3年ぶりに国産車=トヨタ RAV4が受賞した2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー。1994年に登場して一大ブームを巻き起こしたRAV4は、先代となる4代目ではいったん日本市場から撤退。2019年4月より現行5代目が日本市場に復活するやいなや、ラギッドなエクステリアと先進テクノロジーで一躍大人気モデルとなった。そんなRAV4のドラマを振り返ってみる。

あまりにも斬新なコンセプトながら空前のヒットとなった初代トヨタ RAV4

それはRVブームの当然の帰結だったのか。1989年(平成元年)の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「RAV-FOUR」は、フレーム構造が当たり前だったクロカンに、あえてコンパクトな乗用モノコックボディを与えた実験的なクルマだった。

好評を博すも、市販化にGOが出るまでにしばし時間がかかり、市販プロトが登場したのは4年後の1993年。再び東京モーターショーで公開されたそれは、より乗用車テイストを盛り込んだデザインを採用し、都会でも違和感なく溶け込む洗練された佇まいが大きな話題となる。

発売は翌1994年5月。この実験的なクルマは、CMキャラクターに起用された木村拓哉の人気も後押しして若者を中心に大ヒット。海外にも輸出され、とくに欧州では現地の自動車メーカーに多大な影響を与えた。

当時はライトクロカンと呼ばれていたことが物語るとおり、シャシコンポーネンツはカローラやセリカ系を使い、車高アップのためフロア部分を新設計。搭載エンジンは2Lの3S-FE型ハイメカツインカムで、駆動方式はFFとベベルギア式センターデフを備えたフルタイム4WDをラインアップした。当初は3ドアボディのみだったが、発売翌年にはホイールベースを延長して4ドア化したRAV4Vを追加して、ファミリー層にもアピールした。

画像: あまりにも斬新なコンセプトゆえ、コンセプトカー登場から市販開始まで4年の年月が必要だった初代RAV4。

あまりにも斬新なコンセプトゆえ、コンセプトカー登場から市販開始まで4年の年月が必要だった初代RAV4。

初代のコンセプトを継承するも海外志向が見え隠れし始めた2代目

初代RAV4は海外でも大ヒット。それを念頭に置いた2代目は世界戦略車としての役割を与えられ、そのデビューの場を2000年5月のジュネーブショーに選んだ。

基本的には初代RAV4のコンセプトをデザイン・メカニズムともに発展させていたが、シャシ系は次世代にスイッチ。エンジンも一新されFFは1.8Lの1ZZ-FEに、4WD車は2Lの1AZ-FSEにそれぞれ世代交代している。

ここで触れておきたいのは、とくに海外市場からの要求で早くもボディサイズの拡大が始まったことだ。初代RAV4は当初5ナンバーサイズでスタートし、モデルライフ後半に3ナンバーボディを追加したが、2代目は全車3ナンバーボディとなっている。また、メイン車型を5ドア車に据えていたのも2代目の特徴だ。

そんなコンセプトが奏功し、海外では再び人気を博し、とくに北米市場ではトヨタブランドの躍進にひと役買うほどのヒットとなった。一方、国内でRVブームが沈静化し、代わってワゴンやミニバンへのシフトが始まったこともあって、初代ほどの成功は得られなかった。

画像: 初代のデザインイメージを踏襲しつつ2代目は全車3ナンバーとなった。

初代のデザインイメージを踏襲しつつ2代目は全車3ナンバーとなった。

画像: こちらはロングホイールベースの5ドア。

こちらはロングホイールベースの5ドア。

メインターゲットは海外市場。さらに大きくなった3代目のRAV4

当初は5ナンバーボディを基本としてスタートしたRAV4だったが、2005年11月から国内発売が始まった3代目にはもはやその面影はなく、堂々たる体躯の「世界戦略SUV」へと進化した。ボディタイプも3ドアが廃止され、5ドアモデル(ショートとロングをラインアップ)のみとなった。

シャシ系は当時世代交代を果たしたばかりのカローラ系に刷新。搭載エンジンも2.4Lの2AZ-FE型へと排気量を拡大している。

だが、国内市場でライバルが増えたこと、そして実質的な派生車であるクルーガーやその後継車であるヴァンガード、さらに上位のハリアーなど自社ブランドが狭いマーケットにひしめき合ったことなどから、トヨタはライトクラスのSUVラインアップの見直しを決断。2016年7月の生産終了をもっていったん国内市場からRAV4を撤退させる決断を下す。

画像: さらに大型化した3代目は5ドアボディに統一。初代に比べるとひとまわり大きくなった。

さらに大型化した3代目は5ドアボディに統一。初代に比べるとひとまわり大きくなった。

トヨタの世界戦略になくてはならない車種となった4代目RAV4

日本市場からいったん撤退した4代目のRAV4は、2012年11月にロサンゼルスモーターショーでデビュー。2013年1月から北米を皮切りに欧州やアジア・オセアニアなどで販売を開始した。

一方、日本ではRAV4のマーケットをハリアーでカバーする戦略が採用される。4代目RAV4、ハリアー、そして新たに登場したレクサスNXはプラットフォームを共用する実質的な兄弟車でもあった。

4代目RAV4が選んだパワートレーンは北米仕様の2AR-FE型2.5Lを頂点に、欧州では2L(3ZR-FAE)や2.2Lディーゼルもラインアップされた。さらに2015年のマイナーチェンジでは、2.5Lハイブリッドも追加されている。

画像: 4代目は日本市場から撤退し、日本市場ではその役割をハリアーがカバーすることに。(写真は北米仕様)

4代目は日本市場から撤退し、日本市場ではその役割をハリアーがカバーすることに。(写真は北米仕様)

満を持して凱旋帰国した5代目RAV4は時代の最先端を行く

空前のSUVブームにも背中を押されたのだろうか、トヨタは5代目を再び日本市場に投入する決断を下した。

この5代目はRAV4にとって再び大きなターニングポイントとなった。まず、従来はカローラ系がベースだったシャシ/プラットフォームを、よりキャパシティの大きなカムリ系の「GA-K」に改めた。さらにエンジンラインアップをダイナミックフォースと呼ぶ新世代エンジン・シリーズに刷新したほか、トランスミッションや新世代ハイブリッドシステム、次世代AWDシステム等など、すべてを刷新して基本性能を大幅にアップしている。

さらに、それらを手頃な価格で提供したところにもRAV4のDNAが引き継がれている。さらに2019年11月に開催されたロサンゼルスオートショーではプラグインハイブリッド(PHV)の「RAV4プライム」を発表。日本での2020年夏には発売を予告するなど時代の先端をひた走る。今回の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞はまさに納得なのである。

画像: 2020年夏にはプラグインハイブリッド(PHV)のRAV4プライムも国内発売される。

2020年夏にはプラグインハイブリッド(PHV)のRAV4プライムも国内発売される。

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