今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代のニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ホンダ モビリオ」だ。

ホンダ モビリオ(2002年)

画像: ドイツの路面電車をモチーフにしたというユニークなスタイリング。全長は4mちょっとだがホイールベースは2.7mを超える。

ドイツの路面電車をモチーフにしたというユニークなスタイリング。全長は4mちょっとだがホイールベースは2.7mを超える。

モビリオは、フィットをベースにしたコンパクト ミニバンだ。とはいえ、そのスタイリングはフィットとはまったく異なる。ドイツの路面電車「ユーロトラム」をモチーフにしたというエクステリア デザインは、とにかくガラス面積が大きいのが印象的。電車好きのお子さんがいる家族には、これがクルマ選びの大きなポイントとなるかも。

フロントドアはヒンジを前傾させているので、上方ほど大きな角度で開くから、狭い場所で傘を差したままでも乗り降りしやすい。しかも低床フロアを採用して、さらにフロントドアは3段階で開くから、場所に応じてドアの開きを加減して乗り降りできるのも便利だ。

運転席に座ると、フロントウインドーの端や三角窓を大きくしたことで、前方の視界を可能な限り確保したというのがよく分かる。後方視界もいい。バックするときにいちばん気になるクルマのすぐ後ろが、ルームミラー越しでもよく見える。これはバックや車庫入れが苦手な人には、すごくありがたい。ゆとりを持って操作できるぶん、車庫入れがうまくなった気分になる。

2列目シートでも視界は良い。サイドウインドーはポップアップ式だが、外がよく見えるからクルマに弱い人でも酔いにくいだろう。地上から405mmの低床フロアと570mmも開く両側スライドドアのおかげで、子どもでもお年寄りでも乗り降りはしやすそうだ。

3列目シートは少し狭いが、おとなでもヒザを抱え込む「体育座り」にはならないから、意外と座れる。ステップワゴンより10mm高い室内高のおかげで、押し込められる感じはしない。しかも3列目シートは折りたたんで2列目の下に収納でき、2列目もたためば最大で957Lものラゲッジスペースが生まれる。このアレンジは、フィット譲りのセンタータンク レイアウトならではといえるだろう。

画像: 前方視界の良いコクピットはインパネシフトを採用。操作性に優れたセンターダッシュ部はラジカセをイメージしたという。

前方視界の良いコクピットはインパネシフトを採用。操作性に優れたセンターダッシュ部はラジカセをイメージしたという。

搭載エンジンは、フィットよりも大きな1.5Lの直4 SOHCのi-DSIで、90psと13.4kgmを発生。これにトランスミッションはCVTを組み合わせる、駆動方式はFFと4WDを設定している。そんなモビリオの走りは、期待どおりといってもいいだろう。フィットが持っていたホンダらしいキビキビ感を、ミニバンのスタイルに合わせて少しマイルドにした感じだ。

このエンジンは低中速のトルクを重視しており、モビリオが活躍するであろう市街地中心の日常ユースで、きわめて扱いやすい特性を示してくれる。スタート時の飛び出し感はないし、ブレーキの効き方もリニアで、しかもコントロールしやすい。

都市高速も少し走ってみたけれど、背の高さを感じさせない安定感のあるハンドリングで、レーンチェンジでも不安を感じることはない。ただ逆に、街中でのハンドリングでは、切り始めが少し重いかなとも感じられることもある。

適度なキビキビ感のあるモビリオは、ミニバンとコンパクトカーのイイトコ取りといった感じのクルマだ。最大のライバルは、トヨタのスパシオか。走りっぷりはほぼ互角だから、3列目を使う機会が多いならモビリオをオススメしたい。

画像: サイドとリアのガラス面積も広い。後方視界は1mの高さのもの(幼稚園児の身長)が見えるようにこだわったという。

サイドとリアのガラス面積も広い。後方視界は1mの高さのもの(幼稚園児の身長)が見えるようにこだわったという。

■ホンダ モリリオ W 主要諸元

●全長×全幅×全高:4055×1685×1740mm
●ホイールベース:2740mm
●車重:1270kg
●エンジン形式:直4・SOHC・横置きFF
●排気量:1496cc
●最高出力:66kw(90ps)/5500rpm
●最大トルク:131Nm(13.4kgm)/2700rpm
●ミッション:CVT
●タイヤ:185/65R14
●当時の価格:159万9000円

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