ガソリンスタンドで給油するため、燃料キャップを開けると「プシュ」と音がする。なぜそんな音がなるのか、モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏に聞いた。

ガソリンタンク内の圧力が、高いことも、低いこともある

クルマの燃料タンクは、内部の圧力を一定に保つよう調整されている。もし調整できないと、熱によって燃料が気化して圧力が高まり、最悪破裂することもあるからだ。そのため、燃料タンクの内圧が一定値まで高まると、タンク内に設置されているバルブを開き、燃料の蒸気ガスを抜くような構造となっている。圧力を減らすことで、タンクの破裂を防いでいるのだ。

燃料タンクから抜かれた蒸気ガスは、そのまま大気に開放されるのではなく、キャニスターという場所で一時的に吸着され、最終的にはエンジン内に引き込まれるようになっている。

画像: 矢印の部分、黒い筒状のものがチャコールキャニスター。画像はマツダの初代ロードスターのもの。

矢印の部分、黒い筒状のものがチャコールキャニスター。画像はマツダの初代ロードスターのもの。

また、タンク内のバルブが故障し、内気圧を調整できなくなった時の代替システムとして、給油口のキャップ=燃料キャップ(フューエルキャップやフィラーキャップとも呼ばれる)にもバルブが備えられている。上記と同様、内圧が上がりすぎたときにバルブを開けてガスを抜く構造だ。ただしこのシステムは、タンク内バルブが作動しなかった時のための最終手段となる。

逆に、燃料タンク内の圧力が下がりすぎるのも問題だ。あまりに低くなると、やはりタンクが破損してしまう危険があるのだ。そのときは、燃料キャップにあるバルブから外気を導入して、燃料タンク内の圧力減少を抑える仕組みになっている。

こうした機構が完璧に機能していれば、燃料キャップを開けたときに「プシュー」音はしなくなる。しかし、ものには程度というものがある。燃料タンクが破損しない程度であれば、わずかな圧力の差が生じても困らない。そうした差がわずかでも残っていると、燃料キャップを開けたときにプシューと音が出てしまうのだ。

ちなみに、ガソリンスタンドで給油して満タン近くになったときに、燃料が給油口から吹き返してくるケースがある。これは、燃料タンク内のエア抜きが追いつかなくなったことが原因だ。これを防ぐためには、満タンに近くなったときに給油ノズルから出る燃料の量を減らせばいい。給油レバーの微調整が難しいなら、こまめに止めればいいだろう。慌てなければ吹き返しは防げるはずだ。(文:鈴木ケンイチ)

画像: 燃料キャップにもバルブが内蔵されている。

燃料キャップにもバルブが内蔵されている。

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