世界耐久選手権(FIM EWC)の2019-2020年シーズン開幕戦でもあるフランス・ボルドール24時間が、週末に開催されました。今年の耐久王者を占う上でも重要な開幕戦ですが・・・大雨による中断、そして路面のオイルに起因する大クラッシュ!! などなど、悲喜こもごものドラマが展開されるレースになりました・・・。

スタート後3時間で、大雨によりレースは中断!

ボルドール24時間のポールポジションを奪取したのは、ヤマハのオフィシャルチームであるYARTヤマハでした。ロリス・バズ、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパのYART3人衆はいずれも1分54秒を切る好タイムをマーク。昨シーズンはリタイアのレースが多くタイトル争いから脱落したYARTですが、今シーズンこそ王者チーム候補の一角に加わるのでは?

迎えた決勝! はあいにくの雨・・・ウェット路面でのスタートとなりました。

画像: Bol d'Or 2019 - Start of the race youtu.be

Bol d'Or 2019 - Start of the race

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長丁場の決勝の序盤、ポーランドを本拠とするヴイチク・レーシング・チームが、YARTヤマハ、F.C.C. TSR ホンダ・フランス、そしてWebike SRC カワサキ・フランスなどメーカーのオフィシャルチーム勢を尻目に首位を走り、多くのファンを驚かせることになりました!

画像: ヴイチク・レーシング・チーム(ヤマハ)のジーノ・レイが首位に立ちます! なお彼は、現SBK(世界スーパーバイク選手権)王者のジョナサン・レイの弟です。  https://www.fimewc.com/news/

ヴイチク・レーシング・チーム(ヤマハ)のジーノ・レイが首位に立ちます! なお彼は、現SBK(世界スーパーバイク選手権)王者のジョナサン・レイの弟です。

スタート後1時間になる前にセーフティーカーが介入し、再開後もヴイチク・レーシング・チームのクリストファー・ベルグマンが首位をキープ。この非ファクトリー勢の活躍も、大雨による演出のひとつと言えるかもしれません。

しかし、ポール・リカール・サーキットの雨は激しくなり、雷も轟くように・・・。そしてスタート3時間後の現地時間9月21日午後6時に、安全確保のためレースは中断となりました。これがホントの「水入り」ですね?

画像: Bol d'Or 2019 - Tricky Conditions youtu.be

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なんと有力3チームが一気に脱落!!

決勝レースの再開時刻は、9月22日の午前6時に決まりました。そして赤旗中断前の周回での順位・・・首位を走っていたF.C.C. TSR ホンダ・フランス、SERT=スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム、YART ヤマハ、Webike SRC カワサキ・フランス、ヴイチク・レーシング・チーム、Tecmas BMW GMC、スーパーストック最上位のモト・アインの順で、セーフティカー先導のもと再スタートが切られます!

画像: セーフティーカーの後方、隊列走行をするライダーたち。 www.fimewc.com

セーフティーカーの後方、隊列走行をするライダーたち。

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しかし、大雨中断で夜間走行がなくなったというドラマの後にも、大きな波乱のドラマが起こります! なんと首位のF.C.C. TSR ホンダ・フランスにエンジントラブルが発生します!

画像1: FIM EWC on Twitter twitter.com

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そしてこのトラブルに起因する路面へのオイル漏れが、さらなる悲劇を呼ぶことに・・・。YART ヤマハに乗るロリス・バズとWebike SRC カワサキ・フランスのエルワン・ニゴンが、このオイルに乗り上げてしまい転倒! そして車両から出火というショッキングなシーンを観衆たちは目の当たりにすることに・・・。

直ちにセーフティーカーが出動! その後ろにはヴイチク・レーシング・チーム、SERT、そしてBMW モトラッド・ワールド・エンデュランス・チームらがつきました。昨シーズン最終戦の鈴鹿8耐でタイトル争いをしたWebike SRC カワサキ・フランスとF.C.C. TSR ホンダ・フランス、さらに有力チームのYARTヤマハまでいなくなってしまったことは、残念のひと言ですね・・・。

これも耐久レース・・・誰を責めることもできないことは、長年このレースに情熱を燃やして続けてきた現場の人たちが、そのことを一番理解しているでしょう・・・。

画像2: FIM EWC on Twitter twitter.com

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名選手、有終の美を飾る!!

そして19時間経過し、ついにSERTがヴイチク・レーシング・チームをとらえ、首位に浮上します。

画像: Bol d'Or 2019 - Suzuki Endurance Racing Team new leader youtu.be

Bol d'Or 2019 - Suzuki Endurance Racing Team new leader

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SERTの中心ライダーである10度のFIM EWC王者であるヴァンサン・フィリップは、このボルドールが引退レースとなります。今年の鈴鹿8耐ではSERTを長年率いたドミニク・メリアン監督の引退試合を、8時間直前のオイル漏れトラブルでリタイアに終えてしまったSERTですが、過去8度ボルドールを制した経験を持つヴァンサン・フィリップは有終の美を飾ることができるのか・・・に注目が集まりました!

そしてヴァンサン・フィリップ、エティエンヌ・マッソン、グレッグ・ブラックの3名を起用するSERTは、チームとしてボルドール17回目となる優勝をゲット! 中間ポイントも20点獲得し、合計49ポイントで2019-2020年シーズンのランキング首位に立ちました!

画像: Bol d'Or 2019 - The finish line & Suzuki victory youtu.be

Bol d'Or 2019 - The finish line & Suzuki victory

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2位には大健闘で今年のボルドールを盛り上げたヴイチク・レーシング・チーム、3位はFIM EWCデビュー戦のBMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームを僅差のリードで負かした、BMWのプライベーターであるチームERCエンデュランスが入りました!

最後の最後に、またまたドラマが!!

しかし、まだまだ波乱は終わりません! なんとレース後の車検でチームERCエンデュランスのBMW S1000RRが燃料タンクの容量に関する規定違反で、3位表彰台から引き摺り下ろされてしまったのです。その結果、繰り上がりでBMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームが3位になっています。

画像: FIM EWCデビュー戦がボルドール24時間となったファクトリーチーム、BMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームはひとまず3位という結果を残しました。日本の4メーカーのファクトリー勢相手にどのような戦いを展開するか・・・今後の活躍に注目しましょう。 www.fimewc.com

FIM EWCデビュー戦がボルドール24時間となったファクトリーチーム、BMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームはひとまず3位という結果を残しました。日本の4メーカーのファクトリー勢相手にどのような戦いを展開するか・・・今後の活躍に注目しましょう。

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FIM EWCの2019-2020シーズン第2戦は、初開催となる12月14日のセパン8時間です! 今シーズンも来年の鈴鹿8耐をグランドフィナーレとするFIM EWCの王者となるのはどのチームか!? 楽しみにしましょう!

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