クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第23回は「デ・トマソ パンテーラ」だ。

デ・トマソ パンテーラ(1971-1992年)

画像: 力強くシャープなボディのパンテーラは、スーパーカーブームで人気を集めた1台でもあった。

力強くシャープなボディのパンテーラは、スーパーカーブームで人気を集めた1台でもあった。

スーパーカーというと、まずランボルギーニはやフェラーリの名が真っ先に挙げられるものだが、このデ・トマソも、スーパーカーにかけた情熱と言うことでは勝るとも劣らないメーカーといえるだろう。前回に紹介したマングスタの項でも述べたが、デ・トマソ初の市販車として1964年に発表された小型スポーツカーのバレルンガは、ミッドシップ スポーツカーの嚆矢ともいうべきモデルであり、そういう意味では一歩先を行っていた感もある。

1971年にマングスタの後継モデルとして発表されたパンテーラは、米国のフォード社と手を組んで開発された。つまり、それまでのスーパーカーがハンドメイドに近かったのに対し、大量生産でコストダウンを図ったのも画期的だった。車名はイタリア語のヒョウ(英語ではパンサー)に由来する。

シャシの基本設計は、ランボルギーニでミウラなどを手がけたジャンパオロ・ダラーラだ。当時のスポーツカーの大半は、スペースフレームやバックボーンフレーム(マングスタは、これを採用していた)を主に採用していたが、パンテーラは量産性に優れたモノコック構造を採用した。ここにもフォード社の影響が見てとれる。

画像: GTSのコクピット。フルバケットはレーシーだがステアリングなどはどことなくアメリカ車を感じさせる。速度計は300km/hスケール。

GTSのコクピット。フルバケットはレーシーだがステアリングなどはどことなくアメリカ車を感じさせる。速度計は300km/hスケール。

コクピットの後ろにミッドシップ搭載されたのは、生産工場の地名から「クリーブランド」という愛称を持つフォード製の5.8L V8エンジン。動弁機構はOHVというクラシカルなものでサウンドなどの官能性能には欠けるが、低回転域からアメリカンV8らしい図太いトルクを発生した。

シャープさと力強さを感じさせるボディのデザインは、当時カロッツェリア ギアに在籍していたトム・ジャーダが手がけた。それも人気を呼び、1972年にはスーパーカーとしては驚異的な3000台近い販売実績を残している。

1973年にはハイパフォーマンスモデルのGTSが追加された。エンジンの圧縮比を11.0にアップして、最高出力330ps/最大トルク47.5kgmのパワースペックを発生。最高速度は公称で290km/h。

1970年代後半の第一次スーパーカーブームが過ぎ去ると、ほとんどのモデルはフェードアウトしていったが、パンテーラだけは改良を加えられながら生きながらえる。1991年には、マルチェロ・ガンディーニが手がけたスタイリングにビッグマイナーチェンジされ、スーパーカーとしては異例の20年以上もの長寿を保ったのも特筆すべき点であろう。

画像: リアビューはシンプル。エンジンフードの開口部が大きいのも特徴。後方視界もこの手のクルマとしては悪くない。

リアビューはシンプル。エンジンフードの開口部が大きいのも特徴。後方視界もこの手のクルマとしては悪くない。

デ・トマソ パンテーラ GTS 主要諸元

●全長×全幅×全高:4270×1830×1100mm
●ホイールベース:2515mm
●重量:1420kg
●エンジン種類:90度V8 OHV
●排気量:5763cc
●最高出力:330ps/6000rpm
●最大トルク:47.5kgm/3500rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前185VR15、後205VR15

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.