2019年の東京モーターショーの展示車で伊藤真一さんが、最も気になっていたのが新型アフリカツイン。シリーズでもっとも高価な仕様の「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT」を全方位からチェック!
語り:伊藤真一/まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川忍/モデル:大関さおり
画像1: 伊藤真一さんがホンダ「CRF1100L アフリカツイン Adventure Sports ES DCT」を初試乗! 乗り心地のインプレ&最新装備の特長を解説【ロングラン研究所】(2020年)画像2: 伊藤真一さんがホンダ「CRF1100L アフリカツイン Adventure Sports ES DCT」を初試乗! 乗り心地のインプレ&最新装備の特長を解説【ロングラン研究所】(2020年)

電子制御サスペンションの仕上がりには驚き! 動きと乗り心地、モードセレクト、文句の付けようがない。

画像: ホンダ CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission ■総排気量:1082cc ■ 最高出力:102PS/7500rpm ■ 最大トルク:10.7kg-m/6250rpm ■ 価格:205万7000円(DCT)

ホンダ CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission

■総排気量:1082cc ■ 最高出力:102PS/7500rpm ■ 最大トルク:10.7kg-m/6250rpm ■ 価格:205万7000円(DCT)

新型アフリカツインの試乗は、昨年秋の東京モーターショーで展示車を見たときから楽しみにしていました。従来型のアフリカツインも自分のお気に入りバイクランキング上位のモデルでしたので、新型がどれくらい良くなったのか、早く確かめたかったです。

画像: 東京モーターショー2019で各部の細かい部分までチェックしていた伊藤真一さん。 www.autoby.jp

東京モーターショー2019で各部の細かい部分までチェックしていた伊藤真一さん。

www.autoby.jp

今回の試乗は正月休み明けの時期に行いましたが、秋のショーで公開されてから発売まで長く待たされることなく、すぐに発売されたのは驚きました。新型を楽しみにしていた人には、とても有難いことだと思います。

試乗は都内から茨城方面へ、市街地、高速道路、そしてオフロードなど様々な状況のなかで行いました。まず新型に乗って最初に思ったのは、新型アフリカツイン・アドベンチャースポーツESに採用されている電子制御サスペンションの仕上がりの良さですね。前後のサスペンションがすごく良く動いて、乗り心地がべらぼうに良いです。

足着き性を良くしようとしてサスペンションストロークを減らしてローダウンにすると、オフロード上級者の方はジャンプで底付きすると不満を言うかもしれませんが、この電サスはハード、ミッド、ソフト、オフロード、そして好みに合わせて調整できるユーザーの5つのモードをスイッチ操作ひとつで変更できるわけですから、文句のつけようがないです。

サスの制御には6軸IMU(慣性センサー)が使われていて、電子制御されている感じがしない自然なフィーリングでした。

ローダウンといえば従来型では、自分は断然スタイリング的にはローダウンでない方が好みでした。しかし、新型はローダウンなのに見た目が従来型ほどローダウンしている感じを受けないですね。

従来型はベターっと低い見た目の印象でしたが、新型はその低さに違和感を覚えない。とてもスタイリングのまとまりが良いな、と思いました。足着き性を考えるとローダウンを選びたいけど、スタイリングが…という方にとって、新型のスタイリングの良さは嬉しい点でしょうね。

スタイリングのイメージは基本的に従来型を踏襲していますが、新型は全体にかなりコンパクトに引き締まった形になっていて、実際に車重がより軽いこともあり、取り回しの扱いが非常に楽になっています。細部の仕上げについても、質感が大幅に向上しているのが印象に残りました。

ヘッドライト下にはコーナリングライトを採用。バンク角に応じて3段階に照射範囲が切り替わる。

高速道路でのハイスピード・クルージングでも至って安定。その総合走行性能はオンロード主体の大型ツアラーにも匹敵!

新型はフレームやエンジンなどを一新していますが、とことん従来型よりも新型を良いバイクに仕上げようとした開発者たちの熱意を感じます。

従来型をこの連載で取り上げたときにも、大容量の燃料タンクを満タンにしても腰高感を感じさせないところに驚かされましたが、新型は電サスの採用でより重さを感じさせない乗り味になっています。また、従来型もオンロードで21インチフロントタイヤのネガをあまり感じさせないハンドリングのまとまりがありましたが、新型はさらにその印象が強くなりました。

画像: ライディングポジションの良さを保ちつつ、24リットルの大容量を確保した燃料タンクを装着。

ライディングポジションの良さを保ちつつ、24リットルの大容量を確保した燃料タンクを装着。

21インチの大径ホイールゆえの、舵が若干遅れて入るような感じはありません。チューブレスタイヤを採用したのでホイールが新設計になっていますが、ホイール剛性が上がったことも新型のオンロードでのハンドリングの良さに貢献しているんでしょうね。

高速道路での操縦安定性も良く、かなりのハイペースでも車体がピターっと安定しています。元々オンロード寄りに作られた大型アドベンチャーモデルやツーリングモデルに、オンロードでの走行性能が近づいていると思いました。

画像: 高速道路でのハイスピード・クルージングでも至って安定。その総合走行性能はオンロード主体の大型ツアラーにも匹敵!

前後ブレーキは、フロントは指一本でちょうど良いと思えるくらい、制動力にもコントロール性にも不満を感じることはありませんでした。従来型のDCTに乗ったときは、Uターンをするときにスクーターのように左手のレバーでリアブレーキを操作できれば良いのに、と思いました。でも新型のDCTに関しては、そのように思うことはなかったですね。

画像: 排気量を上げながら、旧型よりも2.2kgの軽量化(DCTモデル比)を果たした新型エンジンを搭載。

排気量を上げながら、旧型よりも2.2kgの軽量化(DCTモデル比)を果たした新型エンジンを搭載。

これは新型のIMUを使ったDCTと、電子制御スロットルのセッティングの良さのおかげでしょう。従来型はUターン時に、場合によってはリアブレーキをずっと踏んでいたいというときもありましたが、新型はゼロ発進時からのスロットル操作に対する駆動の「つながり」が良いので、リアブレーキを踏む操作があまりいらなくなりました。

ABSはちょっと作動するのが早いかな、とも感じましたが、オンロードやオフロードなどモード選択式なのでシチュエーションに合わせて切り替えられますし、ABSが作動しているのがわかりやすいのは好印象でした。

モード切り替えが可能なABSを採用。選択モードにより、リアのABSをオフにすることも可能だ。

新しい1100㏄の2気筒エンジンは、Uターンのしやすさの話でも触れましたが、極めて低い回転域でも燃料噴射の制御が素晴らしくて、全くノッキング感がなかったですね。新型はIMUを使い、非常に細かい制御をしているのが、いろいろな部分で走りの質感を向上させています。

DCTも、10年前に初採用されたVFR(1200F)やNC700系のDCTに比較すると、はるかに進化していますね。変速のつながりが良くなって、変速時のショックも感じさせません。

四輪高級車の自動変速は、上り坂と下り坂でシフト感が随分変わるじゃないですか? 新型のDCTはそれに似ており、バイクは絶対マニュアル派(笑)の自分も、感心させられました。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.