クラスでは唯一だったFRレイアウトに終止符を打ち、ついに横置きエンジンのFFベースにスイッチしたBMW3代目1シリーズ。FF化によるノーズの短縮とキャブフォワードで室内空間や荷室容量は確実に広くなっている。パワートレーンは、118iが140psの1.5L 直3ターボ+7速DCT、M135i xDriveには、306ps/450Nmの2L直4気筒ターボ+8速ATが搭載されている。今回は新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」から、M135i xDriveの試乗テストの模様をお届けしよう。

FFベースでもBMWらしい走行フィール

3代目となった新型1シリーズにおける最大の話題は、駆動方式がタテ置きエンジンのFRから、横置きエンジンのFFベースになったことだ。なぜならCセグメントの5ドアハッチバックで唯一、FRを採用していたことが、従来の1シリーズにおける強烈な個性だったからだ。

ではFFにスイッチしてどう変わったのだろうか。FR時代の1シリーズが操縦性の素直さで定評を得ていたが、FF化で重量配分は前寄りとなり、これにともなってハンドリングもアンダーステア傾向になることが予想された。

しかし、BMWはこれに対処すべく、「ARB」という新しいタイヤスリップコントロールシステムを採用している。これはエンジンコントロールユニットで直接スリップを感知して、駆動力制御を行うというもの。DSC経由と比較して3倍の速度でトラクション制御ができるため、アンダーステアの大幅な低減が可能だという。

実際に走らせても新型1シリーズは実によく曲がるクルマに仕上がっている。ただ、FR時代の凜と澄んだステアフィールまでは望めないのも事実だ。

乗り心地も少し硬めに感じられた。BMWのFFプラットフォームは前寄りのフロア剛性の関係なのか、時に前輪がドタつく印象を受けるが、新型1シリーズでもその傾向は感じられた。

2Lターボを搭載するM135i xDriveは、このボディに306psということで、さすがにパンチが効いていて強力。低音を強調したエンジンサウンドも迫力を醸し出している。ただ、FR時代の気持ち良さは正直薄れており、時代の流れなのはわかっているのだが、ちょっとした喪失感も覚える。(文:石川芳雄/新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」より)

画像: FFレイアウトのプラットフォームを採用しながらも、リアホイールを強調するような力強いシルエットをまとい、端正なスタイリング実現している。

FFレイアウトのプラットフォームを採用しながらも、リアホイールを強調するような力強いシルエットをまとい、端正なスタイリング実現している。

BMW M135i xDrive 主要諸元

●全長×全幅×全高:4355×1800×1645mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1580kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:306ps/4500-6250rpm
●最大トルク:450Nm/ 1750-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:50L
●WLTCモード燃費: 12.0km/L
●車両価格:630万円

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