新車ディーラーで独自商品として販売されている、点検や車検をセットにしたメンテナンスパック。定期的にプロに点検してもらえるのは何とも心強いが、その価格は内容と見合っているのだろうか? またカー用品量販店のサービスと比較してお得と言えるのだろうか? 解説しよう。

ディーラーで法定点検を毎回行うと下取り額アップの可能性あり

画像: 点検整備を確実に行うという意味ではメンテナンスパックの安心感は高い。記録簿の記載も下取りを考えると有利だ。

点検整備を確実に行うという意味ではメンテナンスパックの安心感は高い。記録簿の記載も下取りを考えると有利だ。

ディーラーのメンテナンスパックとは、車検までの整備・点検・消耗品補充がパッケージされたもの。通常はメンテナンスパック契約時に、その代金を支払う。その後、点検時期にはディーラーから連絡が来るので、予約連絡の上、愛車をディーラーに持ち込めばいい。契約に含まれる工賃や消耗品は代金先払い済みなので都度出費がない。メンテナンスパックに加入しつつ、定期点検時に修理作業を行うなら工賃をサービスしてくれるディーラーが多く、修理に使った部品代だけ追加請求される場合もある。

その価格だが、トヨタ ヤリスをトヨタモビリティ東京で購入の場合、メンテナンスパック(車検付き)が11万260円(別途法定費用)、メンテナンスパック(初回車検前日まで有効)が5万7160円となっている。契約内容は半年ごとの点検3回とオイル交換6回、1年ごとの法定点検2回とオイルフィルター/ワイパーゴムの交換2回だ。前者は初回車検費用を含むというのが基本的な違いとなる。

また日産 キックスを日産プリンス東京で購入した場合、メンテプロパック30(車検付)で9万930円(別途法定費用)、メンテプロパック30(契約期間は納車より30か月)で5万5170円となる。メンテプロパック30の契約内容は、半年ごとの点検3回とオイル交換5回、1年ごとの法定点検、先進安全装備のコンピューター診断とオイルフィルター交換で、それぞれ2回ずつだ。ワイパーゴムの交換は含まれない。メンテプロパック30(車検付)なら、ここに36か月目のコンピューター診断、エンジンオイルとオイルフィルターの交換に加えて、車検整備が追加される。

両社とも法定点検は記録簿に記載してくれるので、愛車の車歴が開示可能な資料として残り、下取り時に査定アップの足掛かりになるメリットがある。

画像: 環境保全の問題もあり、従来よりは交換サイクルが長くなりがちのオイル交換だが、やはりクルマのコンディションの生命線。お任せにできるのは安心だ。

環境保全の問題もあり、従来よりは交換サイクルが長くなりがちのオイル交換だが、やはりクルマのコンディションの生命線。お任せにできるのは安心だ。

では車検付のメンテナンスパックと同等の点検整備をカー用品量販店で行ったら、いくらになるのだろうか。トヨタのメンテナンスパックと同等の内容にした場合、オイル交換6回、オイルフィルターとワイパーゴム交換がそれぞれ3回、点検2回、法定点検2回、車検1回だ。ここではコンパクトカー(1.5Lクラス)を例として、カー用品量販店のそれぞれの価格を見ていこう。

エンジンオイルは交換ごとに4L使うとして、最安で2200円ほど。オイル交換工賃が1回500円なので、1回のオイル交換にかかる費用は2700円~となる。初回車検までにオイル交換を6回行うので、2700円x6で1万6200円だ。オイルフィルターの価格相場は、1500円が中心だ。工賃は500円なので、1回の交換につき2000円、3回で6000円だ。ワイパーゴムは2本で1000円前後。1回の交換工賃が300円なので、1回あたり1300円。3回で3900円の計算だ。

カー用品量販店での法定点検や車検整備料金は、店舗により異なる。筆者居住地の近隣店舗では法定点検の基本料金が1万1000円、車検整備料金は2万7500円(別途法定費用)だ。メーカーのメンテナンスパックで実施している6ヵ月ごとの点検が法定点検に準じる内容とすると、1回の点検費用で1万1000円、メンテナンスパック期間中5回点検を行うので合計で5万5000円となる。

画像: カー用品量販店でも、ディーラーに対抗すべく?さまざまなサービスを設けている。いろいろな車種を手がけているだけにノウハウをもっている店舗もある。

カー用品量販店でも、ディーラーに対抗すべく?さまざまなサービスを設けている。いろいろな車種を手がけているだけにノウハウをもっている店舗もある。

ここまでをまとめてみると、オイル交換6回で1万6200円、オイルフィルター交換3回で6000円、ワイパーゴム交換3回で3900円、法定点検2回と点検3回で5万5000円、車検整備料金1回で2万7500円。合計で10万8600円となり、消費税1万860円を加えて11万9460円となる。この金額だとトヨタ ヤリス用メンテナンスパック(車検付)の11万260円や、日産 キックス用メンテプロパック(車検付)の9万930円と数千円から2万円強の差が出てしまう。

ただカー用品大手量販店でも、車検付のメンテナンスパックを販売しているのでそれを活用する手もある。内容はディーラーのメンテナンスパック同様に、半年または5000kmごとのオイル交換6回、1年または10000kmごとのオイルフィルター交換3回、半年ごとのワイパーゴム交換2回、12か月点検2回、車検整備1回が用意される。さらにタイヤローテーションまたはエアコンフィルター交換のどちらか1回と、ボディアンダーコーティング1回まで加わり価格は5万2600円と格安だ。別途で車検時の法定費用が必要ではあるが、初回車検付きの点検・整備費用が1桁万円なのは、うれしい。

本題のディーラーとカー用品量販店のメンテナンスパックは、どちらがお得か?の結論だが、結局ユーザーの考え方次第だ。というのも、ディーラーのメンテナンスパックは半年ごとに点検を行ってくれ、これが故障の早期発見・早期修理につながり、重大事故防止に一役買う。またメンテナンスパック購入などディーラーへの信頼度が高いユーザーなら、次の新車購入時に何かしらのサービスも期待できる。メンテナンスパック自体はカー用品量販店と比べ2倍近く高価だが、ディーラーと長く付き合うなら5万円程度は次の車両購入時に値引きやサービスで回収できるとも考えられるだろう。

画像: ディーラー、カー用品店で損得を考えるのは難しいが、最終的にはその人次第。任せっきりならディーラー、いじるのが好きだったり、ちょっとでも安くというのならカー用品店か?

ディーラー、カー用品店で損得を考えるのは難しいが、最終的にはその人次第。任せっきりならディーラー、いじるのが好きだったり、ちょっとでも安くというのならカー用品店か?

一方、カー用品量販店のメンテナンスパックは、価格の安さが魅力だ。ディーラーのメンテナンスパックが予算オーバーなら、こちらに加入するのも1つの手だ。ただしカー用品量販店は、必ずしも全員が車両整備士の資格を保有しているわけではない。もちろん資格と技術はイコールではないが、この辺の安心感をどうみるかも判断材料だ。(文:猪俣義久)

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