クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第66回は「フェラーリ FXX」だ。

フェラーリ FXX(2005年)

画像: フロントまわりはエンツォフェラーリと大きく変わらないが、エアインテークなどが追加されている。

フロントまわりはエンツォフェラーリと大きく変わらないが、エアインテークなどが追加されている。

2005年、フェラーリは2002年に創業55周年を記念して399台限定で発売したエンツォフェラーリをベースにユニークなモデルを作り上げた。それが、今回紹介する「フェラーリ FXX」だ。FXXという車名は、エンツォフェラーリの開発コードであった「FX」に、未知の可能性やスピードを意味する「X」を付け加えたと言われている。

フェラーリ FXXは公道を走行することができない、サーキット走行専用の特殊車両だ。だが、レースに参戦するためのレギュレーションに適合したクルマでもない。オーナー(おそらくミリオネアだろう)がテストドライブのようにサーキットを走行して、FXXに装着されたテレメトリーシステムによってデータがピットにいるフェラーリの技術者に送られる。こうして得たデータを、新型車両の開発に投入するというプログラムから生まれたモデルなのだ。

基本的なスタイルはエンツォフェラーリと大きく変わらないが、ボディパネルをカーボンファイバー製に替えて約100kgの軽量化を図ると同時に、制約を受けない空力改善によりエンツォの1.5倍近いダウンフォースを実現している。リアには可動式のスポイラーも装着され、サーキットに応じて高さや角度が調節可能だ。

画像: エンツォフェラーリのインパネから加飾が取り外され、キルスイッチなどが装着されたレーシーなコクピット。

エンツォフェラーリのインパネから加飾が取り外され、キルスイッチなどが装着されたレーシーなコクピット。

リアにミッドシップ搭載されるエンジンは、65度のV型12気筒という形式こそ同じだが、排気量は6262ccにアップされ、最高出力は800ps、最大トルクは70.0kgmというとてつもないハイパワーを発生する。それでも組み合わされるミッションはセミATのF1マチックのままだが、F1グランプリマシンのテクノロジーをフィードバックさせ、シフト時間は約0.08秒まで短縮されている。

フェラーリ FXXは限定29台で、フェラーリによって認められたオーナーだけが手に入れることができた。日本にも数人のオーナーがいるらしい。各種メンテナンスなども含まれた価格は、150万ユーロ(当時のレートで2億円以上!)。オーナーがサーキット走行する場合はメカニックなどが派遣され(それが日本でも)、またレーシングドライバーによるドライビングレッスンなども受けることができた。

2007年には、FXXからのフィードバックを基に、進化したトラクションコントロール システムやカーボンブレーキなどを装着し、エンジンの最高出力も860psにまでアップされたエボルツィオーネ(エボリューションモデル)も製作された。

画像: リアまわりはレーシングマシンのよう。リアスポイラーは走行条件に合わせて調節が可能だ。

リアまわりはレーシングマシンのよう。リアスポイラーは走行条件に合わせて調節が可能だ。

フェラーリ FXX 主要諸元

●全長×全幅×全高:4832×2040×1127mm
●ホイールベース:2650mm
●乾燥重量:1155kg
●エンジン種類:65度V12 DOHC
●排気量:6262cc
●最高出力:800ps/8500rpm
●最大トルク:70.0kgm/5750rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:6速AMT
●タイヤサイズ:前245/35ZR19、後345/35ZR19

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