フランス恋愛映画の金字塔といわれる『男と女』が世界的大ヒットとなったのは、1966年のこと。第2弾を経て、ついに第3弾としての『男と女 人生最良の日々』が誕生。監督を筆頭に主演男優・女優共に80代で、その後の二人の愛の行き先と人生を映し出した珠玉の力作です。昨年の横浜フランス映画祭のプレミア上映のため来日したクロード・ルルーシュ監督に、この作品と映画づくりについて素敵なメッセージをいただきました。(※トップ写真 クロード・ルルーシュ監督/撮影:安井 進)

大人のための恋愛スタイルを見せつけた『男と女』

「フランス映画が好きでね……」とおっしゃる、それもある程度の大人の方々のお気に入りの一本として、今もその名を挙げられるのが『男と女』(1966)。大人の男と女の恋愛映画として、圧倒的に熱愛された存在です。

カンヌ映画祭の最高賞パルムドールに輝き、アカデミー賞でも最優秀外国語映画賞を獲得した名画中の名画となりました。惜しくも2018年に逝去されたフランシス・レイが作曲した「ダバダバダ……」というスキャットが印象的な、あのテーマソングを聴けば、フランス通でなくても、誰もが思い出すことでしょう。

ことほどさように、映画を観た男女は当時、みんな恋をしたくなった!それくらい流行ったし、時代の雰囲気ともマッチして、大人の恋愛スタイルの金字塔となったのです。クロード・ルルーシュ監督と主演のジャン=ルイ・トランティニャン、アヌーク・エーメも一挙にスター的存在として世界中に名を馳せました。

フランス映画って、こういうものだというブランディングを築いた作品数あれど、『男と女』は殿堂入りして不滅の存在でもありました。

その後、ルルーシュ監督は1977年に第2弾を監督して、変わらないエーメの美しさやトランティニャンのダンディさは輝かせたものの、自ら製作・監督・脚本・撮影をして完成させたという第一弾の作品のパワーを超えられなかったようです。ある意味、『男と女』の誕生は衝撃的とも言える完成度でしたから。

53年後のルイとアンヌの再会がもたらす、新たな二人の日々とは

画像1: 53年後のルイとアンヌの再会がもたらす、新たな二人の日々とは

そして、なんと53年後となる昨年、第3弾が生まれた!という、これぞまさしく天からのプレゼントというしかない「事件」が起きたのです。監督82歳、トランティニャン89歳、エーメ87歳という、第一弾と同じ顔合わせで、その後の『男と女』を作り上げたというのですから、これぞまさしく奇跡の映画というしかない。『男と女人生最良の日々』は、最初の作品を観ている人も、観たことのない人もすべての男と女にとっての、今観るべき映画。人生が楽しく思えるようになる、絶対のお勧めです。

画像2: 53年後のルイとアンヌの再会がもたらす、新たな二人の日々とは

歳を重ねて老人施設に入り、記憶が確かではなくなってきた父親ルイを心配する息子アントワーヌ。父親が未だ変わらぬ思いを抱き続けているアンヌという女性の存在を知り、彼女との再会こそ父の残された日々に生きる気力をもたらすのではとの期待を込め、アンヌを探し出します。

再会を果たした二人でしたが、そこには、彼女が誰なのかも思い出せないでいるルイの姿が。見知らぬ美しいマダムとして、毎日のようにルイのもとに通うアンヌ。ある日思い出の場所ノルマンディーへとルイとともに出かけることを試みます。かつて花形のレーシングドライバーであった彼と。二人は果たして、若かりし頃のように心を通わせることが出来るのでしょうか。

画像3: 53年後のルイとアンヌの再会がもたらす、新たな二人の日々とは

しかし、間違いなく、そんな時間を共にしている二人の日々は輝いて尊いと思えるようになる。観る者に少しずつ、しかしグングンと気持ちを惹きつけていく映画の力が魔法のようで、ルルーシュ監督の衰えのない演出力には舌を巻きます。若かったあの日々の出会いで生み出された熱情とは違う、愛の形が生まれていく期待を膨らませる映像と音楽。見事というしかない出来ばえの映画。以前にもましての映画づくりに脱帽というしかないです。

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