創刊以来、65年の歴史を刻むモーターマガジン(MM)のアーカイブから、ちょっと懐かしく珍しいクルマを紹介する大型連休の短期連載企画。第2回はフォードのグループBマシン「RS200」だ。

フォード RS200(1984-1986年)

画像: スタイリングはカロッツェリア・ギア。全長は4mときわめてコンパクト。車高はセッティングによって変わるので公表されていなかった。

スタイリングはカロッツェリア・ギア。全長は4mときわめてコンパクト。車高はセッティングによって変わるので公表されていなかった。

1986年まで、世界ラリー選手権(WRC)はグループBマシンによる激烈な戦いが展開されていた。英国フォードとしてもWRCには常に意欲的な体制で臨んでおり、ミッドシップ4WDでなければ勝てない状況に対し、ライバルたちに対抗できうるマシンを生産化した。

そのフォードが製作したマシン「RS200」は、メインモノコックの前後にスペースフレームをサブとして追加し、コクピットの背後には超軽量の総アルミ製1.8LのBDTエンジンを搭載している。

スタイリングは、当時フォードの一部門となっていたイタリアのカロッツェリア・ギアが担当し、フォードとしてのアイデンティティを確保するために、フロントウインドーはシエラの標準のものを、ドアパネルもシエラのプレスを流用している。それでも操縦性を考慮して前後オーバーハングを極端に切り詰め、全長は4mとコンパクトにまとめたシルエットは精悍そのもの。

インテリアは革巻き3本スポークのステアリング、FRP製バケットシート、ごついシフトノブなどはラリームードたっぷりで、スパルタンな雰囲気が漂っている。フロアセンターにはプロペラシャフトが通り、フロントのバルクヘッド付近にはトランスアクスルも配されて、角張ったボックスセクションが設けられている。

画像: VDO製のメーターが並ぶインパネ。シフトレバー右の赤いノブは前後トルク切換用。その奥にランプ類のスイッチが並ぶ。

VDO製のメーターが並ぶインパネ。シフトレバー右の赤いノブは前後トルク切換用。その奥にランプ類のスイッチが並ぶ。

前述のBDTエンジンはエアリサーチ製のターボチャージャーとインタークーラーも装着され、ストリート仕様とはいえ最高出力230psと最大トルク28.5kgmのパワースペックを発生する。1987年当時、谷田部の日本自動車研究所のテストコースにおける実測テストでは、7000rpmでシフトアップしていって0→400m加速は14.51秒を記録。最高速度は222.46km/hを記録し、このときのエンジン回転数は5速で6700rpm、スピードメーターは230km/hを表示していた。ブースト圧を低めに抑えていての数値なので、最高速度はまだまだ伸びそうに思えた。

ストリート仕様とはいえグループBマシンゆえ、コクピットの中はかなり騒々しい。だが4WDのおかげで直進性はきわめて良く、空力性能も良いので高速時のリフトも少ない。旋回性能は出色のレベルで、ミッドシップによる50:50の荷重配分が効いており、これでシャープなハンドリングが得られる。

ボディ剛性も高く、前後ダブルウイッシュボーンのサスペンションに、ダンパーは1輪につき2本装着されている。高度のスポーツ性能を持ちながらストリートユースにも問題なく耐えられる実用性も備える点は、十分に評価できるだろう。

画像: ルーフ後端にインタークーラーがセットされている。リアスポイラーもかなり大型のものが装着されていた。

ルーフ後端にインタークーラーがセットされている。リアスポイラーもかなり大型のものが装着されていた。

フォード RS200 主要諸元

●全長×全幅:4000×1750mm
●ホイールベース:2530mm
●重量:1050kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1803cc
●最高出力:230ps/6000rpm
●最大トルク:28.5kgm/4500rpm
●燃料タンク容量:74+42L
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:225/50VR16

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