第2世代のパナメーラがフェイスリフトでさらなる進化を遂げようとしている。その開発テストに同行が許されたので、その模様をレポートしよう。その実力は、追従するライバルをさらに引き離すものになったと言える。(Motor Magazine 2020年9月号より)

AMG GT4の登場で新たなメルクマールを設定

ポルシェの4ドアスポーツクーペ「パナメーラ」は2009年の発売開始以来、911/718スポーツカー系、マカン/カイエンなどSUVとともにポルシェの屋台骨を支えている。19年の販売台数を見ると28万800台の総販売台数に対して3万2721台、およそ11.7%を占めている。その主な市場は中国で、ストレッチバージョンが約40%にあたる1万3170台輸出されている。 

現行モデルは16年に登場した2世代目で、アップデートされたデザインが受けてドイツ市場では17年に3977台と発売以来最多販売台数を記録した。しかし、この頃からとくにメルセデス・ベンツクラスやアウディA8など、もともと快適性重視のラグジュアリーリムジンがAMGやアウディスポーツ社などの手によってハイパフォーマンスを得て、この分野に踏み込んで来たのに加えてAMG GT4のような直接的なライバルも登場するに至った。

そこで、ポルシェマネージメントが市場分析の結果、パナメーラ開発担当グループへ出した要望が「モアパワー、モアコンフォート」であった。すなわちパナメーラのトップモデルは少なくともAMG GT4に匹敵するパワーを与えると同時に、すべてのモデルにこれまで以上の快適性を持たせようというチャレンジングな内容であった。

というわけでテストデイに用意された次期パナメーラは、ターボS、ターボSロングボディ(中国向け)、4S Eハイブリッドそしてスポーツツーリスモの4台であった。まずターボSだが、これまでのターボに代わるトップモデルで、新しいターボシステムの採用によって最高出力を550ps0から630psへ増大させている。

そして4S Eハイブリッドは新たにバッテリーの容量を14.1kWhから17.9kWhへとアップ、システム出力は560psを発生、EV走行距離もおよそ30%増加している。また今回は開発テストには同行しなかったがGTSは最高出力を480psまでパワーアップしているという。

画像: 開発テスト中の車両であることを示すステッカーが貼られている。アウトバーンでは300km/hへ到達した。

開発テスト中の車両であることを示すステッカーが貼られている。アウトバーンでは300km/hへ到達した。

従来モデルを超えるコンフォート性を手に入れた

この日のドライブで圧巻だったのはターボSによるアウトバーンでの高速チャレンジであった。圧倒的なパワーは2トン以上の4ドアクーペを間違いなく300km/hへ到達させることができたのである。一方、もうひとつの課題である快適性の追求に関してはPASM(ポルシェ アクティブ サスペンション マネージメント)、PDCC(ポルシェ ダイナミック シャシコントロール)の改良、さらにPTV(ポルシェ トルク ベクトリング)プラスなどの制御システムのソフトウエアの見直し、さらに3チャンバーエアサスペンションもアプリケーションの最適化などで対応している。

一方、ボディ関連ではターボSに専用のフロントデザインが与えられたのと、リアエンドに現行のマカンのような左右のテールライトを繋げるフィニッシュラインが設けられた。また、インテリアではステアリングホイールのデザインが見直されている。

実は、筆者は19年の夏にパナメーラス ポーツツーリスモ ターボで自宅のあるドイツ、ランゲンからフランスを縦断、ボルドーまで片道およそ1300kmにわたるグランドツーリングを敢行した。このロングドライブでパナメーラは類稀なGT(グランツーリスモ)として文句の言いようがないほど大いに感銘を与えてくれた。

しかし、今回、わずかな時間ではあったが、プロトタイプでのテストドライブで、現行パナメーラにはまだ改良の余地があったことを学んだ。ポルシェ開発グループは次期パナメーラに一層のスポーティネスを与えるだけでなく、同時にドライビングコンフォートも改善することに成功したのだ。「最新のポルシェは最良のポルシェ」という伝説的な言い伝えは911だけでなく、パナメーラにも適用することを体感した。(文:木村好宏)

画像: V8ツインターボエンジンは従来の550psから80ps出力が向上し630psへと大幅なパワーアップが行われている。

V8ツインターボエンジンは従来の550psから80ps出力が向上し630psへと大幅なパワーアップが行われている。

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