クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第87回は「BMW i8」だ。

BMW i8(2013-2020年)

画像: 全長は約4.7m、ホイールベースは2.8mあり、ミッドシップのクーペだがリアには+2のシートを備える4人乗りだ。

全長は約4.7m、ホイールベースは2.8mあり、ミッドシップのクーペだがリアには+2のシートを備える4人乗りだ。

2013年のフランクフルト モーターショーで、BMWはM1以来となる、久しぶりのスーパースポーツカー「i8」をワールドプレミアさせた。BMWが持続可能な次世代モビリティを提供するプレミアム ブランドとして新たに立ち上げたサブ ブランド「BMW i」の第2弾(第1弾はコンパクトモデルのi3)にあたる。「8」は、フラッグシップ クーペである8シリーズに由来している。

i8のルーツは2009年のフランクフルト モーターショーで発表され、映画「ミッション・インポッシブル」にも登場したコンセプトカーの「ビジョン エフィシエント ダイナミクス」。それが2011年の同ショーでは「i8 コンセプト」に進化し、2013年には市販版が登場するわけだが、3モデルとも基本デザインは大きく変わっていない。シザーズドアを採用し、Cd値は0.26という空力的にも優れたスタイリングのボディは、自社デザインによるものだ。

だが、i8のスーパーなポイントはスタイリングだけではない。コクピット背後にミッドシップ搭載されるエンジンは、スーパーカーとは思えない、わずか1.5Lの3気筒ターボだが、フロントには電気モーターを搭載するプラグインハイブリッド機構を採用している。モーターで前輪を、エンジンで後輪を駆動する(つまりEV走行時はFFとなる)4WDというわけだ。システムトータルでも最高出力は362psだからスーパーカーの世界では驚く数値ではないが、最大トルクは570Nmあるので、加速性能は十分。

画像: インテリアのデザインも独特だが、操作系はBMWの文法に則ってレイアウトされているので、非常に運転しやすい。

インテリアのデザインも独特だが、操作系はBMWの文法に則ってレイアウトされているので、非常に運転しやすい。

公称の最高速度は最高速度は250km/h(リミッター作動。モーターのみなら120km/h)、0→100km/h加速は4.4秒、0→1000m加速は22.8秒と十分なパフォーマンスを発揮し、しかもハイブリッド走行時のJC08モード燃費は19.4km/L。モーターのみでも最長35kmの走行が可能とされている。

アルミニウム製のシャシの内側にリチウムイオンバッテリーを搭載し、その上にカーボンファイバー製のボディを組み合わせている。インテリアなどの車体各部には天然由来の素材も採用し、製造工程でも徹底的にエコに配慮。時代を先取りしすぎたというほどの進歩的コンセプトを実現した、まさに21世紀のスーパースポーツカーであった。

スタイリングとパフォーマンスに見合ったエンジンサウンドを楽しめるよう、アクセル開度に応じて車内にはスピーカーから合成音が発せられた。2017年のロスアンゼルス モーターショーでオープンモデルのロードスターを発表。累計で2万台を生産したi8は、その役割を果たしたとして2020年に4月に生産が終了された。

画像: リアコンビランプ回りをエグり、浮き上がったように見えるルーフなど独特のデザインはCd値=0.26と空力性能も良い。

リアコンビランプ回りをエグり、浮き上がったように見えるルーフなど独特のデザインはCd値=0.26と空力性能も良い。

BMW i8 主要諸元

●全長×全幅×全高:4690×1940×1300mm
●ホイールベース:2800mm
●車両重量:1500kg
●パワーユニット種類:直3 DOHCターボ+モーター
●排気量:1499cc
●エンジン最高出力:231ps/5800rpm
●エンジン最大トルク:320Nm/3700rpm
●モーター最高出力:131ps/3800rpm
●モーター最大トルク:250Nm/0-3700rpm
●燃料タンク容量:42L
●駆動方式:横置きミッドシップ4WD
●トランスミッション:6速AT
●タイヤサイズ:前195/50R20、後215/45R20
●当時の価格:1917万円

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