Z900RSのデビューから約半世紀、カワサキが大排気量スポーツバイクのあるべき姿として常に世に問うてきた〝Zの系譜〟。その最新の形として2020年モデルで姿を現したのが「Z H2」だ。3月末に国内販売情報が発表され、早くも4月4日からカワサキプラザ・ネットワークで販売開始された。その成り立ちについて簡単に解説しよう。
画像1: カワサキのスーパーネイキッド「Z H2」は何がすごいのか? エンジン・フレーム・装備を解説画像2: カワサキのスーパーネイキッド「Z H2」は何がすごいのか? エンジン・フレーム・装備を解説

目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド

画像: カワサキ Z H2 総排気量:998cc/メーカー希望小売価格(消費税10%込):189万2000円/発売日:4月4日(土)

カワサキ Z H2

総排気量:998cc/メーカー希望小売価格(消費税10%込):189万2000円/発売日:4月4日(土)

カワサキが公式に「技術の粋を結集しモーターサイクルの あるべき姿を具現化した革新的ニューモデルであり、まさに究極と呼ぶに相応しい存在」であるというZ H2。その最大の特徴はやはりスーパーチャージドエンジンの採用といえるだろう。

スーパーチャージドエンジンといえば、2017年に最新技術を結集してデビューさせた規格外のスポーツモデル・ニンジャH2で採用され、その強烈な動力性能が世界中から注目を集めたのは記憶に新しい。

画像: カワサキNinja H2 SX SE(2020年モデル)

カワサキNinja H2 SX SE(2020年モデル)

確かにニンジャH2はスーパーチャージャーで怒涛の加速性能を実現したわけだが、カワサキが目指したのはその驚異的なパフォーマンスを、より多くの人に深く知って余すところなく楽しんでもらうことにあった。そのため、ニンジャH2のエンジンも年を重ねる毎に熟成が進められていった。

こうしてスーパーチャージドエンジンの完成度を高めていった結果、ついに「十分なパワーと扱いやすさ」という矛盾する2つの命題を両立することが可能になったことで、ついにスーパーチャージドエンジンが伝統のZブランドにも採用されることになった。そうやって誕生したのがZ H2というわけだ。

画像1: 目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド

そのエンジンはニンジャH2譲り。どうしてもエンジンが大きく重くなってしまう大排気量化ではなく、コンパクトな1000ccの水冷直4エンジンをスーパーチャージャーで過給することで、自然吸気エンジンでは味わえない圧倒的な加速を実現。

カワサキのモーターサイクルカンパニーだけでなく、航空宇宙システムカンパニー、エネルギー・環境プラントカンパニー、技術開発本部との綿密な共同開発によるバランス型スーパーチャージドエンジンは最高出力は147kw(200PS)/11000rpm、最大トルクは137N・m(14.0kgf・m)/8,500rpm。

その数字以上に、電子制御スロットルとFIのセッティングを煮詰めることで、パワーバンドが幅広く、あらゆる回転域で力強い加速感を得られるパワー特性をカワサキは実現させた。しかも、間もなく導入されるEURO5排ガス規制に先行対応を果たす優れた環境性能まで備えている。

画像: Z H2とNinja H2 SXの出力・トルク特性の比較グラフ

Z H2とNinja H2 SXの出力・トルク特性の比較グラフ

Z H2の車体は、スーパーチャージドエンジンによって実現される高速走行でも揺るがない安定性と、市街地からワインディングまでスポーティに走れるハンドリングを兼ね備えることを要求される。そのために専用設計のトレリスフレームを採用。

コンパクトな造りの中に、さまざまな走行状況でも意のままに操ることができるように「しなやかさ」と「逞しさ」を高次元でバランスさせてるために、サイズや形状の異なる高張力鋼パイプを組み合わせてフレーム各部位で異なる最適な強度バランスを調整、ハイパワーや高速走行での負荷を受け止めるための剛性と、軽快さをもたらす柔軟性を両立。

ネイキッドモデルならではの軽快さを得られるディメンジョン設定、ハイグレードなSHOWA製サスペンション、ブレンボ製モノブロックキャリパーも採用するブレーキシステムと合わせ、操縦性の面でも速さと扱いやすさがバランスしている。

画像2: 目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド
画像3: 目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド

現代のスポーツバイクに欠かせない、多方面からライダーを支援する先進の電子制御デバイス。Z H2にももちろん搭載されている。その中核となるのはボッシュ社製のIMU(慣性計測装置)で、前後、左右、上下、3方向の加速度と、ロー ルとピッチを計測。

さらにECU内のカワサキ独自のソフトウエアでヨーの動きも計算して得られた、6自由度の車体姿勢データをもとに、従来よりもさらに緻密な車体の状態予測が可能となった。

画像4: 目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド

KTRC(カワサキトラクションコントロール)とパワーモードの各電子制御と連携したモードセレクト機能であるインテグレーテッドライディングモードや、エンジンとシャーシの総合マネージメントパッケージでライダーが意図するラインをトレースできるようサポートするKCMF(カワサキコーナリングマネージメントファンクション)など、単に制御が緻密になっただけでなく、その高機能化は想像を絶するレベル。

画像: メーターはTFTカラー液晶。

メーターはTFTカラー液晶。

さらにローンチコントロール、クイック・シフター、クルーズコントロール、Bluetoothでつながるスマートフォン接続機能まで装備される。

画像5: 目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド

スタイリングは、近年のZシリーズに共通して取り入れられているデザインコンセプト「SUGOMI&Minimalist」がベース。低く構えた猛獣を思わせるフォルムや、車体左側に設けたエアインテークダクトによる非対称デザインが、SUGOMIデザインらしい強烈な個性を主張。

コンパクトにまとまったフォルムは、機能を追い求めたMinimalistデザインによるもので、シンプル化とダウンサイジングを推し進めて生まれた美しさ。

画像6: 目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド

一方で、新開発の鉄製トレリスフレームとアルミ製ピボットプレートは、そして忘れてならないのがリバーマーク。

スーパーチャージドエンジン搭載モデルだけに装着を許された特別な印であり、フラッグシップであることをアピールするZ H2のアイデンティティの証だ。

画像7: 目指したのは、パワフルで扱いやすいネイキッド

文:小松信夫

画像: 2020 Kawasaki Z H2 youtu.be

2020 Kawasaki Z H2

youtu.be

カワサキ「Z H2」主なスペックと価格

全長×全幅×全高2085×810×1130mm
ホイールベース1455mm
最低地上高140mm
シート高830mm
車両重量240kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量998cc
ボア×ストローク76.0×55.0mm
圧縮比11.2
最高出力147kW(200PS)/11000rpm
最大トルク137N・m(14.0kgf・m)/8500rpm
燃料タンク容量19L
変速機形式6速リターン
キャスター角24.9゜
トレール量104mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C (58W)・190/55ZR17M/C (75W)
ブレーキ形式(前・後)320mmダブルディスク・260mmシングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込)189万2000円
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