007シリーズ最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」は6代目ボンド=ダニエル・クレイグ版の最終章と監督のケイリー・ジョージ・フクナガも豪語。007シリーズを全く新たなものにしたクレーグ版の前4作を、そしてそもそもジェームズ・ボンドとはどんな人物か?を振り返っておきましょう!(基本講座解説:紀平照幸/デジタル編集:スクリーン編集部)

ジェームズ・ボンド基本講座

皆さんジェームズ・ボンドってどんな人物かご存知でしょうか?そもそも彼はいかなるエージェントなのか。知っておきたい基本知識をお教えしましょう。

画像: ジェームズ・ボンド基本講座

そもそもジェー ムズ・ボンドとは何者?

イギリスの作家イーアン・フレミングが作り上げたキャラクター。初登場は年発表の小説『カジノ・ロワイヤル』で、その名前はフレミングの愛読書だった『西インド諸島の鳥たち』を執筆したアメリカの鳥類学者ジェームズ・ボンドからとられている。

ボンドの所属は?

英国秘密情報部MI6(実在)の中にある〝課〞に所属する諜報部員。の称号を持つものは、作戦行動中の殺人が認められる〝殺しのライセンス〞を保有。メンバーは引退したり殺されたりすると他の者にナンバーが受け継がれる。007=ボンドはその中でも最高の腕利きで、上司Mの切り札的存在。ちなみにMI5が国内の防諜を、MI6が海外の情報収集や情報工作を担当しており、ボンドの活躍場所が海外ばかりなのはこれが理由。表向きの彼の顔は、MI6のダミー会社であるユニバーサル貿易の社員。

ボンドの年齢は?

原作では年代の後半から情報部の仕事を始め、従軍経験もあることから、1920年前後の生まれと推測され、30代後半から40代前半と思われる。

映画ではショーン・コネリーが31歳で、ジョージ・レーゼンビーが29歳、ロジャー・ムーアが45歳、ティモシー・ダルトンが42歳、ピアース・ブロスナンが41歳でそれぞれ初のボンド役を演じている。ここまでは演じる人が違っても基本的には同一人物という設定(年を取らない「サザエさん」方式)で描かれていたが、ダニエル・クレイグの就任によってすべてがリセットされ、ボンドは1968年4月8日生れということになった(クレイグは同年月日生れなので、ボンドと同年齢。就任時は38歳だった)。

ボンドになったかもしれない俳優たち

ボンドと言えばショーン・コネリーの印象が強いが、原作者がイメージしていたのは俳優のデヴィッド・ニーヴン(後に1967年版「カジノ・ロワイヤル」で老ボンドを演じることになる)と作曲家のホーギー・カーマイケル。映画化の際には製作者アルバート・ブロッコリの友人だったケイリー・グラント(「北北西に進路を取れ」)に決まりかけたことがある。しかし、グラントはシリーズものに出る気がなかったため、最初からシリーズ化を目論んでいたスタッフと意見が合わず実現することはなかった。

ジョージ・レーゼンビーの降板後、「ダイヤモンドは永遠に」の時に三代目ボンド探しが行なわれ、アメリカ人のジョン・ギャヴィン(「サイコ」)に一度は決定したことがある。しかしショーン・コネリーが『もう一度ボンド役に復帰してもいい』と言ったためにギャヴィンのボンドは流れた。それでも正式契約後だったためギャヴィンには規定のギャラが支払われている。

ボンドの敵は?

原作は1950年代の東西冷戦下で描かれたため、主な敵はソ連(当時)の秘密組織スメルシュ。この名は〝スパイに死を〞を意味し、様々な事件の黒幕として西欧社会を脅かした。1960年代に入るとスメルシュに代わって国際犯罪組織スペクターが登場する。

映画では1作目の「ドクター・ノオ」からスペクターが登場。2作目「ロシアより愛をこめて」、4作目「サンダーボール作戦」、5作目「007は二度死ぬ」、6作目「女王陛下の007」、7作目「ダイヤモンドは永遠に」でボンドと対決する。以降は、訴訟問題(「サンダーボール作戦」の共同プロデューサーが、スペクターの名前の使用権をめぐって訴えてきた)もあってスペクターは姿を消していたが、ご存じの通り、クレイグ版の「スペクター」でついに新たな形での登場を果たした。

ボンドの女性関係

原作でも映画(クレイグ版)でもボンドが初めて愛した女性はヴェスパー・リンドで、この悲恋は長く引きずることになる。原作版のボンドはかなり惚れっぽく、いろいろな女性との関係をこじらせたことも。

旧シリーズでは当初シルヴィア・トレンチというガールフレンドをレギュラー化しようとしたようだが作で姿を消し、同じ女性が二度登場することはなかった(Mの秘書のマネーペニーは除く)。彼が唯一結婚相手に選んだのがユニオン・コルス(マフィアみたいな組織)のボスの娘であるトレーシー(テレサ)。しかし、彼女は結婚式直後にスペクターの首領ブロフェルドによって殺害されてしまった。

クレイグ版では、「スペクター」でマドレーヌ・スワンという女性と出会ったことで、ボンドは諜報部員を引退して穏やかな暮らしをすることを決意するのだが...。

ボンドの愛車

「ゴールドフィンガー」で登場したギミック満載のアストンマーティンDB5が何といっても有名。同シリーズではDBS、V8、原作はV12ヴァンキッシュ、DB10なども。「私を愛したスパイ」に登場した水陸両用のロータス・エスプリも人気を集めた。ブロスナンの時代にはBMW750iLやZ8に乗ったこともある。

ボンドの武器

ボンドのトレードマークになっているのがワルサーPPK。実は原作ではずっとベレッタを愛用していたが、ある事件の失敗からこれに変えるように命令されたもの。ワルサーP99などを使用することもある。

お酒とタバコ

バーテンダーにウオッカ・マティーニを注文する際に『ステアではなくシェイクしてくれ』と注文をつけるぐらい酒にはこだわりがあり、〝ヴェスパー〞というカクテルを考案したこともある。辛口のシャンパンも好き。タバコはヘビースモーカーだったが、最近のご時世に合わせて喫煙シーンは大幅に減っている。

ボンドの過去

旧シリーズでは彼の過去にはまったく触れられていないが、クレイグ版ではその一端が明らかになった。幼少の頃に両親を登山事故で失い、孤児となる。その後、ハンス・オーベルハウザーという人物に引き取られ、スコットランドのスカイフォールで彼の息子フランツと兄弟同然に育った。イートン校、フェスト校に学び英国海軍に入隊して海軍中佐に。その後にMI6に所属したことになっている。

ボンドの友人

CIA所属のフェリックス・ライター。ボンドがアメリカに任務で行った際のサポート役だ。後にDEA(麻薬取締局)に転出。旧シリーズでは二度この役を演じたデヴィッド・ヘディソン以外、すべて違う役者が演じていたが、新シリーズではずっとジェフリー・ライトが演じている。彼がジャマイカに隠棲中のボンドを訪ねたことから、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の物語が動き出すのだ。

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