タクシー専用として販売されているようにも見えてしまうトヨタのJPN TAXI(ジャパンタクシー)を、個人が自家用車として購入できるのか、モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏に聞いた。

車両価格は高いものの、ランニングコストを抑えることはできそうだ

2017年10月に販売を開始して以来、最新世代のタクシーとして、全国各地で続々と増えているのがトヨタのJPN TAXIだ。その特徴は、大開口のスライドドア(左側のみ)を備えていること。また、床面を低くすることで乗降性を高め、さらに車いすを利用する乗客の利便性も高めている。

ちなみに、2019年3月には車いす利用者の乗降性を高める一部改良が実施された。スロープの折り畳み構造の改良などで、スロープの設置から車いす固定までを3分ほどに短縮したというのだ。

画像: 近年のクルマにはほぼない、フェンダーミラーを標準装備するJPN TAXI。

近年のクルマにはほぼない、フェンダーミラーを標準装備するJPN TAXI。

そんなJPN TAXIは、タクシー事業社だけでなく一般ユーザー向けにも販売されている。全国のトヨタ店とトヨペット店に行けば、普通に誰でもが購入することができるのだ。

車両価格は標準グレードの「和(なごみ)」で327万7800円、上級グレードの「匠(たくみ)」で349万9200円となる。価格差は20万円ほどで、ボディ同色バンパーやLEDヘッドライトなどが装着できるので、一般ユーザーであれば上級の「匠」がおすすめだろう。

搭載されるパワートレーンはトヨタ アクアとよく似ているが、異なる部分も多い。1.5L直4エンジンとTHS2システムを組み合わせたハイブリッドと、ここまでは同じ。しかし、燃料にガソリンではなく、LPG(液化石油ガス)を使う仕様に変更されている。

画像: 1.5L直4エンジン+モーターのハイブリッド。ただし燃料はLPGだ。

1.5L直4エンジン+モーターのハイブリッド。ただし燃料はLPGだ。

エンジンとモーターによるシステム最高出力は100psでアクアと同様だが、燃費性能は19.4km/Lでアクア(34.4km/L)に遠く及ばない。しかし、LPGの価格は1Lあたりおよそ80~90円なので、レギュラーガソリンの価格(140円/L前後)も加味して考えると、ランニングコストはもう少し近くなることだろう。

LPGのガスステーションは、タクシーが走っているエリアであれば確実に存在している。ただし、すべてのガスステーションで個人向けに営業しているか不明だ。もしも、JPN TAXIを購入するつもりであれば、最寄りのガスステーションで個人向けの販売を行っているのかを確認しておく必要があるだろう。

画像: LPGのタンクはラゲッジスペースに配置される。

LPGのタンクはラゲッジスペースに配置される。

ちなみにJPN TAXIは「2020年燃費基準+30%達成車」のため、エコカー減税の対象となる。そのため、購入時の自動車税の免除などの優遇が受けられる。さらに、経済性を重要視して開発されたことも特徴のひとつだ。バンパーは3分割で交換可能だし、ヘッドライトとリヤコンビネーションライトはアウターレンズのみの交換も可能。ちょっとして傷を安価に修理できるような工夫がいくつも施されているのだ。

アクアと同じパワートレーンで300万円台という価格設定は、初期投資としては高く感じられるかもしれない。しかし、タクシーとして使用できるタフさは、一般的な乗用車とは比較にならない。長く、そして多く走る人には、意外と高くない買い物なのかもしれない。(文:鈴木ケンイチ)

くるま問答のバックナンバー

トヨタ JPN TAXI「匠」主要諸元

●全長×全幅×全高=4400×1695×1750mm
●ホイールベース=2750mm
●車両重量=1410kg
●エンジン=1NZ-FXP型 直4
●排気量=1496cc
●エンジン最高出力=74ps/4800rpm
●エンジン最大トルク=111Nm/2800-4400rpm
●モーター最高出力=61ps
●モーター最大トルク=169Nm
●トランスミッション=電気式無段変速機
●駆動方式=FF
●車両価格=349万9200円

画像: JPN TAXIのコクピット。

JPN TAXIのコクピット。

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