日本よりも北極に近いスウェーデン。そこでの冬は、日本を上回る過酷さがある。そんな場所で長い間、開発され続けてきたボルボ車にとっては雪と氷の世界は得意分野だろう。そんなボルボのウインターテストドライブに参加、雪上&氷上性能を確認してきた。(文:千葉知充・Motor Magazine/写真:ボルボ・カー・ジャパン、千葉知充・Motor Magazine)
画像: 国際試乗会に用意されていたのはV60 T8 ツインエンジン AWD RデザインとV60クロスカントリー T5 AWDである。

国際試乗会に用意されていたのはV60 T8 ツインエンジン AWD RデザインとV60クロスカントリー T5 AWDである。

北極圏に近い極寒の地を走るのも楽しい

ボルボは今、絶好調だ。2018年のグローバル販売台数は、創業以来初めて60万台を超え、64万2253台を記録した。17年が57万1577台だったので実に4%増であり、これで5年連続で過去最高を更新している。

そんなボルボからまた1台、販売に貢献するモデルが登場した。V60クロスカントリー(以下CC)である。90シリーズに続き、60シリーズにもラインナップされたこのモデルは、日本未導入だが、今回はひと足早く、本国スウェーデンで試乗することができたのでその印象を報告する。

画像1: 北極圏に近い極寒の地を走るのも楽しい

今回参加したのは、ボルボがクロスカントリーモデル導入時に開催する「ウインターテストドライブ」である。このイベントは、過酷な雪と氷の世界「スウェーデン」でボルボがいかに最適なモデルかがわかるようなイベントで、17年にはV90CCの試乗会としても開催されている。さらに今回は、V60CCとともにV60 T8ツインエンジンAWD Rデザインも試乗車として用意されていた。

画像2: 北極圏に近い極寒の地を走るのも楽しい

過酷なスウェーデンの冬道を走ってわかった安全&快適性

開催地は、スウェーデン北部の北極圏に近いルレオという都市だ。冬は当然、降雪。そして氷点下20度を下回る過酷な環境の地域である。そこでテストドライブを開催するというのだから、ボルボのV60CCやAWDモデルへの自信のほどがわかるというものだ。

画像: V60 T8ツインエンジン。インスクリプションではなくRデザインだがオレフォス社製クリスタルATセレクターが装備される。

V60 T8ツインエンジン。インスクリプションではなくRデザインだがオレフォス社製クリスタルATセレクターが装備される。

ちなみにT8ツインエンジンとはPHEVのことだが、興味深いのは試乗車がRデザインだということ。日本へ導入されるPHEVは、すべてインスクリプションなのでこの組み合わせは今回が初試乗である。

ところで、試乗の拠点は空港近くに用意されていた小島だった。そこまで行くには海の上を走らなければならない。つまりここルレオは、冬は海が凍ってその上をクルマが走っても平気なほど寒さが厳しい場所だということだ。

初日は最初にV60CCに試乗、途中でV60 T8に乗り換えた。前者は、パワートレーンに2L直4ターボエンジンを搭載するT5である。ここまではステーションワゴンのV60と同様だが、V60CCの駆動システムはAWDだ。そして後者は、2L直4ターボ+インタークーラー+モーターを搭載、後輪をモーターで駆動、やはりAWDモデルである。

今回は、V60CCで過酷な雪と氷の世界を走りながら、この高い安心感はどこから来るのだろうとずっと考えていた。路面に雪が積もっていても凍っていても「それがどうした!」とばかりに平気で走っていく。この「クルマに守られている」という感覚は、他では感じられない、いかにもボルボ車らしいものである。それを過酷な状況下で、改めて感じたのだ。

ボルボが必要とされている理由がよく理解できた

そして試乗メニューには、珍しくナイトドライブも設定されていた。冬、明るい時間が少ないスウェーデンでは当然、こうした場面も多くなる。中には街灯もない真っ暗なカントリーロードもあったが、標準装備されているアクティブヘッドライトの効果を確認しながら、安全かつ安心に走ることができた。

こうした場所を運転するとボルボが必要とされる理由がよくわかる。“決して派手さはないけど確実に仕事をこなしてくれる頼りがいのある相棒”。そんなイメージが頭の中に浮かんでいた。

画像: ベースキャンプにはアクセサリー装着車を展示。ライフスタイルに寄り添うボルボらしい演出である。

ベースキャンプにはアクセサリー装着車を展示。ライフスタイルに寄り添うボルボらしい演出である。

テストドライブ2日目は、海の上に設定されたアイストラックに移動。そこにロングハンドリング、ショートハンドリング、レーンチェンジコースが用意され、存分にAWD性能をテストするというメニューだ。インストラクターの先導するクルマの後に続きコースを覚え、簡単なインストラクションを受けてからコースインする。

さすがスウェーデン生まれ。ボルボは雪に滅法強い

それぞれのコースを指定された速度で走るのだが、それは実に楽しいひと時だった。あまりに楽々とクリアするので周回を重ねるうちに速度がどんどん早くなっていくのがわかる。それでもタイヤの限界を超えないかぎり搭載されいる車両制御デバイスが車両をつねに安定方向に維持してくれる。やはりここでも強く感じられたのはボルボの安心と安全性である。

またメニューには、モーグルや急坂コースもあったが、実際にそこを走ってみても難しい操作など一切必要なくとても簡単に走り切ることができ、V60CCのオールラウンダーとしての高い実力も実証された。そんなときにふと、「これって日本の降雪地帯でも同じではないだろうか」と思ったりもしていたが改めて確認できたのは、スウェーデンではやはりボルボは最適なクルマだということである。

さてT8にも少し触れよう。試乗車は、Rデザインなので、見た目からスポーティだ。それでいてPHEVらしくモーターを駆使したスマートでクリーンな走りを味わわせてくれるが、実はエンジンも強力なのでワインディングロードでは“攻める”ような刺激的な走りも可能なのである。

さらに走ってもEV航続距離がなかなか減らないと感じた。PHEVシステムはV90 T8と同じなのだが、バッテリー性能が向上しているか回生システムがより効率的になっているのだろう。これは昨年アメリカで試乗したS60 T8でも感じていたので機会があれば、エンジニアに聞いてみたい。

画像: 過酷な環境下での強い安心感はボルボならではである。

過酷な環境下での強い安心感はボルボならではである。

最後に今回試乗したV60 T8は日本で発表済みで、インスクリプションが導入される。またV60CCの導入は近く、夏前にはハンドルを握ることができるだろう。

■ボルボV60 クロスカントリー T5 AWD 主要諸元
●Engine:種類 直4DOHCターボ、総排気量 1969cc、最高出力 250ps/5500rpm 、最大トルク 350Nm/1800-4500rpm、燃費 総合 12.8-11.5km/L 、CO2排出量 178-198g/km
●Dimension&Weight:全長×全幅×全高 4784×1916×1499mm、ホイールベース 2875mm、車両重量 1815-1867kg ●Performance:最高速 230km/h、0→100km/h加速 6.8sec.
※EU準拠

■ボルボV60 T8 ツインエンジン AWD Rデザイン 主要諸元
●Engine:種類 直4DOHCターボ+スーパーチャージャー、総排気量 1969cc、最高出力 303ps/6000rpm 、最大トルク 400Nm/2200-4800rpm、燃費 総合 47.6-40.0km/L(ハイブリッド値) 、CO2排出量 48-57g/km(ハイブリッド値)
●Dimension&Weight:全長×全幅×全高 4761×1916×1432mm、ホイールベース 2872mm、車両重量 1690-2072kg ●Performance:最高速 250km/h、0→100km/h加速 4.9sec.
※EU準拠、※2 電気モーターの最高出力 65kW/117rps、最大トルク 240Nm/0-50rps、エンジン+モーター複合最高出力 390ps、最高出力 640Nm、EV走行可能距離 48-49km

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