2006年に登場した2代目アウディA6オールロードクワトロは、アウディが誇るフルタイム4WDシステム「クワトロ技術」のすべてが注ぎ込まれたモデル。それはアウディの技術力の象徴でもあった。Motor Magazine誌ではそんなA6オールロードクワトロをチェック、ここではその試乗の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年11月号より)

オールロードクワトロからA6オールロードクワトロへ

オールロードクワトロというネーミングは、このクルマのコンセプトをうまく言い表している。クワトロという言葉でアウディだということもすぐにわかる。

そもそも北米マーケットでヒットした「ちょっと腰高にしたワゴン」というカテゴリーは、スバルのアウトバックが作り上げたものだった。フルタイム4WDによってオフロードも安心して走れ、グランドクリアランスを大きくとることで石がごろごろしたアウトバックでも楽々行けるというコンセプト。ボディはワゴンのままでありながら、タフネスさと豪華さも持ち合わせているのもポイントで、都会の風景にも似合うところが特徴だ。

スバルの後に続いたのがボルボとアウディである。その中でもアウディのオールロードクワトロはクオリティの高さと豪華な装備で一歩抜きん出ていた。

そのオールロードクワトロがフルモデルチェンジしてA6オールロードクワトロになった。先代もA6アバントのボディをベースにしていたが、今度はA6のひとつのバリエーションとしてカタログに載ることになったのだ。

最初に試乗したのはA6オールロードクワトロ4.2FSIだ。このエンジンは直噴システムを持つ新型V型8気筒でA8/A6に搭載されているのと同じものだ。350ps/6800rpm、440Nm/3500rpmに6速ティプトロニックATを組み合わせている。

タイヤは前後同サイズの245/45R18 100YXLで、試乗車はグッドイヤー・エクセレンスを履いていた。このタイヤは特にオフロードを意識したものではなく、オンロードのハイパフォーマンスタイヤだ。速度記号がYだから300km/hまで保証しているということだ。

大きなシングルフレームグリルは通常のA6と異なる、迫力のあるデザインだ。一目で違いがわかるようにオールロードクワトロとしての差別化が図られている。そのほか、ドア下部、フロントバンパー下、リアバンパー下のアルミパネルや黒いオーバーフェンダーなどで、エクステリアはA6とは別物に仕上がっている。

4.2L V8FSIエンジンはパワフルだが、まったく扱いにくさがない。低回転からトルクがあり、レッドゾーンまで軽快に吹け上がる。しかし、440Nmというトルクを使い切る状況はめったになく、常時、余裕を持って走るという感じだ。

その点では3.2L V6FSIエンジンで十分かもしれない。これでも十分に速い。かえって4.2FSIよりノーズが軽く感じられるところもいい。ターンインでハンドルに素直についてくるから、ワインディングロードが楽しく走れる。外観や装備に関しては4.2FSIと同じだから3.2FSIがお買い得に思える。

画像: 2006年に登場した、2代目オールロードクワトロとなる「A6オールロードクワトロ」。いかなる道も快適に走破することのできる性能は、このクルマに大きな余裕をもたらした。

2006年に登場した、2代目オールロードクワトロとなる「A6オールロードクワトロ」。いかなる道も快適に走破することのできる性能は、このクルマに大きな余裕をもたらした。

走行状況にあわせて最適な足まわりを提供

機能面では新型A6オールロードクワトロ用に新たに開発し直されたアダプティブ・エアサスペンションに注目したい。これは車高を3段階に変えることが可能で、ダンパーの減衰力を変えることもできる。マルチファンクションのモニター画面からアダプティブ・エアサスペンションの5つのモード(リフト、オールロード、コンフォート、オートマチック、ダイナミック)を選択する。

通常はオートマチックモードのままでいい。これは120km/hを越えて走ると自動的に車高が15mm下がって、高速走行向きとなる。空気抵抗が減ることによって高速走行時の燃費の悪化を低減することもできる。

スピードが70km/h以下に下がったままで120秒経過すると自動的に元の車高に戻る。もし35km/h以下になった場合には、経過時間に関係なく元の車高にすぐに戻るようにコンピュータが指令を出す。

コンフォートモードというポジションでは、車高はオートマチックモードと同じだが、ダンパーの減衰力がソフトのまま維持される。オートマチックモードの場合はスピードや横Gなどによって減衰力が自動的に変化するが、コンフォートモードでは減衰力は一定に保たれる。

ダイナミックモードは車高が低く、ダンパーの減衰力もハードのまま維持される。これはライバルにはない考え方で、サーキット走行やフラットな路面を飛ばすときに合うモードだ。50〜60km/hで走る一般道でこれを選んだらバネ上がヒクヒクした動きになった。こういうのを好む人も少なくないということだろう。

もうひとつはリフトモードだ。凸凹が大きいところを低速で通過するときに使うモードで、足が伸びきった状態に近く、これも乗り心地は期待できない。これもスピード上昇により何段階かに分けて自動的に車高を下げてくれるが、スピードが下がると再び車高が上昇する。

おそらくアウディのエンジニアの推薦モードはオートマチックだろう。これが乗り心地、ハンドリングともに一番よかった。状況に応じた車高とダンパーの減衰力を選んでくれるからだ。(文:こもだきよし/Motor Magazine 2006年11月号より)

画像: アウディらしく上品にまとめられたインテリア。どんな状況下でも快適であることを目指した。

アウディらしく上品にまとめられたインテリア。どんな状況下でも快適であることを目指した。

ヒットの法則

アウディ A6オールロードクワトロ 4.2FSI 主要諸元

●全長×全幅×全高:4935×1860×1490mm
●ホイールベース:2845mm
●車両重量:1950kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:4163cc
●最高出力:350ps/6800rpm
●最大トルク:440Nm/3500rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:980万円(2006年)

アウディ A6オールロードクワトロ 3.2FSI 主要諸元

●全長×全幅×全高:4935×1860×1490mm
●ホイールベース:2845mm
●車両重量:1860kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3122cc
●最高出力:255ps/6500rpm
●最大トルク:330Nm/3250rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:790万円(2006年)

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.