このところブランドの枠を超えてワールドワイドで益々活況を呈するSUVマーケット。この連載企画では、国産・輸入車を問わずSUVの「今」を感じられるモデルを順次紹介していく。第1回は「ジャガー I-PACE」だ。

今後のジャガーEV戦略のかなめ

F-PACE、E-PACEに続くジャガーSUVシリーズの第3弾となるI-PACEは、2018年3月のジュネーブモーターショーでワールドプレミアした。衝撃的だったのは、I-PACEがジャガー初のフルバッテリー電気自動車(BEV)だったことだ。ジャガーはI-PACEを「エレクトリック・パフォーマンスSUV」と位置づけ、EV時代へのジャガーのアプローチを提示して見せた。

スーパーカーのコンセプトモデル「C-X 75」からインスピレーションを得たというエクステリアは、短く低いボンネットを持つキャブフォワード・フォルムが特徴だ。これによりF-PACEとほぼ同等のスペックの中に、ラージサイズSUV並の室内空間を確保するパッケージングを成立させた。同時に、独特なルーフ形状やフロントバンパー開口部に取り付けたアクティブベーン、格納式ドアハンドルの採用などで、前面投影面積の大きいSUVにもかかわらずCd値(空気抵抗係数)0.29を達成。空力性能を高めて、航続距離の延長を図っている。

インテリアでは、AI学習機能を備えたスマート・セッティングがジャガー初の機構として注目される。これはリモートキーとスマホのBluetoothを介してドライバーをI-PACEが自動認識し、インフォテインメントやシート位置、温度設定(スマートエアコン)などを自動調整する機能で、乗り込む時にはドライバー好みの車内環境にセッティング完了しているというものだ。

収納も、従来トランスミッション・トンネルがあったところに10.5Lのストレージコンパートメントを設えたほか、フロントにフルート(froot)と呼ぶ27Lの収納スペースを設けるなど、EVのメリットを最大限活用している。基本のリアラゲッジスペースは656Lで、シートを倒せば1453Lまで拡大するから、SUVに要求される積載性にも十分応えると言って良い。

画像: ジャガーは2020年以降の新車全モデルを電動化すると表明している。

ジャガーは2020年以降の新車全モデルを電動化すると表明している。

日常生活で不安を感じさせない航続距離

I-PACEは機構面もすべてが新設計された。専用ボディは、車体の94%にアルミを使用したアルミニウム・アーキテクチャーを採用。ボディ構造の一部として前後に設けたサブフレームの間に、90kWhのリチウムイオン電池を納めたバッテリーフレームを、可能な限り低い位置に配置して低重心高を実現している。同時にこのバッテリーフレームが床面補強材の役を果たし、ジャガー史上最も高いねじり剛性(36kNm/deg)を実現したのも、EVならではのメリットだ。

駆動モーターは、車軸と一体化させたジャガー製永久磁石同期式で、これを前後アクスルに各1基配置して、瞬時に4輪すべてに正確なトルク配分を行う電動4WDを構築している。2基のモーターをフルに稼働させた時の総合最高出力は294kW(400ps)に達し、動力性能は最高速度200km/h、0-100km/h加速は4.8秒と公表された。一方で、最大0.4Gのエネルギー発電を行う回生ブレーキによるシングルペダル・ドライビングを可能としているのもEVならではの魅力と言える。航続距離はWLTCモードで438kmと長く、日常使用での電欠の不安をほぼ解消した。充電時間はDC急速充電(CHAdeMO規格)の場合0~80%まで約85分。AC普通充電だと0~100%充電まで約12.6時間となる。

I-PACEはS、SE、HSEをラインナップ。全グレードを対象に5年の新車保証と、最長8年間または16万km以内のいずれかでバッテリー容量が70%を下回った場合のバッテリー保証が付帯される。

画像: スタイリッシュなフォルムのCd値は0.29。

スタイリッシュなフォルムのCd値は0.29。

■ジャガーI-PACE HSE主要諸元

●全長×全幅×全高=4695×1895×1565mm
●ホイールベース=2990mm
●車両重量=2240kg(エアサスペンション仕様)
●モーター=交流同期電動機×2
●最高出力=294kW(400ps)
●最大トルク=696Nm
●駆動方式=4WD
●車両価格(税込)=1162万円

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