグスタ)が入りました。

motovue.files.wordpress.com

残念ながら、日本期待の中上貴晶(ホンダ)は7位でフィニッシュ。不調のヤマハ勢の最上位はバレンティーノ・ロッシの9位で、ランキングリーダーのF.クアルタラロは13位と低迷しました。

この結果、クアルタラロはかろうじてランキング首位は守ったものの、2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)との差はわずか3ポイント・・・。昨年の王者であるマルク・マルケス(ホンダ)の不在が続く今シーズンのMotoGPは、誰がチャンピオンになるのか読めない状況になっています。

次戦のサンマリノGPは、ちょっと間があいて9月13日の決勝になります。すでに4人のウィナーが誕生している今シーズンですが、また新しいウィナーが登場するのかどうか? 注目ですね!

MotoGP2020 スティリアGP 決勝
1 M.オリベイラ Red Bull KTM Tech 3 KTM 16’56.025
2 J.ミラー Pramac Racing Ducati 0.316
3 P.エスパルガロ Red Bull KTM Factory Racing KTM 0.540
4 J.ミル Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 0.641
5 A.ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 1.414
6 A.リンス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1.450

MotoGP2020 ランキング ※8月23日現在
1 F.クアルタラロ Yamaha 70
2 A.ドビツィオーゾ Ducati 67
3 J.ミラー Ducati 56
4 B.ビンダー KTM 49
5 M.ビニャーレス Yamaha 48
6 中上貴晶 Honda 46

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