速さによって快適性を損なってしまうことは、マクラーレンではありえない。ハンドリングはロードカーの限界を超え、片道100kmを楽々こなす万能選手だ。(Motor Magazine 2019年6月号より)
画像1: 【海外試乗】マクラーレン600LTスパイダーはサーキット走行を存分に楽しめるロードカー。限界域でもコントローラブルだ

LTの文字はサーキット走行に自信ありの証

モデル名に〝LT〞(ロングテール)の2文字が入ったマクラーレンは「サーキット走行を得意とするロードカー」と思って間違いない。ポルシェ911でいえばGT3 RSないしGT2 RSに相当する。

私はこの600LTのクーペ版にハンガロリンク(ハンガリーブタペストにあるサーキット)で試乗し、そのパフォーマンスに圧倒された経験を持つ。なにしろ600LTはベースとなった570Sに対して100kgの軽量化を実施し、サスペンションのバネレートを前:13%、後:34%も高めているのだ。

その俊敏な走りはロードカーの常識をはるかに越えていて、ハンドルを切れば「フロントオーバーハングには何の重量物も積まれていないのではないか?」と思えるような軽快さでノーズの向きを変える。

しかもハンドルからはタイヤの接地状態が克明に伝わってくるので限界的なコーナリングでも安心が強く、万一テールが滑り始めればドライバーには瞬時にしてその報せが届く。カウンターステアの心得が多少でもある腕自慢にとっては、なんとも操り甲斐のあるスーパースポーツカーだ。そのスパイダー版に、今度はアメリカのアリゾナ州で試乗した。

画像: コーナリングでのタイヤの限界が手に取るように伝わってくる。

コーナリングでのタイヤの限界が手に取るように伝わってくる。

ロングツーリングが得意?ハンドリングもクーペと同等

今回の発見はふたつ。まず、クーペでは試せなかった公道での試乗を体験できたのだが、その乗り心地はノーマルモードを選んでいる限り硬すぎることはなく、近隣のサーキットもしくはワインディングロードまで片道100kmほど走る程度のことは難なくこなせそうだった。

それよりも停止時に感じるエンジンのアイドリング振動の方が個人的には気になったが、これもドライバーの全身からわき上がるアドレナリンでなんとか乗り越えられるはずだ。

もうひとつの発見はカーボンモノコックを使ったスパイダーのボディ剛性がクーペ版とまったく変わらなかったこと。これはマクラーレンでは当たり前のこととはいえ、サーキットでのハンドリングを含めてクーペと変わらないとは驚き以外のなにものでもない。

さらに加速性能や最高速度もクーペと遜色なし。もはやあえてスパイダーを諦める選択肢は、ほとんどない、と言ってもいいだろう。(文:大谷達也)

画像: パッケージオプションとして、エクステンドタイプのギアシフトパドルや軽量素材のスイッチを用意している。

パッケージオプションとして、エクステンドタイプのギアシフトパドルや軽量素材のスイッチを用意している。

■マクラーレン600LTスパイダー主要諸元

●全長×全幅×全高=4604×2095×1914mm
●車両重量=1261kg
●エンジン= V8DOHCツインターボ
●排気量=3799cc
●最高出力=600ps/7500rpm
●最大トルク=620Nm/5500-6500rpm
●駆動方式=MR
●トランスミッション=7速DCT

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