カンヌでは何度もコンペ部門で選ばれている三池崇史監督の最新作「初恋」が監督週間で上映された。主演の窪田正孝らもカンヌ入りした。(現地レポーター/岡田光由)

どうしてもカンヌを味わいたいと滞在1日の弾丸ツアーでやってきた窪田正孝

カンヌに相性のいい監督と違う監督がいる。昨年「万引き家族」でついにパルムドールを受賞した是枝裕和監督や「殯の森」の河瀬直美監督、それに三池崇史監督だ。彼らはその才能が映画祭総監督ティエリー・フレモーをはじめ、作品選びのディレクターたちに認められているからだ。
今回はコンペティション部門やある視点部門に皆無の日本映画の中で、大きく気を吐いているのが三池監督だ。過去に「一命」や「藁の楯 わらのたて」でコンペ部門に選出されたことのある三池監督の最新ラブストーリー「初恋」が監督週間に選ばれた。特別上映作品として招かれた「無限の住人」以来、2年ぶりのカンヌだ。

その「初恋」に「ケータイ捜査官7」以来、10年ぶりに三池監督とタッグを組んだ窪田正孝が、どうしてもカンヌを味わいたいと月九ドラマ「ラジエーションハウス」撮影の合間を縫って、滞在丸一日の弾丸ツアーでやって来た。カンヌ映画祭の雰囲気と共に、恩師・三池監督に少しでも応援したい気持ちなのだろう。公式上映の17日の前、15日に記者発表会を開いた。ここでは三池監督や窪田正孝、3000人の中からオーディションで選ばれたヒロイン役の小西桜子、それにプロデューサーたち。その中に何と「ラストエンペラー」「戦場のメリークリスマス」などを手掛けた大物製作者ジェレミー・トーマスも同席。元々日本映画の大好きなトーマス、最近はその日本映画関連の製作にも携わっているようだ。

画像: 「初恋」より

「初恋」より

今回の「初恋」は、負けなしのボクサーが初めて苦杯を喫し、そのショックから裏社会に踏み込んで人生を転落していくストーリー。三池監督初のラブストーリーと謳っているが、監督独特のスピーディーなバイオレンス・アクションは健在。それを体現しているのが、窪田正孝をはじめ、大森南朋、内野聖陽、染谷将太、それにベッキーまで。

窪田は「初カンヌに感無量です」とカンヌとかけて感無量を連発、会場の笑いを誘った。「出会った頃の監督は怖かったけど、最近は丸くなったというか、ソフトになった。とはいえ、人柄、中身は濃くなっていますよ」とフォロー。「今は遠い親戚の叔父さんかな」と洩らすと、「遠い叔父さんかよ」と突っ込みを入れる三池監督。二人の近しい師弟関係がうかがわれた一幕でもあった。

ところで三池監督は「自分の作りたい映画を作って、別の世界の人たちにお見せする幸せ。どんな反響があるか楽しみ。演じる役者たちも日頃のストレスを僕の映画で晴らすかのように生き生きとしている。僕はそれを利用しているのかしれない」と演出について述べたが、監督週間に選ばれたことに「監督週間は新人の登竜門と言われているが、僕のように何度も選ばれるとループ的存在のような気がして、映画祭の中の箸休め的存在なのかな」とちょっぴり不満ものぞかせた。来年公開の「初恋」が今から楽しみである。

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