創刊以来、65年の歴史を刻むモーターマガジン(MM)のアーカイブから、ちょっと懐かしく珍しいクルマを紹介する、大型連休の短期連載企画。第3回はケーニッヒがチューンした「フェラーリ512BBi」だ。

ケーニッヒ BB512i ツインターボ(1985年)

画像: 前後のワイドなフェンダーだけでなく、リアフェンダー上の大きなエアインテークも目を引く。

前後のワイドなフェンダーだけでなく、リアフェンダー上の大きなエアインテークも目を引く。

ヴィリー・ケーニッヒは西ドイツ(当時)のミュンヘンにファクトリーをかまえ、1975年ごろからフェラーリでレースに参加し、その経験を生かしたクルマづくりを始めた。

今回紹介するケーニッヒ BB512i ツインターボは、その名がしめすとおり1970年代後半のフラッグシップ フェラーリ、512BBがベースだ。1985年当時、フラッグシップの座には既に後継モデルであるテスタロッサが君臨していたが、このケーニッヒ BB512i ツインターボは、そのアピアランスに勝るとも劣らない佇まいを見せていた。

その3サイズは、全長4400×全幅2030×全高1050mm。ノーマルの512BBと全長こそ同じものの、全幅はなんと200mmも拡大され、全高は70mm低められている。当時のフラッグシップだったテスタロッサですら全幅は1980mmだったのだから、そのワイドさがただものではないことがわかるだろう。

そのワイドなフェンダーの下に収まるのは、フロントが225/50VR15、リアは345!/35VR15という超ワイドなピレリ P7 タイヤ。そしてホイールはドイツのチューナーらしくBBSを装着している。

画像: エンジン本体には手を入れられていないが、ツインターボ化で653psを発生。ヘッドカバーには「KOENIG turbo」のロゴ。

エンジン本体には手を入れられていないが、ツインターボ化で653psを発生。ヘッドカバーには「KOENIG turbo」のロゴ。

ただものでないのは外観だけではない。エンジンの基本スペックには手がつけられてはいないが、圧縮比はノーマルの9.2から7.2に引き下げられ、180度V12エンジンの各バンクに1基ずつのターボチャージャーが装着されてツインターボ化されている。巨大化したリアカウルはワイドなタイヤを収めるためだけでなく、内側にはターボやインタークーラー、そしてオイルクーラーも配されている。

その最高出力は653ps/6500rpmとアナウンスされていた。しかもこの数値は耐久性を考慮してブースト圧を0.8kg/平方cmに抑えてのスペックで、1.0kg/平方cmに上げれば700psも可能だという。

だが、外観やパワースペックとは裏腹に、インテリアはほぼノーマルの512BBと変わらなかった。わずかに付け加えられたいくつかのメーター類が、このクルマの性格を物語っているだけだ。しかも、オリジナルのメーターはヴェリア製だが、付加されたメーターはVDO製なのが、いかにもドイツのチューナーらしい。

撮影中心の試乗のため、653psの一端すら味わうことはできなかったが、エアコンを入れっぱなしで渋滞の東京を走りまわっても、水温は90度以上に上がることはなく安定していた。しかも、2速2000rpm以下でもエンジンはグズることがない。ターボは3000rpmあたりから効果を発揮し、4000rpmまで上がると、そのサウンドはF1マシンの312Tのようであったといっても過言ではない。街中では1速でここまで回すのが精一杯で、まさにロードゴーイングF1のようなマシンであった。

画像: スポイラー形状とされたリアエンドの上に、もう1枚巨大なリアウイングが装着されている。

スポイラー形状とされたリアエンドの上に、もう1枚巨大なリアウイングが装着されている。

ケーニッヒ BB512i ツインターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4400×2030×1050mm
●ホイールベース:2500mm
●重量:未発表
●エンジン種類:180度V12 DOHCツインターボ
●排気量:4943cc
●最高出力:653ps/6500rpm
●最大トルク:未発表
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前225/50VR15、後345/35VR15

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