1980年代のクルマといえば、ハイソカー、街道レーサー、そしてボーイズレーサーが人気を博していた。この連載では、ボーイズレーサーと呼ばれた高性能でコンパクトなハッチバックやクーペたちを紹介していこう。最終回となる今回は「4代目スターレット(EP82)」だ。

トヨタ スターレット 3ドアGTターボ(EP82型・1989年12月発売)

画像: ボンネット全体がパワーバルジ風に膨らみ、インタークーラーへ冷気を導くエアスクープが備わる。

ボンネット全体がパワーバルジ風に膨らみ、インタークーラーへ冷気を導くエアスクープが備わる。

1986年(昭和61年)に発売された3代目スターレットのEP71型は「カッ飛びターボ」の愛称とターボエンジンで人気を呼び、1987年のマイナーチェンジではクラストップレベルの110psにパワーアップして「辛口ターボ」となり、さらに人気を集めた。

1989年(平成元年)12月、1980年代を締め括る1台として、スターレットは4代目にフルモデルチェンジを果たす。型式名はEP82。FF化第2世代となるEP82型スターレットは、プラットフォームこそ先代を継承するものの、高張力鋼板を拡大採用してボディの剛性を上げ、タイヤは175/60R14サイズという、このクラスとしてはワイドなものを装着し、前後トレッドを拡大してコーナリング限界を高めるなど、基本性能の底上げが図られていた。

画像: ハイメカツインカムながらDOHC化で135psにパワーアップ。ターボは速さに一段と磨きをかけた。

ハイメカツインカムながらDOHC化で135psにパワーアップ。ターボは速さに一段と磨きをかけた。

EP82型における最も大きな変更点は、ベルト駆動される吸気カムシャフトがシザーズギアを介して排気カムシャフトを駆動する、ハイメカツインカムIIと呼ぶ4バルブDOHCエンジンを新採用したことだ。先代の2E-TELU型のストローク(77.4mm)はそのままにボアを1mmアップ(73.0mm→74.0mm)して排気量は1331ccに。最高出力はNA(自然吸気)で100psだが、これに新型CT9ターボチャージャーと空冷インタークーラーを組み合わせた4E-FTE型は、最高出力は135ps/6400rpm、最大トルクは16.0kgm/4800rpmまでにチューンされている。

排気量は先代(1295cc)から36ccで25psのアップなのだから、やはり4バルブDOHC化の威力はスゴいとしか言いようがない。LOモードでは最高出力は125ps/6400rpm、最大トルクは15.0kgm/4800rpmとなる2モードターボシステムが採用されるのは、先代と同じだった。

画像: GTには写真のMOMO製ステアリングとレカロ製シートがオプション設定された。

GTには写真のMOMO製ステアリングとレカロ製シートがオプション設定された。

ただ、先代同様にターボが効き出したときのブースト圧の立ち上がりは急激で、サスペンションのキャパシティが不足気味なこともあって、コーナー出口でパワーをかけると簡単に前輪が空転した。当時の試乗記では「究極のジャジャ馬だけに、単なるエントリーカーなどと思わない方がいい」と評価されていたのが印象に残る。

1990年代に入ると、スターレットは1995年末に5代目にフルモデルチェンジ(発売は1996年)されるが、1999年にヴィッツが登場したことで販売を終了。ルーツであるパブリカを含めると、7代と38年の歴史に終止符を打った。

画像: サイズ的には旧型より全長、全幅ともわずかに大きくなったが、全高は変わらず。

サイズ的には旧型より全長、全幅ともわずかに大きくなったが、全高は変わらず。

ボーイズレーサー伝

トヨタ スターレット 3ドアGTターボ(1989年)主要諸元

●全長×全幅×全高:3800×1620×1380mm
●ホイールベース:2300mm
●重量:870kg
●エンジン型式・種類:4E-FTE型・直4 DOHCターボ
●排気量:1331cc
●最高出力:135ps/6400rpm
●最大トルク:16.0kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175/60R14
●価格:124万円

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