今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代のニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「トヨタ マークIIブリット」だ。

トヨタ マークIIブリット(2002年)

画像: 強い傾斜を持たせた太いCピラーで、ウインドーグラフィックにスポーティな印象を強調しているサイドビュー。

強い傾斜を持たせた太いCピラーで、ウインドーグラフィックにスポーティな印象を強調しているサイドビュー。

1997年にマークIIのワゴンとして、FFのカムリグラシアをベースにしたクオリスが登場したとき、これはちょっと違うだろうと思った。マークIIにはFFは似合わない。そんな意見が反映されたのか、今回のマークIIブリットは、セダンのマークIIをベースにしたFRモデルとなった。ワゴンとしての積載性や使い勝手はもちろんだが、それよりもマークIIという名にふさわしい走りを重視したのだろう。

そのスタイリングは、縦型独立4灯ヘッドライトや特徴的なクオーターピラーなど、本家のマークIIとは違うアグレッシブな個性が与えられている。それでも、顔つきはけっこう精悍だし、強い傾斜を持たせた太いCピラーがスポーティな印象を強調するウインドーグラフィックも悪くない。リアビューも存在感のあるもので、これならマークIIのワゴンとして多くの人が納得するのではないだろうか。

インテリアでは、インパネやドアのオーナメント部、コンソールのアッパー、そしてドアスイッチのベースなどにメタルメッシュ調のパネルを採用し、落ち着いた雰囲気を醸し出している。メーターは視認性に優れる夜間ブルー発光式で、上級グレードでは指針が赤く発光し、スポーティな気分を増幅する。

もちろん、ワゴンとしての使い勝手も悪くない。リアシートを前倒しすれば、ラゲッジスペースは最大1385L(VDA)の容量を誇る。さらにリアシートからの荷物の出し入れを容易にするトノカバー内蔵の270mmスライド式トノボードや折りたたみ式ラゲッジユーティリティボックスを標準装備し、どちらも使わないときは容量51Lのデッキ下アンダートレイに収納できる。

画像: メタルメッシュ調のパネルを各所に採用して、落ち着いた雰囲気を醸し出すインテリア。カーナビはオプション。

メタルメッシュ調のパネルを各所に採用して、落ち着いた雰囲気を醸し出すインテリア。カーナビはオプション。

エンジンのラインアップは、直噴の2.5L直6を中心に2L直6、2.5Lターボを設定する。今回は、2.5Lの直6を中心に試乗した。マークIIの名に恥じないよう足まわりは締め上げられたようで、乗り味はかなりスポーティ。ステアリングも切った分だけ向きが変わる正確さがあり、このあたりの印象はトヨタ車というよりは欧州車風だ。

コーナリングではロールは抑えられており、旋回中に修正を入れたり、路面のアンジュレーションにあおられたりしてもボディのふらつきは非常に少ない。試乗車にはVSC(横滑り防止装置)も装着されていたので、これが効果的だった。もっとも、足は締め上げられてはいるが乗り心地はけっして悪くない。確かに路面からの当たりは強いが、ダンパーが確実に効いていて、スポーツサルーンらしい乗り心地といえるだろう。

2.5Lの直噴エンジンは5速ATと組み合わされるが、3000〜4000rpmあたりのトルクが少し薄く、ギアを1段落として乗りたくなる。2.5Lターボは全域でトルクフルで、しかも7000rpmまで自然吸気エンジンのようにスムーズに回って小気味良いが、ATが4速なのがタマにキズ。パンチが欲しいなら2.5Lターボ、バランスの良さは2.5L直噴といったところだろうか。

スポーツ性に特化した走りと、それを表現したアグレッシブなスタイルのマークIIブリットは、日本のワゴンに新たな個性を加えたようだ。

画像: 大きなリアゲートはダンパーステー付きで、半ドア状態でも自動で締まるイージークローザーも採用されている。

大きなリアゲートはダンパーステー付きで、半ドア状態でも自動で締まるイージークローザーも採用されている。

■トヨタ マークIIブリット 2.5iR-S 主要諸元

●全長×全幅×全高:4775×1760×1470mm
●ホイールベース:2780mm
●車重:1570kg
●エンジン形式:直6・DOHC・FR
●排気量:2491cc
●最高出力:147kw(200ps)/6000rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/3800rpm
●ミッション:5速AT
●タイヤ:205/55R16
●当時の価格:288万円

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