9月21日にアメリカ・ミネアポリス近郊で開催された全米プロダートトラック選手権 = AFTの第19戦 "ミネソタ・マイル" にて、トップカテゴリーAFTツインズの2019シリーズチャンピオンが最終戦を待たずに決定! 決勝レースに勝利したジャレッド・ミーズをシリーズポイントで上回ったのは、今期インディアンファクトリー = レッキングクルーに加入した、24歳のブライアー・バウマンでした!

インディアンファクトリーのブライアー・バウマン(24)が初のAFT王者に!

画像: インディアンファクトリーのブライアー・バウマン(24)が初のAFT王者に!

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。ブライアー・バウマンはカリフォルニア州サリナス出身の24歳。2011年にプロ入りし、昨年は最高峰AFTツインズでトップ10フィニッシュも当たり前と期待されるほどの実力者に。

2017シーズン後にはJD・ビーチと共にスペイン・バルセロナのスーパープレスティジオ・ダートトラックに参加、今期は2歳年下の弟ブロンソンとともに、正式にインディアンファクトリーチーム = レッキングクルーの一員となり、過去10年にわたり年間チャンピオンか次点が定席の "最強のプライベーター" ジャレッド・ミーズのインディアンFTR750を破って、初のAFT王座を勝ち取りました。

AFT(2017~)以前・最高峰クラスデビュー直後の貴重な密着映像がこちら!

古くからローカルダートトラックレーシングが盛んで、ケニー・ロバーツを筆頭に数々の名選手を生んだ北カリフォルニアに生まれ育ったブライアーは、先人達と同様にローダイ・サイクルボウル ( = 窪地に所在するためボウルの愛称) やチャウチラ・バーンバーナー (barn burner = "燃え滾る納屋" と呼ばれる常設インドアダートトラック) で弟ブロンソンとともに幼い頃からレースを始めます。

フィジカル・トレーニング面も含め彼のメンターは、元GNCチャンピオンでロードレースを含めた全種目制覇 = グランドスラムを成し遂げたダグ・チャンドラー。リスペクトするレーサーはリッキー・グラハムと言い切る、24歳にして "good, old school" といえる王道型ダートトラッカーです。

画像: Briar Bauman 48 Hours youtu.be

Briar Bauman 48 Hours

youtu.be

16歳でプロライセンスを取得するとただちに450cc単気筒でのプロシングルスクラスへと参加をはじめ、数年後には彼の才能に目をつけた中堅チームの誘いで2気筒クラスへと昇格。こちらの動画は少々長いですが、2017年にAFTがスタートする以前、シリーズ全体の雰囲気もプライベーターの彼の表情も今より緩やかな時期の密着ドキュメンタリーです。

筆者がカリフォルニアで観た滅茶苦茶に速い14歳のローカルボーイ。

ダートトラック界を代表する女性アスリート、4歳年上のシェイナ・テクスターと長く交際中で、今は東海岸ペンシルヴァニア在住・・・とか、近年の華々しいレースパフォーマンスについては、シリーズチャンピオンとしてこれから様々な機会に目にするでしょうから、今日はブライアーがまだ14歳、AMAプロライセンスを取得できない "若きアマチュアの星" だった頃の話をご紹介しましょう。

筆者が彼のレースを初めて見たのは2009年のカリフォルニア。1960〜1970年代に活躍した元GNCライダーのエディー・マルダーが主宰するローカルシリーズ: ウェストコーストヴィンテージフラットトラックの3/8マイル戦でした。主催者裁量での生まれて初めてのプロクラス参加だったはず。

画像1: 撮影: 中尾省吾

撮影: 中尾省吾

ピンクのダクトテープでベタベタに覆ったヘルメット・背番号10が14歳のブライアーです。スタートから飛び出して良いポジションでターン1に飛び込みました。他の顔ぶれは・・・見てほとんどわかるって方もいるかもですけど、手っ取り早く言うと全米選手権のほぼ上位メンバー。若いアマチュアは彼だけです。

画像2: 撮影: 中尾省吾

撮影: 中尾省吾

名を売るチャンス・・・言葉は乱暴ですが、存在感をアピールする絶好の機会。キレまくりのパフォーマンスで錚々たるメンバーと互角に渡り合い、初めて彼と走ったプロたちにも強烈なイメージを与えたことは疑う余地もありません。

画像3: 撮影: 中尾省吾

撮影: 中尾省吾

結果は堂々の3位入賞でした。周りは歴戦のプロたちばかり。この日のレースこそ、彼の今日までの輝くキャリアを方向づける、重要な転換点になったはずです。

画像4: 撮影: 中尾省吾

撮影: 中尾省吾

弟のブロンソンもアマチュア・オープンクラスで大暴れでしたが、実は筆者ハヤシもそのクラスに借り物450ccで出走してまして、この生意気な12歳に完敗したので今は何も語りたくありません (笑) 。いずれ兄弟揃ってAFTチャンピオンを獲る日がきたらそちらも渋々ご紹介・・・しようかな?

長く続けられる参加型スポーツのひとつである日本のダートトラックレーシング、必ずしも早くからキャリアをスタートする必要はないでしょうが、10年前のこの日のバウマン兄弟のように、10代のうちから・・・そう例えば "世界のオーモリ" に一泡ふかせるような・・・優れたタレント (才能) を育てることが、カテゴリー全体にとっては急務と言えるかもしれませんね。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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