2か月後の3月15日にフロリダ州デイトナビーチで開幕する2020シーズンの全米最高峰・プロダートトラックレースシリーズ = AFT: American Flattrack。昨年当コラムで何度かお伝えしてきた通り、新シーズンはその体制とレースフォーマットをガラっと変え、花形カテゴリーは現段階では"予選なし・固定メンバー制"となる模様。ビジネスモデルとしてリアルタイムの動画配信に軸足を置く昨今のレース業界的時流に乗った形?ですが、うーむAFTホントにやっちゃうか・・・ということで本日は、刻々とその姿を変貌させる本場アメリカ・プロシリーズのお話です。

ビッグマネー x ビッグチーム = ビッグシリーズ、らしいです。それ今風?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。ではさっそく新シーズンの全米選手権トップカテゴリーとなる "AFTスーパーツインズ" を全ラウンド戦う "15人" のライダーたちのリストをご覧いただきましょう。

BriggsAuto.com Racing - Davis Fisher - #67 Indian FTR750
Coolbeth-Nila Racing - Sammy Halbert - #69 Indian FTR750
Estenson Racing - JD Beach - #95 Yamaha MT-07 DT
Estenson Racing - Kolby Carlile - #36 Yamaha MT-07 DT
Harley-Davidson / Vance & Hines - Dalton Gauthier - #79 Harley-Davidson XG750R
Harley-Davidson / Vance & Hines - Jarod Vanderkooi - #20 Harley-Davidson XG750R
HCRR Racing / Ben Evans Racing - Jay Maloney - #12 Indian FTR750
HCRR Racing / Ben Evans Racing - Brandon Robinson - #44 Indian FTR750
Indian Motorcycle - Briar Bauman - #1 Indian FTR750
Indian Motorcycle - Bronson Bauman - #37 Indian FTR750
Indian Motorcycle / Rogers Racing - Jared Mees - #9 Indian FTR750
RJ Performance Racing - Robert Pearson - #27 Indian FTR750
Roof Systems of Dallas, Texas - Dan Bromley - #62 Indian FTR750
Roof Systems of Dallas, Texas - Brandon Price - #92 Indian FTR750
Vance & Hines / Harley-Davidson - Bryan Smith - #4 Harley-Davidson XG750R

こちらは今週AFTから発表されたまま転載ですが、まず注目したいのはライダー氏名より先に "チーム名" が記されていること。今シーズンから改編されるスーパーツインズクラスが、一定以上の参戦資金を確保した各 "レーシングチーム" によって争われる新たなゲームプランを強調しています。

画像: ビッグマネー x ビッグチーム = ビッグシリーズ、らしいです。それ今風?

それぞれのチームは最大2名のレギュラーライダーを参加させることが可能なルールで、インディアンとハーレーダビッドソンの各ファクトリーからは、チーム名を変えて 2 + 1 の 3 選手がエントリー。キャリアと過去の戦歴から言って文句なしでベテラン格となる #9 ジャレッド・ミース (インディアンFTR750) と #4 ブライアン・スミス (ハーレーXG750R) を "チームオーダー" の外に置き、他より自由度の高いチャンピオンシップ争いをさせようという "オトナな事情" も見え隠れします。

また15人のレギュラーライダーに加え、数戦ずつのスポット参戦を許される 3 名の "ワイルドカード" ライダーも以下のとおり発表となっています。

Happy Trails Racing - Jeffrey Carver, Jr. - #23 Indian FTR750
Laryy Pegram Racing - Larry Pegram - #72 Indian FTR750
Rackley Keeran Racing - Andrew Luker - #11 Indian FTR750

これまで明らかになった18人のマシン内訳は、インディアンFTR750 = 13台・ハーレーXG750R = 3台・ヤマハMT-07DT = 2台。ホモロゲーションで参加が許可され、また過去に実績もあるカワサキ・ドゥカティ・ホンダ・スズキなどのバラエティ豊かなラインナップを目にすることはなさそうです。

最高峰レースを長年走る実力派"プライベーター"達が蚊帳の外・・・?

古くからGNC = グランドナショナルチャンピオンシップは、予選参加総数が48台・決勝18台で距離にかかわらず25周、というのが最も知られた伝統的なフォーマットで、かつて100台のエントリーがあった場合、その半数強は予選以前 (場合によっては客入れ前とか) に行われる "予備予選" でふるいにかけられ、門前払いハイさようなら、となるのが当たり前だったようです。

ここ10年ほどはトップカテゴリーへの参加台数が徐々に減少し、シーズン後半・しかも遠隔地でのレースでは決勝台数 + 少々の寂しげなエントリー数となることもしばしばあり、今回の大ナタ的な新フォーマットが登場することになったようですが・・・。パッと見渡しても、#5 ジェイク・ジョンソン、#17 ヘンリー・ワイルス、#49 チャド・コース、#80 スティーヴ・ボンズィーなど、かつての全米チャンピオン経験者や、長年トップカテゴリーで活躍した実力者たちの名が、新たな最高峰クラスにないことには一抹の寂しさを感じます。

画像1: 最高峰レースを長年走る実力派"プライベーター"達が蚊帳の外・・・?

とはいえ選手によっては、新たなサポートクラスである市販車ベースのAFTプロダクションツインズ (インディアンFTR750不可・ハーレーXG750R可の灰色レギュレーション?) や、450ccDTXで競われるシングルスへと、戦いの場を移すライダーもいるはずです。

そして今回の変革ではレース決勝周回数も、"6〜14分 + 2周" というダートトラックカテゴリーではこれまでほとんど馴染みのない方式へと、ガラっと様変わりすることが予定されています。まぁやってみてイマイチだったらいつの間にか元フォーマットに戻ったり? かの国の常識は日本とはちょっと違ったりするみたいなので、そのあたりのトライ&エラーも見所の一つとなるかもしれませんね。

画像2: 最高峰レースを長年走る実力派"プライベーター"達が蚊帳の外・・・?

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!
次週はいよいよ当コラム100本目。今後ともご高覧よろしくお願いいたします。

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