ダートトラックレーシングをどうやって次の世代へと伝えていくかなど滔々と述べた先週のコラムでしたが、ドンピシャのタイミングで筆者と同世代の方からお手紙いただきました。なんでもお子さんと一緒にダートトラックを始めたい、ついてはどんなマシンを用意してやってデビューさせるのが良いだろう?とのこと。今週のお題目ありがとうございます。オトナ用エントリーマシンについては以前にもご紹介していますので、今回はユース世代の "最初の一台" にスポットを当ててみましょう!

バイクなんでもOK・・・では "1ミリも" アドバイスになってませんから。

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。お手持ちのバイクでこのスポーツができるか否か、我々のスポーツの現場に初めて足を運んでいただいたような方からそんな質問をされる機会がまあまあ頻繁にあるのですが、筆者は "最初はなんでも大丈夫!とりあえず二輪でエンジンついてればOK!" 的な、安易な発言でこちらに誘い込むことは慎むよう心がけています。モノによって向き不向きとかが当然ありますから。

「〇〇はココとココに手を入れるとより扱いやすく、より早く楽しむことができます」
「××は最低限ソコとソコをなんとかしないと、少し慣れてきたと思ったころ大変苦労しますよ」
「▲▲はヤメたほうがいいです」

ダートトラックライディングは道具を使うスポーツ。その選択の善し悪しひとつひとつが、身の安全の確保や技術面での深化に直結します。熱いパッション燃え滾り系・挫折を恐れずすべてを成長の糧とし、はるかなる遠回りの時間と費用を一切厭わず楽しめる方・・・は自由自在に堪能されると良いですが、一応正解 (とか一般的な意味でのベターな選択) は耳に入れる必要があるはず。"とりあえずなんでもOK" はノーヒント = なにも教えていないのと同じです。少なくとも筆者はそう考えます。

画像: バイクなんでもOK・・・では "1ミリも" アドバイスになってませんから。

(あくまで参考として) 本場ローカルレースのルールブックを覗いてみます?

ではお子さまたちはどんな道具を揃えてスタートを?ここはまず競技の本場アメリカの、層の厚いローカル・レースでのルールブックなんかを軽く参照するのが手っ取り早くて良いかもしれません。

クラスその1
・0~51cc
・4~6歳
・ミッションなし (コブラ・KTM・LEM・ポリーニなど)

クラスその2
・0~51cc
・7~8歳
・ミッションなし (コブラ・KTM・LEM・ポリーニなど)

クラスその3
・0~51cc
・4~8歳
・ミッションなし / 分離給油モデル (ヤマハPW50など)

クラスその4
・0~51cc
・4~8歳
・遠心クラッチ式ミッション車

クラスその5
・4ストローク / 99cc以下
・7~11歳
・CRF70, 80, PW80, TT-R90, など

クラスその6
・4ストローク / 124cc以下
・7~15歳
・100~124cc縦型 / 110cc横型 など

クラスその7
・2ストローク / 65cc
・7~11歳
・各社モトクロスレーサー など

クラスその8
・2ストローク / 85cc
・4ストローク / 150cc
・7~15歳
・各社モトクロスレーサー など

クラスその9
・4ストローク / 水冷250cc
・12歳以上
・各社モトクロスレーサー など

当地のレースでの、キッズ / ユースクラスとしてのレギュレーションですが、大まかには上の一覧のような線引きがなされることが一般的なようです。オトナと一緒に450ccでレースに参加できるのはおおよそ14歳くらいから。16歳以上は完全にオトナと同じ扱い。

画像: (あくまで参考として) 本場ローカルレースのルールブックを覗いてみます?

クラスその1〜その2の各社ミッションなし50ccモデルは、我が国ではエントリーモデルとしてそいこまで普及していませんが、他は探せば手に入るものばかりです。背格好に合わせて柔軟に車両を選んであげるのが良いでしょう。どの段階からでもあっという間に成長して、衣装もマシンもみるみるサイズアウトしてしまうのかもしれませんけど・・・。

チチハハだけで盛り上がらないのが長く楽しむ秘訣?

画像1: チチハハだけで盛り上がらないのが長く楽しむ秘訣?

競い合うライバルが見つかるかも、このスポーツの虜になるかのひとつの鍵ですが、本人が自然と前のめりになる好条件が得られるかが大事です。くれぐれも親御さんだけで熱くなり過ぎないように。

画像2: チチハハだけで盛り上がらないのが長く楽しむ秘訣?

本場アメリカのレースカルチャーにおいても、次の世代の人たちを獲得するため、様々な取り組みが試みられているようです。ジジババだけが盛り上がっててもそこに未来はないですから、ね。

ではまた金曜の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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