映画史に残る「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF))」3部作はなぜここまで長くファンに愛されるのか?3作それぞれの見どころを紐解いてみましょう。(文・田中雄二/デジタル編集・スクリーン編集部)

世界的な大ヒットを記録してタイムトラベル映画の歴史を塗り替えた第1作
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)

全米で『フューチャー現象』ともいうべきブームを巻き起こした

画像: SCREEN 1985年9月号より

SCREEN 1985年9月号より

1985年、高校生のマーティは、親友のブラウン博士が発明したタイムマシンの実験に駆り出される。ところがテロリストの襲撃に遭い、マーティは図らずも年前の1955年にタイムトラベルしてしまう。そこで彼は、若き日のブラウンや、まだ高校生だった両親と出会い、彼らを結びつけるために奮闘するが...。

30年の時間差が醸し出す面白さを描いた本作は、1980年代に流行した家族の絆の再生劇と、年代を舞台にした青春ものという、二つの要素を併せ持っていた。その結果、幅広い層にアピールし、全米で「フューチャー現象」と呼ばれる一大ブームを巻き起こした。

主なキャストは、主人公マーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)、彼の母ロレイン(リー・トンプソン)、父ジョージ(クリスピン・グローヴァー)、恋人のジェニファー(クローディア・ウェルズ)、敵役のビフ・タネン(トーマス・F・ウィルソン)、そして、ドクことエメット・ブラウン博士(クリストファー・ロイド)。フォックスとロイド以外は無名の若手たちが起用され、彼らはメーキャップの力を借りて、同一人物の若き日と中年を演じ分けた。

マーティ役は、エリック・ストルツが途中降板したため、テレビドラマ「ファミリータイズ」に出演していたフォックスに白羽の矢が立った。カナダ出身で当時歳だった彼は、ジーンズにスニーカー、ダウンベスト(1955年では救命胴衣に間違われる)というスタイルで、小柄な体格を生かして俊敏な身のこなしを披露しながら、親しみやすい等身大のヒーロー像を構築し、一躍人気者となった。

また、本作の主題歌「パワー・オブ・ラブ」(ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース)は全米1位を獲得。後にフォックスが出演した日本のCMでも、この曲がバックに流れた。一方、アラン・シルヴェストリが作曲したテーマ音楽は、日本では今でもテレビのバラエティ番組の効果音楽などで時折耳にする。これらはいかに本作の音楽が強いインパクトを与えたかの証でもある。

さて、監督のロバート・ゼメキスと脚本のボブ・ゲールのコンビは、本作の製作者スティーヴン・スピルバーグの『1941』(1979年)の脚本で映画界にデビューしたのだが、本作もまた、細部まで凝りに凝った脚本のうまさに思わずうならされる。現在と過去の描き方やつながりに全く無理がないし、時の隔たりが作り出すおかしさをストーリー内に巧みに取り入れているからだ。

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