2010年のインターモトで登場して以来、世界中で絶賛されたNinja1000。12月には日本での発売が始まったが、あまりにも注文が殺到し納車待ちで買えないライダーが溢れたという。今年でちょうど10年となるモデルの歴史を振り返ってみよう。

TEXT:太田安治

ロングランでも充実感のある濃厚な走りを味わう

神戸から東京まで一気に疾走テスト

Ninja1000はリッターバイクが求められた新たな充実感を教えてくれるオートバイだった。元来のスポーティさに加え、高速道路でのウインドプロテクション性能や快適性などは支持を集める大きな理由のひとつだ。

画像: KAWASAKI Ninja1000 (2010) ●最高出力:136PS/9000rpm ●最大トルク:11.2㎏-m/7500rpm ■価格:123万9000円/130万2000円(ABS)■発売時期:2010年12月(ABSは2011年1月)

KAWASAKI Ninja1000 (2010) ●最高出力:136PS/9000rpm ●最大トルク:11.2㎏-m/7500rpm ■価格:123万9000円/130万2000円(ABS)■発売時期:2010年12月(ABSは2011年1月)

日本の速度域でも味わえる「操る」楽しさと充実感

ツーリングでの現実的な速度域は、一般道で40〜70㎞/h、高速道路なら80〜120㎞/hあたりだろう。しかし、ニンジャ1000/Z1000SXのメインマーケットである北米やヨーロッパでは、常用する速度域が日本よりも3〜5割ほども高い。

となれば「日本ではオイシイところを味わえないのでは?」と気になるだろうが、心配は無用。ニンジャ1000の守備範囲には日本の交通環境もしっかり含まれているからだ。

画像1: 日本の速度域でも味わえる「操る」楽しさと充実感

市街地でありがたいのが発進時の力強さ。アイドリング回転のままスルスルと動き出し、ズボラなアクセルワークにもフワリと優しく応えてくれる。同様にアクセルを閉じたときの反応も優しく、ギアの位置に関係なくスムーズ。これならタンデム時にパッセンジャーにかかる負担も少ないだろう。

画像2: 日本の速度域でも味わえる「操る」楽しさと充実感

また、低速時の取り回しは車重値以上に軽く感じる。CB1300やバンディット1250Fの重厚さとは対照的で、ヒラヒラ、とまでは言わないが、混雑した街中でも文字どおりスイスイ走れてしまう。峠道を含んだ一般道路でもオートバイを操っている充実感が濃くて飽きない。これはニンジャ1000の大きな魅力だ。

とはいえ、このニンジャが最も得意なのは高速クルージング。常用する80〜120㎞/hでは不快な振動は一切出ないし、前後サスペンションが落ち着いた動きをして、道路の継ぎ目を超えるときのショックもきれいに吸ってくれる。シートの形状と肉厚も長時間ライディング向きだ。

可変式スクリーンの効果は高速クルーズで発揮される

画像1: 可変式スクリーンの効果は高速クルーズで発揮される

ベースモデルであるZ1000との大きな違いの一つがフルカウルの装備だが、100㎞/hを超えたあたりから如実な差が現れる。可動式スクリーンを最も寝かした状態で風が当たるのはみぞおちより上、引き起こすと首元から上になる。おかげで外気温10℃以下の試乗日でも寒さは感じなかった。加えてサイドカウル形状の恩恵で、膝を中心とした脚も冷えない。

ただしスクリーン幅はさほど広くないので、引き起こした状態でも両肩には風が当たる。上半身を揺すられるほどではないが、本格的なツアラーモデルとは決定的な差があるのは事実。個人的にはほとんど風を受けない大型スクリーンより、ある程度は風を楽しめるほうが好みだが…。

6速・100㎞/hのクルージングでのエンジン回転数は約4200回転。このクラスのオートバイとしてはショートだが、前述したように不快な振動がないし、吸排気音や風切り音も静かなので「回ってる感」は希薄。6速をクルージング用と割り切り、もっとロングに設定してもいいようにも思うが、このエンジンが力強さを増すのは4000回転から。シフトダウンなしで充分な追い越し加速を得るためのセッティングなのだろう。

画像2: 可変式スクリーンの効果は高速クルーズで発揮される

エンジンのスペック値はZ1000と変わらないが、中回転域以上でのレスポンスがSSモデルのように鋭く、3速でもフロントが浮き上がるZに対し、ニンジャはツーリングユースに合わせてピックアップの角を丸めた特性。とはいっても回転域による表情変化はCBやバンディットには無い魅力。繰り返すが、ニンジャ1000は「操る充実感」に満ちたオートバイなのだ。

画像3: 可変式スクリーンの効果は高速クルーズで発揮される

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