『キングスマン』シリーズの監督を務め、『ロケットマン』の製作を務めたマシュー・ボーン。
今回、マシューへのSCREEN ONLINE単独電話インタビューが実現。
エルトン・ジョンやタロン・エジャトンについて、映画作りで大事にしていることや『キングスマン:ゴールデン・サークル』の撮影時のエルトンとのエピソードなどを語ってくれた。
画像1: 映画『ロケットマン』
製作を務めたマシュー・ボーンの
電話インタビューが実現!

ーー製作総指揮を務められたエルトン・ジョンさんご本人が、製作過程で特に力を注いでいたり、こだわっていた部分があれば教えて頂けますか。
「エルトン自身の旅路、道のりの真実を描くことは大事にしていました。エモーショナルな気持ちを持った上でちゃんと真実を描くこと。それから、良いことも悪いことも全て見せつつ、音楽に対してのリスペクトを持って描くことを望んでいましたね。あとは… “エルトン・ジョンはこういう人です”と映画の中で新たに描くのではなく、そのままの自分を描いて欲しいと、そこはこだわっていました」

ーーエルトンの孤独がしっかりと描かれているので、一歩間違えば重苦しい映画になってしまう可能性もあったかと思いますが、ミュージカルシーンの楽しさや衣装の華やかさ、ユーモラスなシーンが盛り込まれていることでとっても楽しく拝見できました。エルトンの抱える苦しみを描く部分と、エンタメ作品としての楽しめる要素のバランスはどうやってとっていたのでしょうか。
「監督はデクスター(デクスター・フレッチャー)だからバランスに関しては僕は答えられないけれど、そのような細かい要素も全て脚本に書いてありました。だからこそ僕はこの脚本が本当に素晴らしいと思いましたし、読みながら笑ったり泣いたりショックを受けたり、そして温かい気持ちにもなりました。脚本家のリー(リー・ホール)は本当に凄いものを書いたなと。共感出来る物語になっていたので、そこがとても重要だったというか。監督を務めたデクスターが、この素晴らしい脚本を映像化することを見届けることが僕のプロデューサーとしての役目だったのではないかと思います。

製作していて難しいと感じたのは、エルトンの人生のありのままを描いているので、劇中で彼がよくない行動に走ったことも赤裸々に描かなければならなかったこと(笑)。というのも、もしかしたらそのシーンで観客が少し嫌な気持ちになってしまうかもしれませんよね。ところがデクスターが監督したことで、脚本上も役者たちの演技もそうですが、観客が嫌な気持ちにならないような映画になっていたんですよね。共感できる映画として完成させたことは凄いと思います」

ーー現場で、エルトンさんと一緒にいるときのタロンさんはどんな様子でしたか?
「タロンは最初はすごく緊張していて、エルトンの存在感に圧倒されているように見えました。でも、今では2人はすっかり仲良くなって、一緒に居る時はハッピーにしているしタロンも落ち着いているというか、前みたいにドギマギしなくなったんじゃないかな(笑)」

画像2: 映画『ロケットマン』
製作を務めたマシュー・ボーンの
電話インタビューが実現!

ーーエルトンさんもタロンさんも脆く繊細な部分が共通しているとコメントされていますが、どういった時にそう感じられたのでしょうか?
「エルトンは、親から愛されていなかったり、人に利用されてお金を盗まれてしまったり、更には自分のルックスに対してとか恋愛に対して不安になったりしたことによる繊細さや脆さを持っています。作曲に関しても”お酒を飲んでいたり、薬をキメている時じゃないと良いものが作れないのではないか”という恐怖心や、過去に友人たちがエイズで亡くなったことから来る不安も感じていた。だけど、そういった脆さと同時に“音楽で人を助けたい”と思う気持ちも持っているんですよね。それはまさに『ロケットマン』で描かれています。

一方タロンもエルトンと同じで、演技がうまく出来ているかどうかという不安な気持ちや、有名になって自分の存在が徐々に世界に知られていくなかで、他人から裁かれるような目で見られてしまうことによるメンタルの脆さを持っている。賛辞も受ければ批判も受ける中で、クリエイティブな人間というのは批判的な意見の方がより大きなインパクトを受けるんじゃないかなと。そこがエルトンとタロンの共通点というか、繊細さや脆さなのかなと思います」

ーー『キングスマン:ゴールデン・サークル』でエルトンさんが登場したときは土肝を抜かれましたが、その時の撮影エピソードもひとつお話頂けますか?
「劇中のシーンに関してではありませんが、エルトンがピアノを弾いてくれて、デュエットで一緒に歌ったことがありました。まさか大ファンでもある偉大なミュージシャンと一緒に自分が歌を歌えるとは思わなかったので、とても印象に残っています」

ーー素敵なエピソードをありがとうございます。先日、タロンさんにインタビューした際にコンサートをやって欲しいとお伝えしたら、「10曲ぐらいの短いコンサートなら可能性はあるかも」とおっしゃっていました。マシューさんがプロデュースするとしたらどんな演出をコンサートに盛り込みますか?
「それに関してはデクスターが適任だと思うから、彼を雇って“あとは任せた”と言って僕は帰るよ(笑)」

画像3: 映画『ロケットマン』
製作を務めたマシュー・ボーンの
電話インタビューが実現!

ーー(笑)。マシューさんが手掛ける映画はどれも今までに観たこともないような新しい感覚が楽しめるのですが、映画作りで大事にしていることがあれば教えて頂けますか。
「絶対に飽きさせないこと。それから楽しませること。これらが僕の仕事だと思っています。例えば、映画監督の中には“世界を変えたい”という気持ちを持って映画を制作している人もいますよね。だけど、僕はメッセージ性みたいなものを強く押し出すタイプではないと思っているんです。僕にとっての映画作家としてのルールは、2時間という尺の中で観客が完全に映画の世界に逃避できること。コメディだったら笑わせることだし、ホラーだったら怖がらせること、アドベンチャーだったらワクワクできること、そういう作品に仕上げなければいけないと思っています。2時間という時間で、観客が純粋な逃避体験が出来ることを大切に映画を作っています」

画像4: 映画『ロケットマン』
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電話インタビューが実現!

ーーマシューさんが好きな音楽映画やミュージカル映画があれば教えて頂けますか?
「『グリース』(78年)、『サウンド・オブ・ミュージック』(65年)、『ウエスト・サイド物語』(61年)、あと、やっぱり『オリバー!』(68年)が最高だよね!(笑)」

ーー昔からミュージカル映画を作りたかったそうですが、今作を作ったことで次のミュージカル映画への製作意欲も湧きましたか?
「100%作りたいという気持ちがあるので、良い企画を探しているところなんですよ」

ーー監督として企画を探してらっしゃるのですよね?
「もちろん! 監督としてミュージカル映画をやりたいと思ってる!! 完全オリジナルのミュージカル映画を作ってみたいんですよ。僕はどちらかというと直観型なので、題材を探して見つけるというよりも、僕のもとへやってきたものにいかに反応出来るかで決まるんじゃないかなって。スイッチがオンになったらそのまま突き進むだけだから、そういう企画に出会えるのを待っています。エルトンのように実在するミュージシャンの話でも、既存の楽曲を使ったものでも、とにかく良い企画を探しています」

ーー話は変わりますが、『キングスマン』の次回作はどのような物語になりそうですか?
「『キングスマン』の誕生物語で、『キングスマン』の基盤がどのように作られていったのかが描かれる予定です。本物のノーブルさ(気品)が凄く大切にされていて、本物の紳士がいた時代の話。ジェントルマンの真の価値というのは果たしてどういう物なのか、といったことを描くので、期待して待っていてもらえたらと思います」

(文/奥村百恵)

画像5: 映画『ロケットマン』
製作を務めたマシュー・ボーンの
電話インタビューが実現!

『ロケットマン』
8月23日(金)全国ロードショー
監督:デクスター・フレッチャー『ボヘミアン・ラプソディ』  
脚本:リー・ホール『リトル・ダンサー』
製作:マシュー・ヴォーン『キングスマン』シリーズ
   エルトン・ジョン
キャスト:タロン・エジャトン『キングスマン』シリーズ
     ジェイミー・ベル『リトル・ダンサー』
     ブライス・ダラス・ハワード『ジュラシック・ワールド』
     リチャード・マッデン「ゲーム・オブ・スローンズ」
配給:東和ピクチャーズ
PG12
©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

画像: 『ロケットマン』本予告 youtu.be

『ロケットマン』本予告

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