ひと昔前と比べ、映画館の上映設備やサウンドシステムは格段に進化を遂げています。デジタル3D、IMAX、4DX……最近ではBESTIA、SCREEN X、4DX SCREENなどなど、枚挙にいとまがありません。どれも映画を盛り上げてくれることは確実なのですが、何が何やら分からない!なんて人も多いのではないでしょうか? そこで本連載では、【知っておきたい映画館のこと】と題し、毎回映画館の“ハテナ”をご紹介。今回のテーマは「IMAX」です。

IMAXとは?

IMAXと聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか? 映像?それともサウンドシステム? 最近では、「IMAXレーザー」、「IMAXレーザー/GTテクノロジー」なんて言葉も出てきて、何が何やらわからない……という方も多いのではないでしょうか?

そんな謎に包まれた(?)IMAXについて、今回は簡単な歴史とその特長を解説していきます。

はじまりは50年前

IMAXとは、いまから50年前にカナダの「マルチスクリーン社(のちにIMAX社に変更)」が開発した動画フィルムの規格及び映写システムのことです。

これは、1コマに使うフィルムの面積を70㎜(通常は35㎜)と広くすることで高精細度の映像を記録・上映できるというもの。

画像: IMAXカメラ。大型のフィルムを大量に使うため莫大なコストがかかる(出展:Wikipedia) https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=294017 commons.wikimedia.org

IMAXカメラ。大型のフィルムを大量に使うため莫大なコストがかかる(出展:Wikipedia)

commons.wikimedia.org

撮影には専用のIMAXフィルムカメラを使います。ただ、巨大なフィルムを使うためカメラが大型になること、機材が非常に高価で激しいシーンでの撮影などではほとんど使われない(使う監督もいます)こともあり、本編の数シーンをIMAXフィルムカメラで撮影というのが現実です。

のちにフィルムを必要としないIMAXデジタルカメラも普及しますが、その映像はフィルムカメラに及ばず、デジタルの解像度が2〜4Kなのに対し、フィルムは8K以上と、IMAXフィルムは現在でも圧倒的な美しさを誇ります。

しかし、いくら美しい映像を収めても、それを上映する設備がないと意味がありません。

IMAXフィルム映像は上下が切られてしまう?

IMAXフィルムのアスペクト比は1.43:1であり正方形に近い形になります。そのため、一般的なシネスコープ方式の映画館のスクリーン(2.35:1)では画像の上下が切られた状態になってしまいます。

これはのちほど紹介する「IMAXデジタルシアター」でも同じで、同施設のスクリーンのアスペクト比は1.90:1。IMAXデジタルカメラに合わせたスクリーンサイズになっていますので、結局フィルムカメラの映像は切られてしまいます。ではIMAXフィルムをそのまま楽しめる映画館はどこにあるのでしょうか?

本来のIMAXは日本では楽しめない⁉︎

実は、IMAXフィルムで撮影した映像を、“そのままフィルム上映できる映画館”は日本には存在しません。唯一本来のIMAX映像を楽しめる施設は、鹿児島市立科学館(宇宙劇場)のみで、映画ではなく、天体に関する映像を流しています。

日本には、と言いましたが、世界にはIMAXフィルム上映が可能な「IMAXシアター」があります。しかし、その数は20館ほど……。これを聞くと、じゃあ今我々が楽しんでいるIMAX○○って何なの?となるでしょう。

\ここでワンポイント/

フィルム上映のできるIMAXシアターは日本にありませんが、IMAXフィルム本来のアスペクト比で観ることのできる超大型スクリーン完備の映画館は日本に2カ所あります。それが、109シネマズ大阪エキスポシティと、東京・池袋のグランドシネマサンシャインです。このサービスはのちほど「IMAXレーザー/GTテクノロジー」のところで紹介いたします。

画像: 本来のIMAXは日本では楽しめない⁉︎

現在我々が日本の映画館で楽しんでいるのは、「IMAXフィルムで撮影した映像から起こしたデジタルデータを専用プロジェクターを使って上映しているもの」、「IMAXデジタルデータの映像をそのまま上映しているもの」、「IMAX以外の一般的なフィルムやデジタル映像をIMAXフォーマットに変換して上映しているもの」に分かれます。

どれもIMAX上映!と一括りにされがちですが、実は違いがあったんですね。

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