昭和は遠くなりにけり・・・だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和62年発売のスズキ アルトワークスだ。

「軽」を超えた、0→50m最速マシン

スズキ アルトワークスRS-X:昭和62年(1987年)2月発売

画像: 2トーンのボディカラーに丸型フォグランプを備えたスポイラーなど、軽自動車とは思えないスパルタンな雰囲気。

2トーンのボディカラーに丸型フォグランプを備えたスポイラーなど、軽自動車とは思えないスパルタンな雰囲気。

ダイハツ ミラとの競争による相乗効果で、軽自動車のアイデンティティを高めてきたのがスズキのアルト シリーズだった。昭和59年(1984年)9月に2代目にフルモデルチェンジされたアルトは、昭和61年(1986年)7月にマイナーモデルチェンジながら大変身。ボディのフラッシュサーフェス化など、内外装を大幅に変更。当時の軽自動車としては唯一のツインカム車を投入し、足まわりも大幅に見直された。

そして翌1987年3月に追加されたアルトワークス(FFはCA72V型、4WDはCC72V型)の搭載エンジンは、F5A型 3気筒DOHC12バルブにインタークーラーとターボを装着していた。最高出力は64ps、最大トルクは7.3kgmというパワースペックで、わずかながらミラ ターボを凌ぐ軽自動車最強ユニットであった。このパワーユニットの登場が、軽自動車の最高出力に64psという自主規制値が設定される発端となったと言われている。

画像: F5Aターボの過給圧は0.9kg/平方cmとワークスレーシングカー並みの高さだった。1万rpmまで一気に吹け上がるユニットだ。

F5Aターボの過給圧は0.9kg/平方cmとワークスレーシングカー並みの高さだった。1万rpmまで一気に吹け上がるユニットだ。

スタイリングも、普通のアルトとアルトワークスでは、エアロパーツや大型フォグランプなど、パッと見からかなり異なるもので、いかにも走りそうなカラーリングと大型のエアロバンパー、サイドステップ、ルーフエンドスポイラーが目を引いた。また、ワークスのボンネットにはインタークーラー用のエアインテークが付けられた。

ワークスにはフルタイム4WDバージョンのRSーRも設定された。最高出力/最大トルクとも2WD版と同一だが、こちらの方がワークスのフルパワーを引き出せるといった感がある。2WDに比べて車重は40kg増。価格は10万5000円高の109万円であった。

画像: 4本スポークの極太革巻きステアリングがスポーツ心をくすぐる。フロントには非対称のフルバケットシートが装着される。

4本スポークの極太革巻きステアリングがスポーツ心をくすぐる。フロントには非対称のフルバケットシートが装着される。

1990年2月のマイナーチェンジでは、軽自動車の新規格に対応してエンジン排気量を657ccに拡大し、ボディ全長は100mm長くなった。F6A型となったエンジンは、最大トルクを大幅にアップ(7.3kgm→8.7kgm)し、最高出力も前述のように自主規制による64psを6500rpmで達成した。

さらに同年7月にエアコンや電動パワーステアリングなどを標準装備したスペシャルブランドのターボ i.e.が追加された。

このアルトワークスの登場以降、ユーザーのスポーツ化志向のあおりを受けて、ダイハツのミラ ターボ、三菱のミニカ ダンガンなど、一連のハイパワーKカーのブームが起きることになる。

画像: リアウインドーを取り囲むスポイラーやデュアル出しのテールパイプなど、リアの雰囲気も迫力満点。

リアウインドーを取り囲むスポイラーやデュアル出しのテールパイプなど、リアの雰囲気も迫力満点。

スズキ アルトワークスRS-X 主要諸元

●全長×全幅×全高:3195×1395×1380mm
●ホイールベース:2175mm
●重量:610kg
●エンジン型式・種類:F5A型・直3 DOHCターボ
●排気量:543cc
●最高出力:64ps/7500rpm
●最大トルク:7.3kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:145/65R13
●価格:98万5000円

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