1980年代のクルマといえば、ハイソカー、街道レーサー、そしてボーイズレーサーが人気を博していた。この連載では、ボーイズレーサーと呼ばれた高性能でコンパクトなハッチバックやクーペたちを紹介していこう。今回は「2代目 CR-X(EF7)」だ。

ホンダ CR-X Si(EF7型・1987年9月発売)

画像: 先代同様、DOHC搭載車はボンネット上にはパワーバルジが設けられていた。

先代同様、DOHC搭載車はボンネット上にはパワーバルジが設けられていた。

AE92レビン/トレノに遅れること約5カ月、1987年(昭和62年)9月にシビック/CR-Xもフルモデルチェンジを果たす。シビックについては別の機会に紹介するので、ここでは2代目となったCR-Xについて話を進めていこう。

2代目CR-Xの車名からは「バラードスポーツ」の名は消え、単に「CR-X」となった。また、ドライバーに”サイボーグのごとき一体化を感じさせる”という意味で「サイバースポーツ」と名のった。それゆえ、2代目CR-Xはのちのち「サイバーCR-X」などという愛称で呼ばれるようになる。

画像: まさにコクピットと呼ぶにふさわしい機能美にあふれる。5速MTのほか4速ATも用意された。

まさにコクピットと呼ぶにふさわしい機能美にあふれる。5速MTのほか4速ATも用意された。

コンピュータ解析技術を駆使したボディは、先代で問題視されていた剛性をアップ。スタイリングは先代のイメージを踏襲しながらブラッシュアップし、先代よりも全幅を50mm広げ全高を20mm下げたマッシブなボディだが、Cd(空気抵抗係数)×A(前方投影面積)の値は先代の0.56を超える0.53に抑えられていたのが凄い。この効果により、モーターマガジン誌の実測テストで202.7km/hという最高速度を記録している。

Siのエンジンは、先代から採用されている1.6L DOHCのZC型。それでも圧縮比のアップ、吸排気系の通気抵抗ダウン、ピストンフリクションの低減、点火時期の最適化などの手が加えられた。その結果、ネット表示になったので最高出力は130ps/6800rpm、最大トルクは14.7kgm/5700rpmに落ちたが、実質的にはパワーアップと言えるだろう。ロングストローク(75.0×90.0mm)による分厚い中速トルクは健在で、0→400mを15.86秒で走り切る加速性能を発揮している。

画像: 5000rpmを超えてからのパワーの出方はレーシングユニットかと思えるほど強力だった。

5000rpmを超えてからのパワーの出方はレーシングユニットかと思えるほど強力だった。

シャシはホイールベースを100mm延長し、サスペンションも4輪ダブルウイッシュボーン+ガス封入ダンパーに進化した。ハンドリングはカミソリの切れ味を示し、ワインディングでは1クラスどころか2クラス上のクルマさえ凌ぐ速さを見せることもあり最強と言われたが、そのぶん限界を超えた時の修正がとてつもなく難しかったのも事実だ。

1989年9月には、B16A型 DOHC VTECを搭載したSiRを追加する。最高出力は市販NA(自然吸気)エンジンとしては驚異的な160ps/(ネット)に達し、モーターマガジン誌の実測テストで0→400m加速を15.41秒で走り切るなど、1.6L スポーツの限界ともいえる高性能ぶりを発揮して、ファンを狂喜させた。

画像: リアビューも先代のイメージを踏襲しているが少し丸みを帯びた。ウイングタイプのリアスポイラーも装備。

リアビューも先代のイメージを踏襲しているが少し丸みを帯びた。ウイングタイプのリアスポイラーも装備。

ボーイズレーサー伝

ホンダ CR-X Si(1987年)主要諸元

●全長×全幅×全高:3755×1675×1270mm
●ホイールベース:2300mm
●重量:880kg
●エンジン型式・種類:ZC型・直4 DOHC
●排気量:1590cc
●最高出力:130ps/6800rpm(ネット)
●最大トルク:14.7kgm/2700rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格:149万8000円

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