最強のホンダエンジンを搭載したロータス100T。当時のロータスはF1界のトップチームであり、ホンダエンジンを搭載する「もうひとつ」のチームではなかった。ドライバーの布陣には世界チャンピオンと全日本チャンピオンを揃え、主役となるはずだった。(写真:金子 博)

前年の経験をふまえ、タイトル奪取が使命だった

ホンダF1活動第2期の中でも「最強」の名を欲しいままにした1988年。ロータスもマクラーレンとともにホンダエンジンを搭載して活躍している。

成績的に見ると、同じ「RA167E」を搭載するマクラーレン・ホンダMP4/4に圧倒されたが、高まるF1人気の中でCAMELイエローのロータス・ホンダ100Tは日本でも大きな注目を集めた。

前年からホンダパワーを手に入れたロータスは、勇躍アクティブサスペンションを採用した先進的で意欲的なマシン「99T」を投入したが、なかなかその最新技術の熟成が進まず、この年1988年の「100T」ではアクティブサスペンションの採用を諦め、通常の保守路線へと回帰した。

しかし、このことが開発の継続性を途絶えさせることになり、かえってライバルに対し技術の遅れとなったのは皮肉だった。たしかに同じエンジンを積むマクラーレンMP4/4と比べると、マシンが大きくて太い印象は拭えなかった。

結局、前年のチャンピオンでありブラジル出身の超大物ドライバーであるネルソン・ピケ、ホンダエンジンの開発にも携わった日本のトップドライバーである中嶋悟を擁しながら、またマクラーレンよりも1年早くホンダエンジンを獲得していたにもかかわらず、それを好成績に結びつけることはできなかった。

それでも、ピケが3度の3位入賞を果たし、中嶋悟が鈴鹿で予選6位決勝7位という成績を残すなどしばしば速さを見せ、コンストラクターズランキングでも、マクラーレン、フェラーリ、ベネトンに次ぐ4位に入り、「ホンダ黄金時代」の一角を担った。

画像: 開幕前からマクラーレンとともにチャンピオン候補にあげられていたが、トラブルやミスに苦しみ、思うような成績をあげることはできなかった。

開幕前からマクラーレンとともにチャンピオン候補にあげられていたが、トラブルやミスに苦しみ、思うような成績をあげることはできなかった。

画像: 全日本のチャンピオンでありホンダエンジンを知り尽くした中嶋 悟(左)と、前年のチャンピオンであるネルソン・ピケの組み合わせは強力だった。

全日本のチャンピオンでありホンダエンジンを知り尽くした中嶋 悟(左)と、前年のチャンピオンであるネルソン・ピケの組み合わせは強力だった。

画像: ホンダの1.5Lターボの最終進化形となるRA168E。パワーや燃費ばかりではなく、低重心化、コンパクト化にも配慮して設計し直されていたが、ロータスはそれをうまく使いこなすことができなかった。

ホンダの1.5Lターボの最終進化形となるRA168E。パワーや燃費ばかりではなく、低重心化、コンパクト化にも配慮して設計し直されていたが、ロータスはそれをうまく使いこなすことができなかった。

ホンダF1第2期のバックナンバー

ロータス・ホンダ 100T(1988) Lotus Honda 100T 

エンジン:Honda RA168E
●形式:水冷80度V6DOHC24バルブツインターボ
●排気量:1494cc
●ボア×ストローク:79.0×50.8mm
●圧縮比:9.6:1
●最高出力:685ps/12300rpm
●燃料供給方式:PGM-FI 2インジェクター
●スロットル形式:2連バタフライ式スロットルバルブ
●点火方式:CDI
●エンジン重量:146kg

シャシ:Lotus 100T
●デザイナー:ジェラール・ドゥカルージュ
●車体構造:カーボンファイバーモノコック
●ホイールベース:2775mm
●トレッド前/後:1800/1650mm
●サスペンション:ダブルウイッシュボーン+インボードスプリング
●タイヤ前/後:11.5-13/16.3-13インチ
●燃料タンク:150L
●トランスミッション:ヒューランド製6MT
●車体重量:540kg

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