我が国のダートトラックシーンにこれまで決定的にずーっと欠けていたもの・・・それは "観る側の視点" です。参加型のアマチュアスポーツだから主役は当然ライダーその人たち。なのはもちろん間違いないのですが、彼らが懸命に戦う時を共有し、後押ししたり応援したり盛り上げてくれるであろう人たちを迎えるためのスペースがもしそこにあれば、きっとより良い舞台が作り出せるはず。という大いに自戒を込めたお話です。

真夏のギラギラ陽気の下、汗ダクダクかいてやるスポーツじゃないんです。

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。残暑厳しい折、皆様いかがお過ごしでしょうか。夏の暑さと日射は一定のグリップレベルを保ちたいダートトラックの大敵。前も見えない砂塵と体温よりも高い気温の中で、安全が容易に確保できる類いのスポーツではないため、今くらいの季節なら日暮れの迫る "夕まずめ" からが良い時間帯でしょう。もちろん照明設備のあるトラックならば暗くなっても走れますね。観る側の過ごしやすさという点でもそれは全く同じ事です。

毎年筆者がこの時期に思うのは、つくづく我が国でのこのスポーツは気候や環境面で条件の多いものだということ。年中くまなくフラットに走り回るのがどうしても難しいダートトラック、本場アメリカ各地のローカルレースシーンではどうしているかを探ってみると、やはりそのハイシーズンは春と秋。路面の乾き過ぎ・・・トラックメインテナンスに手間暇かかる・・・を避けるため、夏場はナイトレースとして設定されることも多いようです。

画像: Perris Raceway AMA Flat Track Racing youtu.be

Perris Raceway AMA Flat Track Racing

youtu.be

明日のあなたは、誰が為に走るのか。

歴史の授業で出てきたような気がする古代ナントカ時代の円形闘技場や闘牛場よろしく、本場のローカルトラックの多くには・・・練習場じゃなく "レース場" ですけど・・・ほぼ例外なく観客のための施設として、ボロっちくても小さなスタンドが用意されています。いわゆる客席ですね。

画像: 明日のあなたは、誰が為に走るのか。

トラックサイドに突っ立ってレースを眺めるのじゃなく、各自気を効かせて折り畳み椅子持参、でもなく、ちょっとした高みからトラック全体、つまりレースの全貌を、腰を落ち着けて俯瞰的に眺めることができるか否か。観る人がいる中でのレースは、走り手の高揚とイベント全体の一体感を生み出すことでしょう。全国各地のダートトラック建設予定の皆さん、これからの会場に必要なのは、走路に関する充実と同じくらい、あるいはそれ以上に?観るための切り口が大事・・かもしれませんよ。

より多くのライダーが安全に走る場面は自由気侭な練習日 < レースデイ。

我が国で一般的なダートトラック・オーバルのサイズは150〜200m級といったところですが、自由練習形式での走行なら、8人も同時にトラックに入ればキッツキツの大混雑状態です。好きなタイミングで (勝手に?) 出入りするライダーも当然いるでしょうし、転倒者がいた場合の対応も人それぞれ。マシンの様子見とかで常に全力走行していないライダーもいるかもしれません。

画像1: より多くのライダーが安全に走る場面は自由気侭な練習日 < レースデイ。

これがレースとなればどうでしょうか?ひとまずトラック上の全員、それぞれの目標は10数周後のレース終了時に真っ先にフィニッシュラインを通過することしかありません。転倒に巻き込まれても損、スロットルを戻したら負け、なのですから常により能動的、前のめりの姿勢 (精神的に) で走るわけです。しかも全車一斉スタートですから、ごく短時間の "集中力の総和" こそがスポーツの安全を作り上げる鍵、ということになるでしょう。主催者目線で言えば、このある種の緊張状態の中なら同じ広さであっても倍の16人以上で走ることだって不可能ではありません。

画像2: より多くのライダーが安全に走る場面は自由気侭な練習日 < レースデイ。

いかがでしたか?いつになく取り留めない散文になっちゃいましたが、なんとなく最近しばしば考えているテーマです。

というわけで今度の日曜・9月1日には筆者ハヤシ主宰のダートトラックレース・FEVHOTSの2019第4戦を開催予定。会場は埼玉県川越市ウェストポイント・オフロードヴィレッジの常設200mオーバルトラック。日中の暑さを避けて15時ごろからゆるゆるとスタートし、決勝は照明下での "ナイトレース" となる見込みです。

お時間ある方は是非一度、我々の主催する生のダートトラックレースをご覧くださいね。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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