フィニッシュまで残り少なくなった今年のダカールラリーですが、第2ステージではプライベーターのロス・ブランチがステージ優勝をして、世界を驚かせたのは記憶に新しいところです。ところが天国から地獄・・・第3ステージでブランチを待っていたのはダカールラリーならではの過酷な試練でした・・・。彼はリタイア必至ともいえる難局を、どのように乗り越えたのでしょうか?

ワークス勢を尻目に、第2ステージで優勝したダカール2年目のプライベーター

HRC(ホンダ・レーシング)とKTM/ハスクバーナのワークスライダーが熾烈な争いを繰り広げている近年のダカールラリー2輪部門ですが、1月6日の第2ステージでは世界を驚かせる波乱? がありました。

なんと、ボツワナ出身の33歳・・・プライベーターとしてダカールラリー参加2年目のロス・ブランチが、ステージ優勝常連のワークスライダーたちを相手に健闘し、ステージ優勝の栄誉を手中におさめたのです!

画像: プライベーターながらステージ優勝の快挙を果たし、多くの参加者やクルーたちにR.ブランチは祝福されます。 www.youtube.com

プライベーターながらステージ優勝の快挙を果たし、多くの参加者やクルーたちにR.ブランチは祝福されます。

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画像: 幼い頃からモトクロスなどのオフロード競技に親しんできたR.ブランチは、2019年にダカールラリーデビューという夢をかなえます。同年の大会は13位で最優秀ルーキー賞を獲得。2020年大会第2ステージ優勝については、ダカールラリー出場という夢をかなえたあと、もうひとつの夢をかなえられた! と喜びました・・・。"カラハリ砂漠のフェラーリ"の異名を持つ、南アフリカエリアの優れたオフロードライダーです。 www.youtube.com

幼い頃からモトクロスなどのオフロード競技に親しんできたR.ブランチは、2019年にダカールラリーデビューという夢をかなえます。同年の大会は13位で最優秀ルーキー賞を獲得。2020年大会第2ステージ優勝については、ダカールラリー出場という夢をかなえたあと、もうひとつの夢をかなえられた! と喜びました・・・。"カラハリ砂漠のフェラーリ"の異名を持つ、南アフリカエリアの優れたオフロードライダーです。

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しかし、第3ステージでは大きな試練が彼を待ち受けていました・・・

第2ステージを優勝したため、翌日の第3ステージはトップでスタートしたR.ブランチ。誰もまだ走っていないコースを先頭で走る喜びを彼は満喫することができました。しかしそんな喜びが続いたのは、88km地点までのことでした・・・。

画像: R.ブランチいわく「ちょっとしたミス」で転倒! 右肩、そして頭を打ったことによるダメージを彼は負うことになります・・・。 www.youtube.com

R.ブランチいわく「ちょっとしたミス」で転倒! 右肩、そして頭を打ったことによるダメージを彼は負うことになります・・・。

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転倒のダメージにより、呼吸をしているだけでも体の痛みを感じる状態にもかかわらず、R.ブランチはマシンを第3ステージのゴールへ運ぶことに挑み続けました・・・。しかし彼を待ち受けていた試練は、この体の痛みだけではなかったのです・・・。

画像: 転倒により1時間半をロスしたものの、R.ブランチは再びコースへ復帰! しかし、リアのムースタイヤのトラブルが発生し、彼は剥き出しになった後輪リムでの走行を強いられます・・・。そしてさらに・・・なんとゴールまで400mの地点で、ドライブチェーンが切れてしまうのです! www.youtube.com

転倒により1時間半をロスしたものの、R.ブランチは再びコースへ復帰! しかし、リアのムースタイヤのトラブルが発生し、彼は剥き出しになった後輪リムでの走行を強いられます・・・。そしてさらに・・・なんとゴールまで400mの地点で、ドライブチェーンが切れてしまうのです!

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SSが427kmという長丁場のスーパーマラソンステージで、次々とR.ブランチを襲う不運・・・。400mといえ、動力伝達方法を失ったラリーバイクを砂の上で押し進めることがいかに困難なことかは、オフロードにあまり縁のない方でも容易に想像できるでしょう・・・。

画像: ドライブチェーンが切れたマシンとともに、途方に暮れて立ちすくむR.ブランチでしたが、1時間ほど経過してからなんとプライベーターのファウスト・モタが、ブランチのバイクを押すことを手伝ってくれました! www.youtube.com

ドライブチェーンが切れたマシンとともに、途方に暮れて立ちすくむR.ブランチでしたが、1時間ほど経過してからなんとプライベーターのファウスト・モタが、ブランチのバイクを押すことを手伝ってくれました!

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この400mは、人生でも最もハードな場面だったとR.ブランチは振り返ります。そしてブランチを助けたF.モタは「これがダカールさ、違うかい? 良い時も悪い時も、我々は皆友達さ。(立場が逆でも)彼は私を同じように助けてくれたと信じている」とカメラに向かってコメントしました(←超カッコイイ!)。

この美しい競技者同士の友情を、ぜひ動画でご覧ください! なお第10ステージを終えた時点で、R.ブランチは23位、F.モタは31位のポジションにつけています。残る2ステージを2人が無事走り切り、完走の喜びを分ち合えることを期待したいです! 

ワークス勢の優勝争いばかり報道することに、ついつい熱心になってしまうのが我々メディアの常ですけど、取り上げるべきモータースポーツの魅力ってのは、「そこだけに」あるわけではないのですね・・・と再確認させていただきました。

気づきに感謝(笑)。なにはともあれ、モータースポーツ万歳! と思わせてくれるちょっといいエピソードでした。

画像: Dakar 2020 - Story 3 : Ross Branch - Epic Story by MOTUL youtu.be

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