いよいよ新しい年、令和2年が始まった。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「ダットサン サニー(210型)」だ。

ダットサン サニー エクセレント(KPB210型):昭和48年(1973年)5月発売

画像: 斜め後方視界を確保するクオーターウインドーやその間のエアダクトなどのデザインがユニーク。

斜め後方視界を確保するクオーターウインドーやその間のエアダクトなどのデザインがユニーク。

1973年(昭和48年)5月、日産自動車は「ダットサン サニー シリーズ」のフルモデルチェンジを行った。これによって210型となったサニーは、それまで持っていた豊かさのイメージに、若々しさとダイナミックなイメージを加えた。「小型乗用車の風格をもった大衆乗用車」がその開発目標だったが、その中でもエクセレント1400クーペGXは、サニーのイメージリーダー的な役割を与えられたグレードとなった。

クーペGXは、4ドアのセダンに対して、ダイナミックなプロポーションを持つロングフード&ファストバックが特徴的なスタイルとし、大きく開くリアゲートを備えている。斜め後方の視界を良好にするためのクオーターウインドーや、そこに設けられたエアダクトなど、若々しさを積極的に演出するスタイルを特徴としている。

画像: 1.4Lとなって、エンジンはA型からL型へ。SUツインキャブ装着で95ps/12.2kgmを発生。

1.4Lとなって、エンジンはA型からL型へ。SUツインキャブ装着で95ps/12.2kgmを発生。

搭載されるエンジンはL14型となった。1.4Lの直4 SOHCは、SUキャブレターの2連装によって最高出力は95ps/6400rpm、最大トルクは12.2kgm/4000rpmを発生する。このエンジンは先代の110型サニーエクセレントでも採用されており、高回転よりも粘りで走るエンジンといえた。現代の目線で見るとスポーティとは言いがたいが信頼性の高いユニットであることは間違いなかった。排出ガス規制から公害対策も行われた。HC、NOx対策として点火時期の変更などを行って厳しくなっていく規制に対応している。このあたりも結果的にはスポーティさを損なうデチューンの要素が強かったのは仕方のないところだろう。

トランスミッションは4速MTと5速MTが設定された。当時最先端のトレンドともいえる5速MTは、上級車のバイオレットで使用されていたもので、左下が1速となるレーシングパターンとなっていた。4速トランスミッションは、通常の左上が1速のパターンとなる。

画像: 独立したメーターがインパネに配されるスポーティなコクピット。5速MTも設定されていた。

独立したメーターがインパネに配されるスポーティなコクピット。5速MTも設定されていた。

ボディ構造は、モノコック方式を基本としている。ただ、単に剛性が高いというだけでなく、フロント/リアともに衝突時のエネルギーを吸収するクラッシャブル構造が採用されているのも特徴だ。合わせてコラプシブルステアリングを採用して、衝突時のドライバーの安全性を向上させた。この時代になると、フロントシートにはシートベルトとヘッドレストも標準装備になってきており、安全意識の高まりを感じさせる。

サスペンションはフロント:ストラット/リア:リーフリジッドを先代サニーから引き続き使用する。もちろんスプリングやショックアブソーバーの設定は変更されており、操縦性と乗り心地を向上させている。

サニークーペ1400GXは、当時としては良くできたクルマだったし、若者を中心に一定の支持を得た。ただサニーの目的はあくまでも打倒カローラだった。初代サニーで差を付けられた大衆乗用車の覇権をトヨタから奪うことが悲願でもあった。しかし、このサニークーペ1400GXを含む210型サニーも販売面ではカローラに勝つことはできず、逆に差が広がっていくことになったのは残念だった。

画像: 丸形6連テールランプが特徴的なリアビュー。リアエンドもわずかに逆スラント形状となっている。

丸形6連テールランプが特徴的なリアビュー。リアエンドもわずかに逆スラント形状となっている。

昭和の名車のバックナンバー

日産 サニーエクセレント 1400クーペGX 主要諸元

●全長×全幅×全高:4045×1545×1350mm
●ホイールベース:2340mm
●重量:875kg
●エンジン型式・種類:L14型・直4 SOHC
●排気量:1428cc
●最高出力:95ps/6400rpm
●最大トルク:12.2kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.15-13 4P
●価格:71万5000円

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