24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

平成時代の名車の数々を俺の写真でご覧いただくこのコラム。バイクの紹介と言うよりも撮影の裏話の方が多くて恐縮だが、今回もそんなヨタ話を聞いてもらおう。

本格的長距離ツーリング時代が訪れた2012年に、ゴーグル誌の名物企画となる超長距離ツーリングが計画された。このチャレンジが企画された背景にはBMW・K1600GTLの登場があった。

画像1: 24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

直列6気筒1600ccエンジンを搭載し、電動フェアリングと大型パニアケースを標準装備。高速で長距離を快適に移動できるスーパーツアラーだった。このBMW・K1600GTLの実力を日本国内で見極めるためには、それなりのステージを用意しないといけない。

この企画のページはwebオートバイにアップされているので、現在でも読む事ができる。24時間以内に西を目指してどこまで行けるかがテーマであったが、順当に行けば九州佐多岬に到着できるはずだと思っていたし、そこまでのルートも用意していた。

画像2: 24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

ライダーは編集者が担当し、交代せずにひとりで1500kmを走破する。同行するサポートカーの運転手は緊急用メカニックを兼任し、俺はカメラとサポカーの運転手交代要員。この3名で西を目指す。心配性の俺はあれこれと想像してしまうが、「ライダーがしっかり者なので大丈夫」と車に乗った。

大阪近辺は通勤渋滞前の早朝に抜けたい。その通過時間から逆算して午前0時に東京新橋にある編集部から出発。

画像3: 24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

出発してすぐに深夜の首都高速を走るK1600GTL。写真的には無理な暗さだが、ニコンD3の性能に期待して今まで撮った事のないASA感度に設定。「あれ、意外と撮れるな」綺麗とは言い難いが、ドキュメンタリー写真としては十分。この時以来、夜の首都高速撮影が楽しくなった。

しかし東京を抜けると真っ暗な東名高速。もはや俺の出番はない。たまに寄るSAだけが撮影のチャンス(しかも雨)。そんな時間が早朝の神戸付近まで続く。俺はサポカーの助手席でやる事はないが、序盤なので寝る気も起きない。

画像4: 24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

吹田JCTから先、とにかく渋滞を避けたいので都市通過の少ない中国自動車道を選んだ。この辺の交通事情に詳しくない俺たちは道路の両脇にある雪景色にビックリ。

画像5: 24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

幸い路面に積雪する事は無かったが、ライダーはさぞや寒かろう。ここまでもずっと雨の中を走っているのだから、疲れてメゲているのでないかと本気で心配した。しかしK1600GTLは快適そのもので全く平気だと言う。BMWの快適性能の真価はレポートページをご覧ください。

出発してから12時間過ぎで関門海峡に到達。ここでやっと時間をとって撮影。カメラマンらしい仕事ができたが、その後すぐに橋を渡って九州上陸。さすがにライダーが疲れて来たのでSAで仮眠をとってもらいつつ、俺もサポカーの運転を変わり佐多岬に向かって南下を続ける。

画像6: 24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

ライダーも俺たちも鹿児島県で高速を下りてからが辛かった。1400km走ってきた後の最後の下道100kmが長く感じた。まだか、まだかを何度も繰り返しながら夜の8時前に佐多岬に到着。もうこれ以上、先にはバイクでは進めない。東京から一番遠い南端まで来た。

画像7: 24時間で東京→鹿児島佐多岬へ行けるのか? 悪天候の中見えたBMW「K1600GTL」の超長距離ツーリング性能

雑誌のツーリング企画だが、撮影そのものはドキュメンタリーだった。俺からライダーに注文をつける事はなく、助手席から走っているライダーの挑戦を撮り続けるだけ。ゴール後に達成感に喜ぶライダーを撮りながら、ただただ無事に着けたことに安堵した。

写真・文:柴田直行

《後編に続く》

柴田直行/プロフィール

柴田直行 しばたなおゆき
1963年3月生まれ
横浜市在住
 
オートバイとライダーをカッコ良く撮るのを生業にしているカメラマンです。
ホンダVT250Fが発売になった1982年(19歳の頃)にオートバイブームに乗じて雑誌編集部にバイトで潜入。
スズキGSX-R750発売の翌年1986年に取材のため渡米。
デイトナでヤマハFZ750+ローソンの優勝に痺れてアメリカ大好きに。
ホンダCRM250R発売の1994年に仲間とモトクロス専門誌を創刊して、米国系オフロードにどっぷり。
カワサキニンジャ250が発表された2007年から、ゴーグル誌でも撮影を担当し現在に至る。
オンでもオフでも、レースでもツーリングでもオートバイライフが全部好き。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.